Sophism sonnet・69,10-14
承前
〇世間、あるいは、もちっと賢い人たちは「プーチンの誤算」とかいう類の論説を表に出す。あるいはそれらはメディアの計算かも知れないのだか、私はこの「プーチンの誤算」傾倒、傾向の論理は全部ハズレているとかんがえている。ハッキリ云ってしまえば、此度のロ×ウ戦争は旧式の「クラウゼヴィッツ戦争論」に則していたのではないか。クラウゼヴィッツの『戦争論』の冒頭にある、〈戦争とは、暴力によって、我がほうの意思を、相手に押しつける〉という公式が「核」の時代ではもう「実行不可能」になったという現代戦の〈常識〉を、プーチンは見事に引っ繰り返した。さらにいうならば、「戦争は外交政治の延長である」をすっ飛ばした。「選択肢はこれしかなかった」というプーチンのコトバを侮ってはいけない。これは倫理の問題(人道的問題)をエポケーしていえば、プーチンは「核の時代」にクラウゼヴィッツの『戦争論』での戦争を選択して、みごとに成功させた。やり方が仁義にハズレているだの汚いだの、卑劣だの残酷だの、そんなことはどうでもよろしい。戦争とはそういうものじゃないか。
〇これは現行、NATOにとっては先行理論「EDT」(一種のシステム結合論)が先行し過ぎて(囚われすぎて)、してやられたといったところだろう。また中華大国は、その辺りをかなり深く吟味しつつ高みの分析をしていたにチガイナイ。中華大国の驚きは、米欧(NATO・EU)の結束もあっただろうが、プーチンの〈『テネット』・逆行銃弾〉のほうが大きかったのではなかろうか。クラウゼヴィッツはまだ生きているのだ。
〇そこで日本。「なんやワカランけどとにかく追従せなアカンで」の阿呆政治家の国。北海道(北方領土)をロシアに、日本海を北朝鮮に、南の海を中華大国にと、三正面は敵だらけ、と目覚めただけでもまだイイのだ。欧州最貧国モルドバが、ウクライナ難民を多く受け入れ食料を分け合っているときに、もういいかげん老害アソウ太郎をなんとかしろ、関係ねえけど。
〇日本は島国、列島国だ。その最南端が台湾だとおもったほうがイイ。だから中華大国との外交を重要、重視、充実させていくべきだ。アメリカとは軍事的には手をきったほうがイイ。あるいは五分の盃にしたほうがイイ。
〇政権政党は次期選挙のことなどミミチイことをかんがえないで、3年くぎりぐらいで30年の計を立てたほうがイイ。そこに「核防衛」と「次世代エネルギー」を放り込む。再生エネルギーなんてツナギだぞ。
〇北朝鮮などには、「あんまりミサイル撃つとね、うちは防衛費をGDPの10%にしますよ。イージス艦の高高度ミサイルに高電圧発生装置とマグネトロンのフィラメント発生装置つけて、そっちの基地に撃挙げますよ」と、逆にカツアゲすればイイのだ。
:いつまでも「核脅し」に負けていてはダメだ。
この項、つづく。
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