last job revision 10
103~113
103・面倒くさいいいまわしになるが、「ほんらい表現、表出されるべく「言語」による「communication(伝達)」「記憶」「認識の同一性」が疎外されて(表出=鬱疾患)された情況」とは、ほんらいの無意識のエネルギーの「超自我」によるcontrolが意味を持つという普通の流れが、/三点セットに対する「疎外」によって、〈了解〉させられた情況/といえる。
104・「103」でいう「疎外」が、inputであるのか、作用素であるのか、outputであるのかは、問題にしなくてイイ。可換的(どうでも交換が可能)だからだ。ただ、作用素から「固有状態」でoutputされた場合には、固有性には変わりはナイが、その作業においては〈本質〉が現れるということだけは、記憶しておいてイイ。
105・このうち「communication(伝達)」の齟齬については、鬱病に対してかなり多大な影響を有するようにおもわれる。何故なら、これは対他的な「言語」との関わりが強いからだ。ラカンが揶揄気味に述べた「言存在」はけっこうオモシロイのだ。「言語」の〈了解〉が主体-主格の〈存在〉に関わってくるからだ。これはフロイトの「云いマチガイ」と同等の迫力があるとおもわれる。
106・「communication(伝達)」「記憶」「認識の同一性」」という〈了解〉の三点セットと「鬱病」「鬱疾患」についてもう少し探りを入れていくが、ここで、「communication(伝達)」に「独り言」という特異な形態も付け加えておきたい。
107・「独り言」は対自的、もしくは即自的なものだ。道を歩きながらブツブツと呟くものから、「日記」という文言に至るまで、語る相手を自分にしていることから、小説のように読者という他者の存在を対象にしたもの、誰か他者をimageしての独り言もあり、さらにいうなれば、フロイトの『夢判断』における〈夢〉も言語そのものではナイが、「独り言」の範疇に含めることが出来る。
108・フロイトの『夢判断』を読んだかなりむかし、途中で嫌気がさしたことが思い出される。おそらくその理由は、当事者の夢に登場する事物、事柄をフロイトが何かにどうしても〈対応〉させようとしていることについての、精神分析的介入が鬱陶しかったのだとおもわれる。カール・ポパーのフロイトに対する「似非科学」というレッテルもまた、こういった聞きての一方的解釈が「反批判」を許容しない方法論だったからにチガイナイ。
109・「独り言」は「communication(伝達)」に含まれる対自的、即自的なものだが、「夢」などはあきらかに他人のためにみているものではナイ。その点では極めて即自的な営為だ。
110・ついでだから、フロイトの「夢」についての解釈を拾っておく。
/夢の素材は記憶から引き出されており、その選択方法は意識的なものではなく、無意識的である。したがって一見すると乱雑な夢の内容においても無意識に基づいた統合性が備わっており、さまざまな出来事を一つの物語として連結させるものである。それにはさまざまな狙いがあるが、一般的には夢とは潜在的な願望を充足させるものである。つまり夢は無意識による自己表現であると考えることができる。/
111・ここに何気なく「記憶」が顔を出している。「夢」が「記憶」から引き出されるものなのかどうかの判断は留意して、「110」を私なりに加筆・修正してみると次のようになる。
/夢の素材には記憶も当然であるが含まれる。夢が虚構であるのなら、記憶という現実が必要だからだ。どの現実を選択するか、その選択方法は意識的なものではなく無意識的である。無意識的である以上そこには「抑圧」の力が加わっており、一見すると乱雑な夢の内容は無意識に基づいた力の発散、放逐であり、統合性という合理をデコンストラクション(既存の枠組みや体系を解体し、新たに構築し直すこと)によって、さまざまな出来事を一つの物語として連結させるものである。それにはさまざまな狙いがあるが、一般的には夢とは潜在的な苦渋を希釈させるものである。それは無意識の消費による心的再生産であると考えることができる/。
112・「夢」が「独り言」のcategoryだとすると、それは多大なエネルギーを持った無意識であり、逆にたどれば、「独り言」は現実世界においては意識的にimageを再生させる力を持っている。
113・この営為、構造で/「独り言」の力を量子力学的に述べれば、それは「自らに自らを重ね合わせる」状態ベクトル/だといえる。
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