時世録・23
生成AI(人工知能)「ChatGPT」はまだテキ屋の商品の段階だとおもいます。この程度のものを「技術の成果だ」「科学の進歩だ」などと、啖呵きって世間に出して、私は科学者というものはもう少し恥を知っている人種だとおもっていましたが、それをまったく裏切るにはなかなかのシロモノです。
ちょっと他の科学、私たちの身近な医学と比較してみましょう。薬品が薬品として流通を認められるまでの過程です。ふつう研究所での完成から市販までかなり急いで10年かかります。此度のCOVID-19メッセンジャーワクチンで私たちはそのことをよく勉強させてもらいました。詳細は『時世録・18』にも書いてあります。
担架をきって世に出したはいいが、不備が多い、となると、たとえば自動車の場合は全て引き上げてやり直して、これなら良しというところで、今一度世の中にもどってきます。リコールです。生成AI(人工知能)「ChatGPT」もリコールして、仕切り直したほうがイイ。
ガッコなんかは阿呆の源、莫迦の義経ですから、生成AI(人工知能)「ChatGPT」の不備を学んで、「学習」しようという流れもありますが、これが、薬品の場合だとどうなります。
100人服用したら、三人死んだので、アト5人ばかり具合が悪くなったので、そういうことをよく「学習」しておこう。ですみますかね。
「テキ屋の商品の段階」と書いたのではテキ屋の連中に失礼なので、これはもう「詐欺」だといったほうがよろしい。詐欺の手口は巧妙です。日本の公共放送がニュースとお報せでその手口を毎日のように放送していますが、ありゃあ、あんた、時代後れも甚だしい。あんな原始時代の手口なんかもう存在しません。私も一度、電話があって某ウェブサイトの支払いが未払いになっているので、いますぐ17万円振り込むようにという詐欺電を受けたことがあります。私はこの方面では阿呆でも莫迦でもナイので(だって半世紀、演劇をヤッているんですから)、口調から「詐欺」だとワカリマシタが、確証をとるために、そのウエブサイトがどんなサイトか訊ねました。案の定アダルト・サイトでした。で、私がそこを視聴した日付を訊ねました。「昨年の〇月〇日」ということでしたので、これは法規上、支払い請求義務期間をズレているので、詐欺だと確信出来ました。つまり相手の義務違反ですのでほんとうに私が視聴していても支払いはしなくてもよろしい。と、ワカリマシタと返事して、警察に電話、そこから警察の「詐欺係」に電話が繋がり、と、こでは、私はその回線を疑っていましたから、researchして、ホンモノであるところまで、調べました。
これは日本の電話詐欺の手口がお粗末だから私にも対応出来たワケですが、たとえば隣国の韓国などは、まず、カモを選んでその名簿蒐集から始めます。で、偽の警察も、詐欺係も、銀行窓口も、相談室も設置します。カモが念のために確認するのはそのあたりだからです。これがまだ第一段階なんです。恐ろしいです。
さて、生成AI(人工知能)「ChatGPT」にもどりましょう。まず、素人だろうが、文章のプロだろうが、その丁寧な文章に驚きます。ここで、「ChatGPT」文だと気づくひとはかなり少ないでしょう。専門家は専門的な質問をします。ここでも、おそろしくデータの多い「ChatGPT」はなかなか間違えません。で、データにナイよう質問をします。ヤッと「ChatGPT」はしくじります。
私たちのような専門知識のナイものはどうすればよいでしょう。さて、私も騙されるかも知れませんが、ここで、生成AI(人工知能)「ChatGPT」と人間のチガイ。決定的な相違だけ識っておけばイイとおもいます。私たち人間は「ひとのカタチをした自然」です、が、生成AIにはこの「自然」というものが存在しません。私たちと生成AIのチガイは「自然」であるかどうかなのです。私たちは自然に働きかけてモノを創ります。生成AIはデータだけが頼りで、データでモノを創ります。
テキ屋商品も「自然」から創られたものです。COVID-19ワクチンもそうです。生成AI(人工知能)「ChatGPT」はこの「自然」をすっ飛ばすんです。ですから「氷がとけるとどうなる」と訊ねて「水になる」と応えた場合、当方の「春になるが正しいんだよ」という反論におそらく「ChatGPT」は、かなりデータの中を走り回るでしょう。
ともかくも、まだ地球が『禁断の惑星』になるには早すぎます。アト100年、生成AI(人工知能)「ChatGPT」は出番待ちですね。