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カテゴリー「学問・資格」の記事

2021年3月 9日 (火)

無学渡世・十二

私たちが「科学」と称しているコンテンツ(contents最近よく目にするコトバだが、「情報」と簡単に理解してもマチガイではナイ。似たようなものなら、menu(メニュー)というふうになるが、メニューのほうは観ただけでは、それがどんな料理、どんな飲み物なのかがワカラナイことがある。そんな場合contentsになると、料理の簡単な中身まで書き込んであるものということになる。やや詳細な情報というところだろう)
さてと、その科学だが、エビデンス(evidence、これもよく使われる。証拠、根拠、たいていは科学的根拠という意味だが、従って「科学的エビデンス」などというのはマチガッテはいないがいい方が二重な用い方になる)
COVID-19との闘争以来、科学者は「専門家」と政治屋に呼ばれるようになった。大臣閣僚官僚、付け足しのように「専門家の御意見、お話をきいてから」と、最後に述べて、さて、その後どんな意見をきいてどういう経路、経緯で判断したのかはまったく触れず結論が出てくる。政治屋だけが悪いのではナイ。
昨日一昨日だったかの毎日電子版で、私は椅子から落ちそうになった。(というのは比喩的表現だが)例の、「明日、いやいますぐくるかも知れない」といわれている南海トラフ巨大地震についての専門家(科学者)たちの政治屋的思考を読んだからだ。
現行「南海トラフ巨大地震」に私たちが襲われる確率は、/30年以内の発生確率「60~70%」/ということになっている。確率は数理モデルで求められるはずだから、いくつかの種類があるはずだ。
「数理モデル」といっても、そんなに難しいものではナイ。/通常は、時間変化する現象の計測可能な主要な指標の動きを模倣する、微分方程式などの「数学の言葉で記述した系」のことを言う/などといわれるとサッパリとおもわれるかも知れないが、要するに何かを〈計測〉するとき、ここでは時間変化の現象になっているが、そいつを微分方程式に書き換えればいいだけのことだ。
「南海トラフ」は「時間予測モデル」による確率が使われている。ところが、他の地震で使われているのは「単純平均モデル」による確率で、もし、このモデルで「南海トラフ」の確率を求めたら、その確率は10~30%に下がってしまう。別に「時間予測モデル」が「単純平均モデル」より精度が高いというワケではナイ。12年当時の分科会の議事録には、次のような委員たちの不安が記録されている。
「どういうやり方をしても、今出ている確率より低い値しか出てこない」
「今まで60%、70%、80%だったものが、いきなり20%、30%になったと書いてしまうと、おそらくマスコミは喜んで確率が下がったと書き立てて、今まで何をやってきたのだという話になってしまう。それは、我々の趣旨とは外れている」
そこで、2012年12月17日に非公開で調査委員会と「政策委員会」が開かれた。この「政策委員会」というのがクセモノで、要するに政治屋の政策と変わりはナイ。
事務局を務めた吉田康宏・地震調査管理官(当時、現在は気象大学校教授)は「南海トラフの発生確率というのは実は、他の海溝型、あるいは活断層とは違う方法で算出しています。(この)算出法は、科学的に見てもいろいろ問題があるので、もうやめた方がいいのではないかというような議論も出ています」と発言。さらに時間予測モデルでは60~70%となる確率が、ほかの単純平均モデルを使えば20%程度まで下がると述べ、「今の科学的知見からすると、この20%というのは一番妥当性があるだろうというふうに海溝型分科会では考えています」と説明した。
もちろん、その両方を出せばどうかという意見もあった。アタリマエのことだ。
が、結局、決まらない。
2回目となる非公開の合同会は13年2月21日に開かれた。そこで、/「高い確率」と「低い確率」について▽両方述べる▽高い確率は述べて、低い確率は参考値にとどめる▽高い確率を述べて、低い確率は出さない▽高い確率を参考値にとどめ、低い確率は出さない/の4案のうち、最後の案に決定した。
その理由は、委員のこんな発言を読めばよくワカル。
「防災の理解を得るためには、その根拠となってくるのが発生確率が高いということなんですね。下げるということになると、それじゃ、そんなに税金を優先的に投入して対策を練る必要はないんじゃないの、優先順位はもっと下げてもいいんじゃないのと、必ず集中砲火を浴びる」「何か動かすというときにはまずはお金を取らないと動かないんです。これをやっと今、必死でやっているところに、こんなことを言われちゃったら根底から覆ると思います」
南海トラフ巨大地震発生の確率状況は、今も継続している。要するに「南海トラフ巨大地震」は、地震学者(科学者・専門家)たちの「政策」に過ぎない。いま、COVID-19を扱っている政治屋たちと、寸分変わりナイということは肝に命じておいてイイ。何が「専門家の御意見を訊いて」だ。「訊いて」ではなく、単に「聞いて」いるだけだろうことは、庶民大衆一般人は、もう充分、承知だぞ。
☆毎日新聞電子版/03/09からかなり転載しました。☆

2019年11月10日 (日)

港町memory 56

/11月4日に放送された『チコちゃんに叱られる!!』(NHK)で扱われたテーマのひとつ「なぜ飛行機は飛ぶ?」が話題となっている/(ニュースサイトしらべえ)
らしいです。
私はテレビは観ませんが、時折、泊まりの仕事でホテルに宿泊した場合、読書したりとか原稿書いたりとかの仕事は一切やんないので、テレビ、観ます。で、この『チコちゃんに叱られる!!』(NHK)も偶然、何度か観たことがあります。
番組の構成は、問題が出て、回答者がなんかいうて、チコちゃんが登場して、珍回答に名解説をして、納得。という段取りです。
この「飛行機問題」は観ていませんが、そんなふうで、/チコちゃんの回答は「例えるなら翼の下は風船から空気が出ようとする感じで翼の上はストローで吸い上げられる感じだから」という。何を言っているのか通じる人は多くないだろう/。
動画はみていませんが、この文章からはおそらく「揚力」のことをいっているのだろうくらいは察しがつきます。なんでかというと、私は飛行機恐怖症で、何故飛行機が飛ぶのか、よくワカラズ、当時劇団員だった、国立大学の物性物理専攻のものに訊ねたのですが(彼も飛行機驚怖症)、そこで揚力のことを教わったものの、彼自身「何故、揚力が生ずるのかはまだワカッテいない」ので、巡業のときも飛行機には乗らず、専ら運搬搬送の係となるために運転免許までとったという手堅い輩だったので、揚力のことは記憶していたからです。
/空を飛ぶことの出来る飛行機には、色々な力が働いているが飛行機を空へ上昇させる力である「揚力」が重要であるという。番組では、翼の形をした模型に風を当てると宙に浮く映像を流した。翼に風を受けると、大気圧の掛かり方が変化し、揚力を得る/(しらべえ)
揚力は、翼の上部と下部の気圧の差から生ずるものです。
/翼の先端に空気の圧力が多くかかり、翼の上部分への圧力が減るという。このときの翼の状態がチコちゃんの回答の「例えるなら翼の下は風船から空気が出ようとする感じで翼の上はストローで吸い上げられる感じ」になるようだ/(しらべえ)
飛行機の翼は上部は曲線、流線型に、下部は直線になっていて、先端にあたった空気は上下に分かれて下端で再度出会うのですが、このときの経過時間が同じなのです。つまり上下通過の速度が同じということになります。これはちょっと矛盾です。翼の上部と下部とでは距離がチガイマスから、出会う空気に時間的なズレが生じるのが常識です。ところが、同時刻に出会う。ということは、翼の上部の空気は下部よりも密度が薄く(つまり引き延ばされている)ということになります。密度が薄いのですから濃い部分より軽くなって、つまりは引っ張りあげられ、かつ濃い濃度には押し揚げられる。と、これが揚力だというコトなんですが、そうなると、大気密度の濃淡の具合で、飛行機はなんぼでも飛行不具合になって、いつでも落ちることになります。「だから、ボクは飛行機には乗らない」と、国立物理の彼はトラックを運転する役目に着任したのです。
さて、では、このチコちゃんの解答は正しいのでしょうか。
実は、マチガイなんです。これは、いまは「飛行機浮遊の都市伝説」といわれています。
飛行力学などを大学で教えている教授の書いたホンも、幾種類も出ていますが、国内外のそのてのホンの70%が 間違っているという調査もあります。
チコちゃんの説がマチガイだとしたら、
/一番よくある間違いは、翼前端で上下に分かれた空気の流れが、後端で「同時」に出会うとする、等時間通過説(同着説)である/。
この、翼の上下の大気密度から生じる押し揚げと吸い上げを取り上げたからでしょう。
/飛行機の翼で揚力が発生するのは、翼の上面を流れる空気の速さが下面より速く、従って、ベルヌーイの定理により、上面の気圧が下面より低くなり、翼は上に押し上げられる、あるいは吸い上げられるからである/
このあたりまでの解説がチコちゃんにあったのなら、それは幾分か正しいでしょう。(観てもいないのにゴチャゴチャいっている私が最もマチガッテいることは承知しとりま)
/上面の流れが速いことをさして、物理学的には翼回りに流れの循環があるという。翼を回る渦巻きと思えば良い。物理学的には循環の大きさが揚力を決める。問題はなぜ循環が発生するか?循環の大きさはどれくらいかであるか/
/翼は上面がふくれた翼型をしているから揚力が生まれると言う解説もある。それも間違いである。別に紙飛行機のような平面翼でも飛ぶ/
/飛行機がなぜ飛ぶかは、100年も前から分かっているのである。その理論では、翼に働く揚力は非粘性、非圧縮、定常の流れの場合
揚力=空気の密度×空気の速度×循環
である/
引用ばかりしていても仕方アリマセンね。
ベルヌーイの定理ってのが何なのかだけ、最後に説明して、虎の巻を紹介しておきます。
ベルヌーイの定理とは、流体内のエネルギーの和が流線上で常に一定であるという定理です。つまり、流入エネルギーと流出エネルギーの和は常に一定だということです。飛行機の翼でかんがえると(私の浅薄な脳がかんがえてるんてすからマチガイかも知れませんが)
・翼に流入する運動エネルギーは流出するとき減少する
・圧力は逆に増加する。
・位置(ポテンシャルエネルギー)も増加する
ということになります。
飛行機が飛ぶ理由のミソは、/物理学的には翼回りに流れの循環がある/というところでしょう。詳細は
http://jein.jp/jifs/scientific-topics/887-topic49.html
で、どうぞ。