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2022年11月 2日 (水)

アト千と一夜の晩飯

第十二夜 わからなくなってきました

演劇界の旋風児とでもいえばいいのか、その宮沢章夫(故人)のエッセイに『わからなくなってきました』(新潮社、1997年 のち文庫)がある。中身は忘れたが、タイトルやコンテンツの目のつけどころがこのひとらしいとおもった。
このひとらしい、とはいえ私(主筆)は特に彼の戯曲を読んだワケでもなく(彼のだけでなく他人の戯曲はまず読まない。小説などのfictionもミステリ以外は読まない。そういう読書は高校卒業で終わっている)、何か話したというワケでもナイ。日本劇作家協会の大会event、盛岡大会のときに彼は余興の「わんこそば」競技で、現役のチャンピオンより多く食って優勝したのだが、その折ちょっと声かけして「よく食ったな。美味かったか」と問うたら、「マズカッタ」とだけ応えたような記憶がある。平田オリザ王子などは、朝食を少し食べ胃の動きを良くするという準備運動までして挑んでいるのだが、どうやら旋風児は二日酔いで朝飯は食ってなかったらしい。現役チャンピオンを負かした栄誉なんぞ何処の空、二度とごめんだという顔をしてタオルを使っていた。
彼は挑みタイプで『資本論を読む』(か、どうかは忘れたが)などという無謀な企画連載もしたことがあるのだが、ヤメタ派でもあって、10回とつづいていない。(たぶん、担当編集者の企画だったんだろう)
まんず、そんなことはどうでもイイや。『わからなくなってきました』は、よく野球中継などでアナウンサーが多く口にするコトバだ。そういうコトバに対する目のつけ方とか、食いつきがオモシロかったのだ。
それもどうでもイイや。ともかく、世界は確かに『わからなくなってきました』。神が在るとして、その御方が何がしたいのかもワカラナイ。いなけりゃいないで、パンデミックのさい、COVID-19の後遺症としてヒトの脳髄を狂わせるナニかがあったのではないかともおわれる。文字通りこのワカラナイは狂っているに近い。狂人の行為は狂人なりに理路整然としているというのは夢野久作『ドグラマグラ』の論理だが、あたかもマシン(機械)が正確に間違うように世界はマチガッテ動いているような気配が充満している。こういうときはDemagogieもあふれる。なんでも、ポセイドンという最終兵器があって、そいつがアメリカの海岸に高さ100mの津波を起こすとか、こうなると、東北地震には地震兵器が使われたという、かの宗教団体の言いぐさも検証したほうがいいのではないか。
中間選挙で劣勢になっているバイデンが、ゼレンスキーとの電話対談で「てめえっ、もう少し感謝するということが出来ねえのか」とキレて怒鳴ったのも無理からぬとおもう。世界中が使用している何倍もの兵器と軍略と訓練を提供してきた米国が追加援助を述べると、ゼレンスキーは「アト、これとあれ、欲しいんだけど」と、謝意のひと言もなく云うたんやから、ほら、しゃあないワ。ロシアの緊急(というか俄づくりの)動員での若い戦闘未体験兵員の死者がどんどこ出たり、受刑者の徴兵で、その役目が文字通り作戦上の弾除けならぬ、ただウクライナ兵の攻撃で撃ち殺され、敵の陣地の場所を本部隊に報せるだけの営為だということがワカルとあっては、もうロシアもウクライナも、さらにアメリカが厭戦気分になって、「もうヤメようよ」になるのはアタリマエなのだが、闘うほうも、援助するほうも、わからなくなっているのだ。ベラルーシなどは、ロシアのmissionを呑まなければロシアに攻められるし、聞いて参戦すれば、ささやかな軍隊しかもたぬこの国は終わる。
北朝鮮はいよいよ、このどさくさに休戦停止して、韓国とヤルつもりでいる。というか、「いつでもヤルぞ」のココロなのだ。日常化した餓死者の上に立って将軍様は高笑い。いもと(妹)は隣でイヒヒヒッ、キキキキ。目がつり上がっている。
で、日本は、いよいよQ統一教会の目論見が暴かれてきて、オウムよりもこの組織、日本に(日本の政治に)とって驚異であることがワカッテきた。のに、国葬だのオリンピックの汚職だの、何をイマサラわからないことでゴタゴタしているのだ。(もちろん、COVID-19の罹患者数は増えてきている。ある地方では第7波より多くなっている)のに、ハロウィンとかで、密も糞もあったもんじゃナイ。
もっともハッキリしているのは、ロシアのインフラ攻撃によって、ウクライナではこの冬、凍死者が出るだろうということだ。そうして、現在、中東からアフリカでは飢餓が始まっているということだ。さらにいうならば、このままでは、「わからなくなってきました」が、「どうなるかがわかるようになってきました」とnuanceが換わることだ。
ただ突き進むだけが軍略ではないだろう。それは、大東亜戦争のアジア侵略の二の舞にしかならない。領土、領土と、なんだ、けっきょくロシアのプーチンもウクライナのゼレンスキーもおんなじこと云ってらあ。と世界が気づく前に、いや、もう気づいているのだから、いい加減にしたらどうだ。

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