アト千と一夜の晩飯 第三一夜 孤独死とはなんだ 2
ゼロコロナにロシア侵攻。あちこちで「専制(独裁)主義」の横暴とそれに対する批判、抵抗が試みられているが、日本だって、専制(独裁)企業の花祭りはこの生活圏(日本)に住むものにとって批判、抵抗の対象にしたいところだ。たとえばエネーチケー、たとえば、電子機器会社、観もしないものに二倍銭を出せと云い、壊れてもいないのに買い換えなければメンテもupgradeもナシだと云い。これらは コンプライアンス(法令遵守)の逸脱ではないのか。独占禁止法か゛企業どうしの法令であれば、企業と消費者との法令はどうなってんだろ、この国は。
以上、前説オワリ。きんののつづき
たとえば、ほんの日常生活の依頼も、鬱病者にとっては苦吟になる。
〇「主筆は昼飯も晩飯も自炊ですやろ。まあ、昼は自分だけやからナンデモええとして、晩飯、連れ合いに/今晩は鍋にしますか/と、連れ合いとしては、主筆の心身状態を考慮して簡単な献立(野菜を切るだけでイイ)を頼んだとします。たまたま、そういうことがあったので、蒸し返しているワケではけしてナイんですが、ワカリヤスイので一例として挙げておきましょう。
●「鍋がどないしたんや。いつも冬になったらつくって食うてるやんけ。
〇「鬱病者は、その症状の重いとき、このいつもなら簡単な鍋の準備がどういうものになるかちゅうこってすな。
●「鍋やろ、野菜と、鶏肉かなんか買うてきて、切って、だし汁つくってそんでほぼオワリやないんか。
〇「普通のときならそれでオワリなんですが、鬱病者は普通ではナイ。ここで、/外に買い物に行かねばならない/という簡単な作業に対して、/どうやったら外に出られるか/をかんがえるところから始めねばならんのですわ。
●「えっ、そんな、捕虜とか拉致で捕まっているワケでもナイのに、ポイと自転車で坂を下ったらスーパーやんけ。
〇「しかし鬱病者はどうしても外に出なければならない事情を必死でかんがえます。しかも特種な事情ではなく、いつものようにthrough出来るナニか。で、いつも外に出るときのことをあれこれ冷や汗一斗でかんがえて、そうか、洗濯物の乾燥にコインランドリーに行こうということに決めます。そのためにあまり溜まってはいないんですが、洗濯をする。
●「ちょっと待て、なんでソコからやねん。
〇「ワカリマセン。洗濯をして乾燥機にかけて、乾くまでの30分を活用すれば、スーパーで買い物が出来る、と、そういことなんでしょう。で、そうします。さて、スーパーでまた思慮に沈みます。/鍋とはなんだったろう。何を買えばいいのだろうか/でんな。
●「いつものことなんやろ。
〇「正常であれば、いつものことです。鬱病は正常ではナイんです。これが鬱病です。健常者からみれば、そんなアホな、でんねんけど。買い物済んで野菜を切るために包丁を持つまでが、また似たような心的状況でんな。
●「なんや知らんけど、鍋一つやろ。そやのに孤独死に引き寄せられる気分になってきたで。
〇「でっしゃろ。こんなこと、理解せえ云うほうが無茶ですわ。そやけんど鬱病者当人にとってはこんな日常的な営為がまるで爆発物の解体作業のようにプレッシャーになるんですな。鬱病者のおもいは一つ/日常から乖離したい/かなあ。ここが死ぬか生きるかの別れ道ということになってくるのですワ。
●「たかが鍋が、なべがあっ。そら、無理やで、理解も了解も配慮も考慮もせえちゅうほうがオカシイわ。
〇「他者だけでなく、鬱病者当人にもそれは出来ませんねん。これやから、鬱病はもう地回りに難癖つけられてるようなもんです。
:というところでもちっとつづけましょう。
« アト千と一夜の晩飯 第三十夜 孤独死とはなんだ | トップページ | アト千と一夜の晩飯 第三二夜 孤独死とはなんだ 3 »
「病歴」カテゴリの記事
- 時世録・52 (2024.01.05)
- アト千と一夜の晩飯 第三四夜 孤独死とはなんだ 5 (2022.12.16)
- アト千と一夜の晩飯 第三三夜 孤独死とはなんだ 4(2022.12.11)
- アト千と一夜の晩飯 第三二夜 孤独死とはなんだ 3 (2022.12.10)
- アト千と一夜の晩飯 第三一夜 孤独死とはなんだ 2(2022.12.09)