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2024年11月 7日 (木)

nostalgic narrative 43

さて 何から書いていくか。かんがえていくか。とりあえず設問から演繹的に進めて 途中で 帰納的に移ったりして、かな。
参考にするために読んだ資料(書籍)は『量子力学で生命の謎を解く』(ジム・アル=カリーリ、ジョンジョー・マクファデン。理論物理学者と分子生物学者の共著)。
「量子生物学」という新しい学問のハーモニーとでもいえばいいだろうか。ジョンジョー氏の肩書が分子生物学となっていることから 賢明なる読者はシュレーディンガーの講演記録『生命とはなにか』を連想されたかとおもう。それ ビンゴ。ちゃんとこの書の中に登場する。アインシュタインと肩を並べて いま流行りの「量子もつれ」の辺りで。
「量子生物学」という分野があるということは、この書籍で初めて知ったのだが、ともあれこの書籍のタイトルに惹かれて購入した。いつかはナニかの役に立つという購入の仕方だが、私は〈引き〉がイイので さっそくそうなった。すでにこのホンには付箋が林から森になっている。若い頃から比べると圧倒的に活字離れしているのだが、かなりexcite するホンだ。量子力学をかじるようになったのは、演劇論の構築を目指していた頃からだが、希望と虚無を「重ね合わせ」持つ量子の世界観がまさに「明るい虚無」で 私には打ってつけだったのかも知れない。先だって ご逝去された楳図かずおさん(うーんとむかし、私の舞台に立って-出演して-頂いた)の代表作のひとつ『神の左手 悪魔の右手』の主役 山の辺想(やまのべ そう)の想は、私の名前から頂戴したとのこと。楳図かずお老師は次回作に量子力学に関するものをかんがえてらしたとの記事があった。目のつけどころがチガウな(と、そこはかとなく主筆自身も誇らしげ)。
人工知能(AI)が脳の写像、転写、模写、コピペであるならば 脳の生物的(生命的)作用、とくに〈意識・感情・ココロ・魂・精神〉にも触れていかねばならない。そういう 脳自体ですら解明 解析出来ないものを 人工知能(AI)は如何にそれをタコしているのか。
まず結論めいた命題を先に書いてしまうと、
Answer1・人工知能(AI)はヒトのように生命的作用〈意識・感情・ココロ・魂・精神〉は持てない。
Answer2・人工知能(AI)はヒトのように生命的作用〈意識・感情・ココロ・魂・精神〉を持つ必要はナイ。
これが私(主筆)のかんがえだ。楳図かずお老師も近似的にはその認識と一致されていて、AIの描いたマンガなどはナニもオモシロクナイと断じられている。その理由はAIの知能思考の大もとが過去資料データの寄せ集めの取捨選択に依るからだ。老師は「常にみたこともナイ新しい驚きを描く」とおっしゃっていたようだ。では、ヒトの脳はその辺りはどうしているのか。卑近な例を示せば最近の将棋対局にそれはよく現れている。と、書けば それ以上の解説は不要だろう。囲碁対局にもそれはいえることだが、将棋にせよ囲碁にせよ ヒト対AIの対局は過去行われている。(当時の)将棋名人位が負け越してから将棋のほうがどうなったのかは知らないが、囲碁では、私の知る限り(最近はヤってませんので)二勝一敗でAI(当時のコンピュータ囲碁)に勝ち越したのは 趙治勲老師だけで、趙老師はそのさい「こういう囲碁対局はまったく 面白くナイし、意味、価値もナイ。囲碁はヒトとヒトが対戦するから面白いのであって、そういうゲームなのだ」と斬れば血が出る盤上を喝破されている。
Answer1を①に「もつれ」させて考案していくと (つまり犬が西向きャ尾は東ですけど)「般若心経をわかりやすく翻訳せよ」という問いには、おそらく書かれてある通りの訳し方をして、翻訳不可能な部分は「ここからは意味がありません」と答えるだろう。あるいはかなり進んだAIならば、「この文案、文言には矛盾があります」と答えるかも知れない。そりゃそうだろう。以前述べたが 色即是空が正しいならば『般若心経』それ自体すらも〈空〉になる。一種の循環矛盾だ。
ここで、前回のつづきめいて「マチガイ」を取り上げる。もう少し具体的にこれを「いいマチガイ」にしてみる。すると、ふっと浮かぶのがジグムンク・フロイト(ここは濁点ナシの呼ばれ方でいく)の『精神分析入門』などにみられる〈いいマチガイ〉だ。この〈いいマチガイ〉は「無意識」に関係する(ここから『夢判断(分析)』が開発されるのだが)。AIのマチガイは読み込んだデータのマチガイがもとになっているものだろう。「機械(マシン)は正確にマチガウ」のだから。ところが、昨今これも話題の 量子コンピュータ はよくこのマチガイを仕出かす。その演算速度はスパコンが数万年かかるところを 数秒でヤってしまうという超~~~高速なのだが、マチガイが多いらしい。これはデータの読み違いから起こるものではなく 量子ビット(キュビット)という「量子の重ね合わせ(状態ベクトル)」の脆弱性からくるものだ。(これについてはアトでまた登場する~かも知れない)私は「量子トンネル」の堀りマチガイからかなとおもっていたが、どっちにせよ量子を扱っているのだからナイーブなんだろう。何れにせよ 無意識による〈いいマチガイ〉ではない。何故ならマシンは〈夢をみない〉=無意識領域を持たない、とかんがえてみるべきだからだ。 
**つづく

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