Sophism sonnet・69,11-03
不透明につき不明な点多い
「依然として不透明です」「不明な点が多くみられます」。前者は時事政治ニュースでのハナシの括りにほぼたいていいつも出てくるコトバで、後者は刑事事件などに多く使われる。つまりは「どうなるのか」「どうなってんのか」〈ワカラナイ〉ということだ。こういうコトバは科学的、医事的なニュースなどには、メディアとしてはあまり用いない。科学ではそういう事態はアタリマエだからだ。
近似的な用語に野球などの実況アナが使うコトバで「よく、ワカラナクなってきました」という括りがある。これもかなりの頻度で耳にする。実況アナにしてみれば、気分としては「オモシロクなってきた」「ワクワクしてきた」程度のことなんだろう。
5/9のロシアの例年の対独逸戦勝パレードで、プーチンが演説をかましたが、印象に残ったのは、あの演説を聞いていた報道関係者だったか、単に市民だったか、ともかくも理知はあるひとが「これ以上聞いていると頭がオカシクなる」とひとこと述べて途中でリタイアしたというほんのちょっとした出来事だった。
これは命題としても使えそうだとおもう。「これ以上生きていると死にたくなる」で、イイ。それと語彙としては同義だろう。
プーチンが政治的意図、なんらかのpropaganda としてあの演説を大真面目にかましているのだとしたら、それは一国の大統領、政治家としてはアタリマエのことだ。「政治においては、首相、大統領などは、多少の悪人でナイとダメだ」という政界の常套句を耳にするが、私はこの「悪人」というのは「狂人」といえないから、いい替えているだけだろうとおもっている。国連総長との対談のとき、プーチンは総長のマウリポリの一般人避難の提案に「それはもう終わったことだから」と平然と云って退けているのも、情報の錯綜からきているのだとおもっていれば安心する。英米の諜報員は作戦部隊上層幹部にも多数送り込まれているとのこと(西側の発表だけど)だから、プーチンがほんものの精神疾患であるなら、それなりの対策は協議、談義、会議、されているはずだ。と、おもいたい。
プーチンが「ボクは、フィリックスくんなんだ」と、黒いカバンをあの「アリスのお茶会」に出てきそうな長いテーブルの上に置いたりしたら、私たちはただもう「よく、ワカラナクなってきました」と、「生病老死」(仏陀のいう四諦)を悟ったかのように「生まれてきたことを諦めるしか他ナイ」
« Sophism sonnet・69,11-02 | トップページ | Sophism sonnet・69,11-04 »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- nostalgic narrative 12(2024.03.05)
- nostalgic narrative 11 (2024.02.27)
- 時世録・51(2024.01.03)
- 時世録・49(2023.12.24)
- 時世録・34(2023.08.24)