nostalgic narrative 45
承前:
「意味を持たない」理由を述べてみるが これは「言語スキーム(領域)」の問題だといえなくもナイ。といってもウィトゲンシュタインの発語言語学とはまったく関係がナイことは了承して頂きたい。くだいていえば/「意識とはなにか」という問いを言語解釈すると、問いの中にすでに答が含まれている もっといえば 問い自体が矛盾を含んでいる/ということになる。
何度も書いた(述べた)ことだがいわゆる「無神論(者)」というコトバ(言語)はその最たるもので「無神論(者)」というコトバの中にすでに「神」(というコトバ、概念)が引用されているということは このコトバは「神」について語ったコトバ以外のナニモノでもナイということを示している。無神論者が「神」について語っている(デキるんかいっ)。もっと小癪ないい方をすれば「神の無いことを神という概念、意味を用いて、つまり自分の想定した「神」というものは無いと語って(述べて)いっているに過ぎない。それが〈矛盾〉だと(私などは)いいたいワケだ。
「シッタールタが悟りをひらいたとき 彼は彼の内にあったもの(悟り)に気付いたのか 天から(悟り)を授受したものなのか」という問答は、仏教では浄土系を除いて(浄土系は悟りなど認めていない)はよく取り沙汰されるらしいが、さらに多くは「もちろん、天からの啓示の授受ではなくシッタールタ自身の悟り(内部からのという意味)と解するのが正解とされていることが圧倒的に多い。これは仏陀となるためにシッタールタが前世で数十劫年も修行してから前世に生まれたという説に繋がる。何劫年であろうとそんな時間の単位など どうでもイイが、内なるも 天からも どちらもどうでもイイ。何故ならは「不二の法門(維摩経)」において、仏と我が身とは分けてとはいけない とされているのが一休宗純をはじめとしての解釈であり これが仏教の一つの信心導因となっているのだから、天だろうが 己自身だろうが 宇宙においてはデカプリング(分断)出来ないひとつのものであるのだから、それを分けて考えるとマチガッテしまうと説かれているからだ。よって/内から天からの分けての思考/は当然ながら「意味をもたない」ことになる。
さて、では「意識とはなにか」という問いを(自問でも)差し出されたとき、「意識」というものが、この「意識とはなにか」というコトバの中に含められているので、これは先述した「無神論(者)」と同様に問いにならない(矛盾を孕んでいる)。「意識というのはビヤ樽と同じ」とあたかも禅問答のようにもいえるし、尤(もっと)もらしく「ヒトのココロの作用」ともいえるのだ。どういったって〈客観たる真理〉としての答が無いのだから。
「ヒトのココロの作用」ならば、いくら何でも「ビヤ樽」じゃナイだろうということでだが、では「それはどんな作用なの」という問いが次にヤッてくる。これも独我的判断が無数にあるだけで およそ「客観」には辿り着きそうにもナイ。
よって、AIに「意識」が芽生えるか、存在するか、という問いもしくは問答は、独我論の粋を出ることはナイ。誰ぞがAIに~意識を発見~意識の生成に成功~意識とおもわれる反応~と声高に拡声しても、「ああ、そうですか」と聞き流しておくか 十人のうち九人が同調したから正しい に賛同しても それが「意識」かどうかを決める〈基準〉が確定されないうちは、ビヤ樽だろうが、鰯のアタマだろうが同じことになる。
つまり、「意味をもたない」ということになる。ではその「基準」をどうヤって求めるのか。
私(主筆)においてはAI(これがヒトだとしても似たようなものだが)の「意識」の生成、存在の有無を論じることは時間の無駄としかいいようがナイ。だから、AIの反応が如何にヒトに似ていても それが意識かどうかなどということよりも、AIによってデキ得ることがどれだけ役に立つか キケンであるかだけ 論じていたほうがイイとおもうのだが~ムニュムニュ。
AI意識論(と称しておくが)は、脳→AI→脳という観察(考察)から、数理物理学者・数学者の権威であるロジャー・ペンローズが 脳内の情報処理には量子力学が深く関わっているというアイデア・仮説を提示したことに端を発しているといってイイ(その仮説は「ペンローズの量子脳理論」と呼ばれている)。つまり、ペンローズさんは脳は「量子コンピュータとちゃうか」というたのだ。そこで、面倒だがこれもいま話題の「量子コンピュータ」というものが如何なるものかの道標を歩かねばならない。
***つづく
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