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2022年3月30日 (水)

Sophism sonnet・69,9-10

そして、宇宙へ

「核抑止論」という論理、戦争の理論があった。それをロシアのプーチンは私がよく使う「アリストテレスからハイデガーへ」と同様に「核脅し論」へと引っ繰り返した。二十一世紀屈指の策略家、政治家と歴史に残ってもおかしくはない。まさに「コロンブスの玉子」だ。
「核抑止論」というのは、全面核戦争に勝利者はいないという戦争抑止策で、数ある「戦争論」の一種だ。北朝鮮をはじめ、世界のあちこちの小国までもが「核」を持ち始め「核拡散防止条約」などあって無きものとなった。
しかし、どうしてそれだけ「核」を持ちたがるのかというと、これは至極簡単なことで、通常兵力(軍事力)においてはアメリカと比肩する国家は皆無だから、という答えしかナイのだ。通常軍事力ではロシアと中国が同盟しても、アメリカの国家軍事予算や軍事力そのものには太刀打ち出来ない。北朝鮮の前国家主席、将軍様、金日成が息子に遺したコトバ「核だけは棄てるな。核だけがアメリカとの交渉力だ」は命題そのものとしては正しい。
私がまだ少年(ガキ)の頃、核は爆撃機搭載だった。つまり、引き返せる確率があったのだ。(『未知への飛行/フェイル・セイフ』というヘンリー・フォンダ主演の名作映画がある)。それが、ICBMの登場で、核発射は大統領からの指令を二名の米兵が受け取り、それぞれkeyを回し、それぞれがボタン(あるいはスイッチ)をいれなければ機動しないということになった。ともかくそうしたら世界は壊滅する。Keyとボタン、それを前にして二名の米兵は大統領命令が遂行出来るか。この二名は毎日交替する。一日だけの勤務である。かつ一週間に一度精神科カウンセラーからカウンセリングを受ける。なにしろ世界壊滅なのだから。その精神状態や、ジェットコースターの比ではナイ。死刑執行を待つ死刑囚より辛い。ほんとうにこのようなpressureの極みのような任務が可能だろうか。そこで、アメリカは少なくとも数回実験を試みた。「これは演習ではナイ」という警告で、実際に兵士が命令に従うかどうか試してみたのだ。
結果は、一度も成功しなかった。世界壊滅のボタンなど押せるワケがナイ。さらに、命令を出す大統領がまともかどうかも不明確だ。あんさん、トランプみたいなのもおりますねんで。あるいは、大統領入院中ということもある。意識不明ということも。9:11のとき、ブッシュはうんと田舎の小学校を訪問して子供に絵本を読んであげてはった。このとき、補佐官が大統領に耳打ちする。ブッシュがfreezeする。この映像は残っている。さて、そういうときは、副大統領が、その副大統領がテロで狙撃されていたら、次は〇〇と順番は決まっているのだが、あいにくICBMはロシアから北アメリカまで20~30分で到達する。順繰りでは間に合わない。かくしてsuper computerの出番となる。発射された飛翔物体の炎の色を宇宙衛星がスパコンに通信、スパコンが識別、報復発射判断、発射。これがおよそ20~30秒。
にしても、世界壊滅に変化はナイ。
何か防御兵器は出来ないか。最初にかんがえられたのがMADと称されるもので、核ミサイル(ICBM)が成層圏から着地点に向けて出た瞬間を狙って(スピードが落ちるので)核ミサイルで迎え撃つという方法だった。これは都市破壊そのものは免れるが、放射能の拡散放射で、けっきょく人類は死滅するということで、研究の段階で取りやめになった。そこで、登場するのがこのブログでも先述したレーガン大統領のスターウォーズ計画だ。これは太平洋上、ICBMがまだ成層圏を飛行しているときに、宇宙衛星からレーザービームでこれを撃ち落とすというもので、かなり本気に研究開発がされ始めた。しかし、レーザービームは照射時間がかかり、その電力も膨大で、電源を太陽光発電では賄えないということで、頓挫した。頓挫はしたが、このスタウオ計画の骨子は、まったく白紙になったワケではナイ。ここからアメリカの宇宙開発は超スピードで邁進する。アメリカの宇宙開発は平和目的(だけでは)ナイのよ。
「核抑止論」はやがて過去の戦争理論となっていく。「そして、宇宙へ」と戦場は宇宙へ、電子へと移ることになる。もちろん、地上戦が無くなったワケではナイ。ガラっと様変わりして、分隊から始まり小隊、中隊→→→師団という此度ロシアがウクライナに仕掛けた侵攻のごとく、第二次大戦のような軍隊体制はなくなりつつある。兵士は指揮官の指揮で動くのではなく、ほぼ個別に衛星受信された情報で動く。此度のウクライナはそれに順当する情報戦で数少ない兵士が、大軍のロシア兵と同等に闘いこれを破ることが出来た。
現状でresearch出来る限りの(なにしろ軍事機密が多いから)情報から「そして、宇宙ヘ」の闘いを想像していくことにする。

つづく。

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