時世録・10
次のようなホンが出版され、かの如く書かれているそうだ。拾い上げる。
/2023年5月12日(毎日電子版)より
元陸上自衛隊西部方面総監の小川清史さん(63歳=元陸将)が、初のビジネス書となる「組織・チーム・ビジネスを勝ちに導く『作戦術』思考」(ワニブックス)を出版。
現代の戦争は、「第三の波」の情報化を前提とした戦い方にならざるをえない。
自衛隊も、それから日本の大企業もまだまだ上から目線で、部下たちに短期的な効率と結果ばかりを求めている。一人一人が自主積極的に動けるミッションコマンド型に移行していかないと戦えないと、私は考えています。
これをやれば身につく、というような、決まったマニュアルやフォーマットはありません。ただ、「これはしてはならない」というのはあります。たとえば成功するチームビルディングの合言葉は「がんばってはいけない」とか「気を利かせるな」です。それはもちろん、「サボっていいよ」とは違います。「自分の限界を超えるような仕事をしてはならない」という意味です。自分の能力と与えられた役割の中でしっかり考え、仕事をこなす。その際に、全体の方向性と自分の仕事をマッチングさせよ、ということです。ファインプレーを期待するような組織づくりはしてはなりません。また、気を利かせたつもりになって他人がやるべき仕事に手を出したりする者が出てくると、組織の全体最適が崩れてしまいかねないのです。
サラリーマンが好む「飲み会」のことについても言いたい。コロナ禍が3年続き、そうした機会は減ったと思いますが、また復活するのかもしれません。ただ、ああした職場の飲み会は、「第三の波」を念頭に置いたチームビルディングのためには、百害あって一利なし、です。あれは「疑似家族」「疑似共同体」をつくるための団結力にはなりますが、けっしてチームで仕事に取り組むための団結力にはなりません。
大事なことは「答えはない」ということです。世の中に「答え」があって努力すればそれが得られると勘違いしてきた。答えなどないのです。答えは自分で考え、自分でつくっていくべきものなのです。
記事の論旨はこんな感じでマチガイはナイとおもう。ワカルところと、ほんとかな、とおもうところとはある。もちろん、私の場合この論旨と命題を自身が経験かつ組み立ててきた演劇の現場に置き換えての認識に過ぎないのだけど。だから重なるところとズレるところはあってアタリマエなんだけど。
ところで、そういう面倒な読み方はエポケーしてしまって、ほんとういうと、私はこの記事(論旨・理屈)を読んでふと、いま話題の生成AIのことを頭に浮かべたのだ。もう少し具体的に述べると、生成AIがもし「答えはありません。自分で考えて下さい」と応えたら、その生成AIは正しい(信じていい)のだろうか。「答えは自分で考え、自分でつくって下さい」と応えたら、どうなんだろうか。
「飲み会」についてはまったく同感ですけども。
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