nostalgic narrative 37
承前。
もちろんAIの利用、活用、使用については明るいというか人道的というか、そこいらのニュースだけが歩いているのではナイ。生成AIがでたらめな情報を、あたかも真実のように答えてしまう事象を「ハルシネーション」というが、人為的にそのようなことが行われるニセ情報行為も多々あるからだ。
電子版ニュースには【OpenAI、イランやロシア勢力が情報工作 ChatGPT悪用】なんて見出しがあって、内容はというと/米新興企業オープンAIは10日までに、同社の人工知能(AI)をインターネット上の情報操作に使った事例を2024年に20件以上突きとめたと発表した。イランやロシアの集団が工作に関与し、生成AIで記事やSNSへの投稿をつくったという。米大統領選をはじめとする選挙も標的だったと明らかにした。イランの勢力は米大統領選への介入を狙ったとみられる記事をAIで作成していた。「STORM-2035」と呼ばれる集団で、700〜900語と長い英語の文章をつくり、ウェブサイトに掲載した/
こういうのは拾い上げるとキリがなくてうんざりするのだが、「うんざり」したほうがイイとおもうので、つづけてみる。
/ロシアの集団もSNSの投稿作成にAIを使っていた。英国やフランスを対象に、両国のウクライナ支援を批判するコンテンツを発信した。Xへの投稿には、オープンAIの画像生成「DALL-E(ダリ)」でつくったAI画像を添えていた。フランスを標的とする情報工作のなかには、24年夏のパリ五輪の運営が失敗だったと非難する内容もあった。ウクライナに侵略したロシアは同五輪に国としての参加を認められなかった。選挙に関する情報工作を試みたのは4集団あった。米大統領選のほか、アフリカのルワンダでも選挙前に国内世論へ働きかけようとしたケースがあった。中国を拠点にするとみられる勢力はオープンAIの社員を標的にサイバー攻撃を仕掛けた。顧客サポートを求めるチャットGPTの利用者になりすまし、データ流出などを狙うマルウエア(悪意のあるプログラム)を社員らに電子メールで送ったという。オープンAIは米国内のリベラル派・保守派にそれぞれ働きかけようとしたとみている。これに対してオープンAIは、SNSの投稿やサイバー攻撃がAIによって影響力を増した証拠はないと説明している。選挙を巡っても、AIでつくった投稿や記事が人々に広く伝わった事例は見られないという。同社は「世界中の選挙と民主主義のプロセスにおいて、悪意ある当社技術の利用を特定、阻止する努力を続ける」と強調している。/
というのがオープンAIのほうからの反論なのだが、こんなものを幾つあげられても「うんざりする」だけだということは読者の胸のうちだろう。つまり情報の〈正・誤〉が判然としないのだ。こうなるともはや世界の趨勢は「情報の終焉」と呼ぶにふさわしくなってきている。要するに何処までが〈デマ〉で〈正・誤〉の判別のラインを何処に引けばいいのか、という混乱だ。デマについては、次のようなニュースも拾うことが出来る。
/米南部を相次ぎ襲った大型ハリケーン「ミルトン」や「へリーン」を巡るデマがSNS(交流サイト)で続出している。人工知能(AI)で作成した被災地の偽写真などが拡散しているほか、被災地にまったく政府支援が届いていないとする主張も流れている。さまざまなAI作成の偽写真が拡散されている。例えば、赤いライフジャケットを着たトランプ前大統領が膝まで水につかりながら被災地を歩く様子の偽写真や、救助用ボートに乗り、涙をこぼしながら子犬を抱える幼い子供の偽写真などがSNSで投稿されている。「米政府の支援が全く届いていない」と主張する動画も出ている。これについては白人至上主義者の団体が作成し、勧誘に使っているという。/
呆れてくるだろうが、最後にもう一つだけ挙げて、情況論を終えることにする。
/イスラエル軍のソフトウエア部隊司令官は、軍がパレスチナ自治区ガザでの軍事作戦で人工知能(AI)を利用していることを認めた。ソフトウエア部隊「マツペン」を率いるエリ・ビリンバウム大佐が日本経済新聞の取材に応じた。国際社会はAIやドローン技術の急速な発展が、キラーロボット(自律型殺傷兵器)出現につながると懸念する。イスラエルのネットメディア「+972マガジン」は4月、軍が標的を特定するためにガザで「ゴスペル」「ラベンダー」といったAIツールを利用していると報じた。国連のグテレス事務総長は「生死にかかわる決定のいかなる部分もアルゴリズムの冷酷な計算にゆだねてはならない」と警告した。「+972マガジン」の取材に応じたイスラエル軍兵士は、AIが標的だと下す判断を「ただ承認するだけ」で、その時間は標的1人あたり約20秒だと証言した。英ロンドン大クイーン・メアリー校のエルケ・シュバルツ教授は「人間はコンピューターの言うことを何でも信用する傾向があり、特にコンピューターのスピードについていけない場合はなおさらだ」と指摘している。/
さて、私たちは面倒でも苦手でも ともあれAIそのものについて知識を得なければナンニモ出来ないな、というところに立たされているようだ。
~つづく
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