アト千と一夜の晩飯
第十三夜 Little Thing
昨日、このブログ書いて、そんで暫くして、ゴロ寝しながらスマホのニュース読み始めたら驚嘆すべきコンテンツがあった。思わず起き上がった。
『水上ドローン史上初、黒海ロシア艦隊を攻撃』
制空権の無いウクライナは、かつての帝国日本海軍『人間魚雷』からニンゲンを差っ引いた兵器で戦争史上初の攻撃を行いこれに成功した。(正確には魚雷型ではなくボート型なんだけど。将来的には魚雷型のほうが重宝されるだろう。もちろん、ロシア大本営は否定して全ドローンは撃沈したというてはるが、映像ではそれは嘘だということがワカル)
この出来事は、Little Thing(小さな事象・ささいな物事・ちょっとした出来事)のようにもみえる。たかがドローンの攻撃成功ニュースだからだ。しかし、これで、大袈裟にいえば(大袈裟じゃなくとも)戦争の戦闘の概念が変わることになる。クラウゼヴィッツの『戦争論』は古典だし未完だし、歴史的背景がチガウ。カイヨワの『戦争論』もすでに現在の戦闘(戦争)からは逸脱する部分が多い。けっきょく、総動員令でゴタついているロシアの戦略転換的「総力戦」が現在の戦争論に値するものなのだが、このLittle Thingは、ドローンという兵器が「核」を凌ぐ発展性、確率性を(可能性と書きたいが、この場合可能性という前向きの表現は使わないのが常識)持っている。つまりゲーム・チェンジャーなのだ。
いわゆる訓練された兵士による海軍、たとえばアメリカ第7艦隊や現在自衛隊の所有するイージス艦は存在価値が失せる。つまり「空母戦闘」型戦争のコペルニクス的転換である。
使用された水上ドローンがアメリカからの供給のものか、ウクライナの自家製かはハッキリしていないが、前者だとすれば、ウクライナはえらい安価な高度な兵器を製造実戦展開したことになるし、アメリカ供給ならば、さすがアメリカ、かの老議員(議長)が台湾を訪問したさい、中国軍は台湾を取り囲んで威嚇行動をみせたが、あんなのはパフォーマンスに過ぎないことは承知だったということになる。中国はすでに水上ドローンの開発に着手しているからだ。あんなパレードのようにして台湾を武力攻撃するワケがナイ。もちろん、水上ドローンはアメリカでもすでに開発されている。
命中率は8機放って3,8発命中らしいから、一回の発射機数からすれば一回の攻撃でほぼ確実に戦艦一隻が撃沈出来る。NATOの通常兵器攻撃を待たなくとも、ロシア黒海艦隊はみるみる間に壊滅ということになる。まったくえれーものを繰り出したものだ。制空権が得られなくとも、制海権をウクライナは手中に出来る。クリミナ半島攻略奪還までの時間は一挙に短くなる。穀物積み出しもうんと自由、可能になる。
:戦争終結(休戦・停戦)にはどうしてもNATOによるロシアへの参戦通告(最後通牒に等しい)が必要となる(それ以外の思考選択はナイのだ)。ウクライナの本土空爆(インフラ爆撃)が始まってつづいているいま、NATOはおそらく(人道的にという大義で)動くとおもわれる。現状まで手間取っていたのは、やはりロシアの核についてだろうが、これはほぼカタがついたようで、「ロシアは核を使わない」から「核を使えない」という戦略の展望で一致したのではないか。軍事力の大差から三次大戦に移行することは有り得ない。厭戦ムードが盛り上がってきた現在、ウクライナよりインフレだ、の民意が高い世相、ともかくロ×ク戦争は終わらせたほうがイイという合意に至るのではないか。ロシアの兵士増員失敗を含めて、ロシア×ウクライナは長期戦に入る前にカタがつくと、軍事に素人の私などはLittle Thingを観て、そうおもう。
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