時世録・46
観劇感想『白い砂の少女』(2023/11/22・ゲネ)
山本直樹をかなり意識して10年ばかり前に書いた戯曲の舞台化なんだけど、加藤智宏演出がここまで世界をイメージどおりに、役者(俳優)がせりふの言語感覚を忠実に表現したのには驚いた。このキャラクター、コンビネーション、アンサンブルは稽古のたまものなんだろうが、お見事、ご立派としかいいようがナイ。
本日から本番で、6ステージしかナイのが残念。
作者(私)が使ったplotは、すでに他の作品でも流用しているものなのだが、この作品では、多少の台本化はあるものの、58分という上演時間の妨げにならぬように、詩劇を成立させている。
余談だが、晩飯にマツヤでセルフサービスのハンバーグ定職を食ったが、どうしたんだろ、マツヤ。ハンバーグの価格は200円アップして、ハンバーグ自体は「これ、何の肉だ」くらいに200%ダウンしている。実にオモロナイなあと不満たっぷりだったのが、この芝居でスッカリ払拭した。飯の仇を討つとはエライもんです。ほんとうに余談ですけどね。
役者(俳優)たちは全員に、なんですか、例の俳優A賞てのを私ならあげちゃうね。こういう芝居、東京にはもうナイんじゃないのかなあ。東京なんかは(私の感じるところ)半世紀前に時間がもどっている。アニメに客をとられたのはよくワカルが、現状、そのアニメはすでに終末を迎えているようですし。あのね、これからはいまふうにいうならば「シン・小劇場演劇」ですよ。いいかげん、スマホ聞くのをやめて、読む、観るのやめて、ポケット、ポーチに一冊、ホンを。やって来た氷河期には、尻も暖かくなります。