last job revision 7
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69・マルクスは『資本論-〔第1篇 商品と貨幣〕』において、労働で造られた商品や素材に二つの価値形態を設け、それを左辺、右辺に分け、双方の価値形態(たとえば、リンネルや、一着の上着や、石鹸や、小麦)を「=(等号)」で結んで、そこから「貨幣」という商品が何であるかを炙り出す(導き出す)のだが、この場合、「=」が数学的に何を示しているかについての説明は一切ナイ。また何れの場合の右辺と左辺の関係も単純にこの記号「=」で示している。これは杜撰という他ナイ。(たぶん『資本論』の欠陥はここにある。蛇足ながら、2022年現在世間を騒がせているQ統一教会(勝共連合)のテキストにおける共産主義への批判は、誰の著作かは不明だが、わりと緻密に共産主義は正しいが人間には無理だと説いている。マルクスについては「暴力革命」を是としつつ帰納的に共産主義革命を目指したのが失敗だと、その失敗の要因も示している。Q統一教会関係議員は与野党ともに、いいわけや選挙の票読み以外に、「因果応報」「自縄自縛」について黙考してみることだ。さて、しかしながらこのanti-communismの労作textも「貨幣」においては、単に「価値」の比較を批判しているだけで、「価値形態」の「形態」を無視しているところに欠点がみられる。労働においても「労働」と〈労働力〉の判別はつけていないようだ。この点については、日本の『資本論』批判、間違い論者、の多くがそうだ。それはアインシュタイン「相対性理論」批判をするときに、知らずにか、こっそりとか、ニュートン力学を持ち込んでいることと相似している)。-詳細は拙著『恋愛的演劇論』で「演技」と〈演技力〉はチガウと論じているところを参照-どうも、齢七十をこえてからaggressiveの度合いが強くなってきている。これは国政の阿呆ぶりに比例しているようだ。本筋、本論に戻る。
70・Hysterieを疾病ではない現象(蓋然的には情況でもイイ)として捉え、それを定式である「表現=疎外」に当てはめれば、Hysterieは何らかの表現だと代替することが出来る。つまり「Hysterie=疎外」である。
71・「表現」として表出するものは「疎外」と「=」になる。この場合の「=」は使用価値や交換価値が「同じ」というものではナイ。双方の労働に費やされた時間が同等ということでもナイ。もちろん価格でもナイ。ここでの「=」はほんとうは「形態」に充てられるべきものだ。或いはこの「=」の意味は「表現されたモノは表現した当人に同等の疎外を与える」と読むのが妥当だろう。
72・ここで哲学や医学からも逸れて、Hysterieという現象は(「疎外」なんだから)「表現」だとしてみる。ただし、「無意識のエネルギー」のままでの「固有状態」の放出である、は固守しておく。
73・まずそれ(Hysterie)は言語とはチガッテ、身体的「表出」による表現に近似する。それが言語による放出であっても、言語という「系(system)」からはおそらく逸脱しているとおもえるからだ。
74・言語が「無意識を意識化するための手段である」ならば、言語系から逸脱したHysterieという「形態」は「無意識というエネルギーの意識的な表現」であるのか。
75・そうではなく、Hysterieなどの身体系現出は「言語され得ないものの表現」、つまり「固有状態」である限り「無意識の無意識」的な表出ということになる。それは「言語によって表出(或いは表現に昇華したとして)されるべきものが、言語以外という現象のままで表出された表現」ということになる。
76・これは「固有状態」であるのだから、いいかえれば、言語系で表現されるはずのものが、身体系的に表現されてしまっただけで、「本質」に変容はナイ。というか、Hysterieには「本質」の残存だけが現れる、ということになる。
76・さらにいいかえれば、Hysterieは、その最も弱い表現「云いマチガイ」が身体系的に拡張されて表出された「形態」ということになる。誰がHysterieを正しい形態とおもうか。なんやかんや云うても「マチガイ」には変わりない。こういう悟性的な論理にケチをつけられても当方は対応出来ない。よって無視する。
77・つまり「Hysterieとは身体系な云いマチガイ」といえる。従ってそれは「無意識」に在る「固有状態」であり、ゆえに「本質」を担っている。このシステムはこう書き換えられる。「表現(ここでは例としてHysterieという固有状態)のinput→作用素(ここでは〈疎外〉という固有状態)→output(ここでは本質をともなった固有状態のままの表現)」
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