時世録・25
数カ月前の電子版で、東京のとある産院の新生児保育器に入っている三割の乳児は両親の血液型と合致しないというニュースが、まるで都市伝説か怪談のように掲載されていたが、医師や看護師にしてみれば、口止め料どころか、「血液型再検査の余地あり」のカルテ一行で大枚の紙幣が懐を温める、心温まることだなあ。
で、ヒロスエW不倫に関しては、岸田内閣支持率急降下の覆い被しのつもりで世に出たものなんだろうが、そうでもナイらしく、世の麗夫人の方々(でもなく、普通の生活既婚者)においては、「みなさんそうなのね」で、これまた電子版のresearchでは、既婚者の女性32%(1,2%は記憶誤差アリ)はそのW不倫の真っ最中で、「お互い家庭があると、それぞれ割り切ってデキる」のでココロ安らかなのだそうだ。ちなみに、現在進行中ではナイが経験がアルと答えた男女の不倫率はこの倍になる。
私は若いころ硬派だったワケでもナイが、なにぶん、世界は政治的な季節だったので、そっちのほうは奥手も奥手、まあ、私のことなんかもうイイや。
私の死ぬまでにヤリたいこと。一本だけアダルト作品の作・監督。でタイトルは『じゃあ、ちょっと』となんとも呆れたものだが、ともかくsituationとしては普通の日常の情景があって、まるで社交辞令の挨拶、時候の挨拶、朝晩の挨拶のように、たとえば、道々通り掛かった営業マンと、買い物帰りの若妻。すれ違いざまに、営業マンのほうが「こんちわ、買い物ですか」「ええ、今夜は張り込んで赤鳥にしたの」「そりゃ、旦那も大喜びでしょう。すると今晩あたりはもう肉のアトの肉合戦ですか」「そうなるでしょうね」「どうです、ちょっと前哨戦」「そうね、じゃあ、ちょっと」と、近隣の神社の杜に入っていく。「お肉、腐るのイヤだから、さっさとしようね。ああ、ゴメン。パンツ脱いじゃった。脱がしたかったでしょ」「いえもう、ワカッテますから」と木立の下で映画「〇〇夫人」てなことになる。すぐ裏手の神社経営のラブホ。こっちは、高校生らしい男女数人が、「数Ⅱのセンコー、わりとひねった問題テストに出すってほんと」「ほんとらしいよ」「それより、物理よ、なんか面倒みたいって聞いたワ」なんてガヤガヤ話しながら「乱交ルーム」とかに(いつもの如く)入っていく。「うっわ中に出すの、また妊娠させるつもりか、きみは」「アフピ(アフターピルのこと)誰か持ってるだろ。だって、もう出ちゃうんだもん」。で、その近所のコンビニ・レジでは、「交通系で支払います」「わかりました」「あれ、きみの名札、きみ、ヴトちゃん」「そう。日本語の勉強に来てるの」「そんなの教えるからさ、ちょっとどう」「そうね、じゃあ、ちょっと。〇〇さん30分休憩してくるのでお願いね」と、コンビニの休憩室に入ると先客がいる。「あれ、店長、それと今日からの新人さんじゃないの。もう、始まってるの。しょうがナイなあ、また、梅毒うつしちゃうのね。ねえトイレでもイイ。うちのトイレきれいにしてあるのよ」「ああいいよ」「じゃあ、ちょっと」「私さ、いきなりバックって好きなの」「ああ、いいね、そういうのさいきん、けっこういるよ。きみ、ビョーキは大丈夫かな」「こないだ治ったから、平気」
こういうのを連鎖的に年齢、職業、場所をかえ、延々と、国会なんかでも質疑応答中の女性議員に「だいたい、元アイドルを議員にしたのはなんでだとおもってんだ」「わかってるわよ。だからちゃんと並んでね。きょうは五人までよ。で、えーと質問ですが、大臣、ああ、ダメ。えーと、沖縄独立と台湾問題について、イヤイヤ、ソコ、イッチャウから」
こういう、むか~し観た、『未亡人下宿』みたいなノリで撮りたいなあ。
いろいろ、バカバカしくてねえ。でも、メソメソ泣いてるよりはマシだとおもうんですよ。