Sophism sonnet・69,12-05
茶番
「茶番」の意味は幾つかあるが、適当に(いいかげんという意味でなく、適して当たっているという意味)羅列すると、「猿芝居」「出来レース」「三文芝居」「ばからしい、底の見えすいた物事」「見え透いたばかばかしい行為」「お粗末な芝居」という意味があって、現代で「茶番」という言葉を使う時は、これだけ出しておけば充分だとおもわれる。
ロ×ウ戦争の影響は、黒海の海洋生命体絶滅だけではナイ。新興アフリカ世界の食糧事情に多大な損害となりつつある。ロシアのシラケぶりとウクライナの苛立ちはともかく情報戦だから仕方ないとして、黒海に面したトルコと、ロシア、ウクライナの談合(ということになっているのだけれど)で、人道海路が開かれれば(ロシアはもう開いていると云い、ウクライナはロシアの攻撃にあって開けないといっいるのだが)7000万t以上の穀物の供給によるアフリカ200万人以上の餓死(飢餓ではなく餓死である)が救援されることになる。これはそのとおりなら仲介役のトルコの名は上がる。
しかし、こいつにはプロローグがついていて、そのちょい前にトルコがクルド族-テロ掃討作戦をいいだしたところ、ロシアがこれを自重せよと諫めるという素人臭い幕前演出があり、ついで、幕が上がるという黒海のいわば食料臨時停戦で、歌舞伎ならぬ「手踊り」の類じみている。こういうのを「茶番」という。
フィンランドとスウェーデンのNATO加盟に唯一「クルド族-テロを匿っている」という根拠の薄い理由で反対しているのは、トルコだから、ここでトルコの「まあ、茶でも一杯」による食料問題が解決すると、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟は一挙に遅れることになる。遅れても加盟申請は済んでいるのだから、ロシアの両国に対する戦時配備の時間稼ぎにはなる。ひどくすれば、回廊海路を開くからフィンランドとスウェーデンのNATO加盟のほうはトルコのいうことを聞かないと餓死者が増えるぞ、「戦場核(戦術核のうち最も小型のもの)」の一発目はアフリカの何処かに落とすとかロシアは脅すだろう。
「茶番」の意味は今後、そんなふうに書き換えられる。
Sonnetをもう一つ。「欅坂46」を脱退して女優の道を選んだ平手友梨奈の『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』の彼女の〈演技〉とやらが酷評されている。彼女の出演映画は他には『響~小説家になる方法~』しか観ていないし、これは、原作comicをおそらく作家になれなかった編集者が恨みツラミをこめて書いていると憶測(邪推)して読んでから観たのだが、『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』における酷評の彼女の〈演技〉については、私はまったくそうはおもわない。酷評は全面的に認めない立場で立っておく。トーシロが小賢しく云うのはどうでもイイ。私なんぞも四十五年、トーシロという、小銭で舞台を観劇などしてはる方々に、それは云われてきた。しかし/彼女は以前から〝表情がワンパターン〟などと指摘されているので、今後も役者を続けるなら表情を豊かにする努力は必要でしょう」(芸能ライター)/と極めて錯誤、勘違い、マチガッテいるヤカラには、「お前らがその程度のリテラシーで飯食ってるあいだは、日本映画は廃れたままだ」/とだけいっておく。平手友梨奈は、表情を豊かにする努力などしなくてもイイ。気になるなら〝表情がワンパターン〟で通したバスター・キートンをもっと観ればイイ。古典伝統芸の「能」などは、「面(おもて)」で、顔を殺す。
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