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2022年4月23日 (土)

Sophism sonnet・69,10-16

ヤクザ(ここでは暴力団)の縄張りについて

ヤクザにとっては「縄張り」という領地(支配地・管轄地盤)を所有している他組の「縄張り」に勝手に(無許可に)侵入すると「縄張り荒らし」ということになる。では、この「縄張り」はドウヤって決める(決まった)ものなのだろうか。問われてみると「そういえばそうだな。ナンデだろうな」の部類に入る。これは、簡単な答えがある。ウソみたいなのだがほんとうのハナシで「縄張り」というのはコトバどおり「縄を張る」ことだ。簡単にいうと、例えば新興地などが出来たとする。そこにイチバンに駆けつけフラッグを立て「ここは、ここからあそこまできょうから俺の組のもの」と縄を、あたかも櫻の花見の例のシート敷きのように張った組の「縄張り」になるのだ。もちろん、これは力によって覆すことも出来る。「バカヤロッ、こんだけ寄越せ」だ。あるいは「そんなところをてめえのところの縄張りにされたら、うちのシノギはどうなるんだ。野郎ども奪って来い」
と、なんでそんなことをふとかんがえたかというと、ロ×ウ戦争というのは、けっきょくのところロシアとNATOの「縄張り争い」でしかナイのではないか、とおもったからだ。つまり、キューバ危機というかつての核戦争秒読みの世界をおもいだしたと、格好良く云ってもいいのだが、それより「縄張り」といったほうが簡単明瞭だとおもう。
ソ連は解体して冷戦は終わった。ロシアは(というかワルシャワ条約機構)は敗北した。プーチンはカーゲーベーから政治家に身を立てて、大統領にまで上り詰めた「いま太閤」なのだが、オモシロイワケがナイ。どころか、それまでのスターリンからのやり口で、すっかり東側は専制政治、独裁政治に懲りている。で、そこにNATOが在った。そんならNATOの縄張りに入れておくんなせえと、自国の縄張りを譲った。プーチンは慌てる。ちょっと待て、昨日までうちの縄張りだったのが、相手の組のものになり、おまけにミサイルの方向までロシアに向いてきた。さらに、ゼレンスキー大統領が「僕は大統領」とばかりに、NATO加盟を云いだした。スターリンはウクライナを食い物にはしてきた。そりゃあ、ひでえことをしてきた。それはそれだ。プーチンはバイデンに「いくらなんでも、NATO拡大はやめてくれ。うちの縄張りに手を出さないでくれ」と、これははっきり対面会談で述べているのだ。バイデンはいつものの滑る口で「そんなもん自由やさかいになあ」とかなんとか云ったんだろ。そこへきて、ゼレンスキーの「NATOに入れて、僕、大統領」だ。冗談じゃナイ。プーチンにとっては、キューバ危機のあの時代のケネディと同じ心境だろう。これでは、次々とNATO加入国は増えていく。「ちくしょう、ドイツもこいつもみんな縄張り荒らしばかりじゃねえか」だいたい、キーウからモスクワまでは東京=大阪くらいの距離感だ。ロシアは核大国とはいえ、通常兵器や軍事費では圧倒的にNATOに劣る。そこへきて、国境ラインの国々がNATOだのEUだの縄張りを広げていったら、ロシアはどうなる。かくて、ロシア組プーチン貸元は(ノイローゼになるほどヤワではナイので)ウクライナという、ロシアにしてみれば縄張り荒らしなのだが、もともとそこは自分の組の縄張りだ、ここは返してもらうぜといきり立った。私もテキ屋のバイトをしていたことがあって、祭のことは「タカマチ」というのだが、ここで露天が出る。そこいら中から露天商、テキ屋、大道芸が集まって来る。このときの場所割り(これを「地わり」というのだが)を、経験、露天の種類、相手の地位、どこからも文句が出ないように、さらに自分たちの組(テキ屋は親分も露天を出して、仕事する)も儲かるように「割る」のが、ご当地親分の手腕だ。かつてはブームもあって、何にも知らないお嬢さんたちが、自作のブローチとか装飾品を並べて(これは三寸というのだが)、ご当地の三下から「おいおい、お嬢さん、そいつはヤっちゃイケナイんだ」と叱られていることがあったけど、いまはみかけないネ。
ともかくも、なるほど、ロ×ウ戦争というのは、つまるところ入り口としては「縄張り」の問題か、「地わり」の親分がいないんだなあと、本日はふとおもった次第。出口がどこにあるのか、そいつはワカラナイけどねえ。

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