おまえが民で、俺が主だ
「民主主義というのはどういうものですか」と、問う百姓に、地方官吏がタイトルのように応える。これは中華のジョークなのだが、笑うに笑えぬものがある。それがナンなのか、よくワカラナカッタのだが。
合衆国のスパイ・アクション映画はかなり観る(観た)ほうだ。A級からB級まで。同じ映画を観た、の、が「あんなこと出来るワケないじゃん」とか、「そんなウマクいくワケないよねえ」とかいう度に、そうだなあ、まあ映画だからといっていたんだけど、トランプの掛け声一つでホワイトハウスが占領されたときは、開いた口がふさがらなかった。意外に簡単なもんなんだなあ。
トランプが「大統領選挙は不正ダッ」と、最後の最後までバイデンに牙を剥いていたとき、「トランプも粘るねえ」といった知己に、「そりゃ、トランプは政治家としてはトーシーロ、アマチュアだけど、バイデンはさすが七十を越えているだけのことはある。バイデンは政治家としてはプロだからな」といったら、変な顔をされたこともある。不正ねえ、不正のナイ政治などはナイ。リチャード・ウー原作のコミックス『卑弥呼』が彼の作品の中でダントツにオモシロイのも、そのせいだろう。
米国はベトナムに次いでアフガンで一敗地に塗れたワケだが、/撤収ではなく敗走だ/とはまたまたトランプの名言になりそうだナ。名言というより当然なのかな。そう簡単に二十年の賭けが終わるワケはナイだろうとはおもうのだが。
しかし、アフガン敗退以降、米国製のスパイ映画はつまらぬものになりそうだ。たしかに「あんなこと出来るワケないじゃん」とか、「そんなウマクいくワケないよねえ」がリアルなものになってきたからだ。まったくハナシにならなくなってきた。民主主義の、というよりfictionの危機だナ。やる気の無いアフガン兵士、ヤル気しかないタリバン。ヤッてみたら意外に簡単に出来ちゃって、しかし、これから後が難しい。算数の出来るのがいないので、経済のことがワカラナイ。政治のことなんてワカラナイ。要するに、ここで、タリバンの親分が「そういうことは女にやらせておけばイイのだ」と、いいだしてくれると、ありがたいんだけど。タリバン政権なんて出来るのかどうか、出来ても長持ちしそうにナイな。別に中華やロスケが揉み手擦り手するほどのことはナイとおもうけど。
ところでタリバンというのは宗教連合らしいんだけど、神さんは誰なの。合衆国に勝つくらいだから、合衆国の神さんよりは強いんだろうけど。でも、あっちの映画『桜桃の味』じゃ、自殺願望の男に「ひとを殺してはいけないのとおなじ、自分を自分で殺してはいけない」なんて戒めるんだけどねえ。まあ、神さんは臨機応変というか口八丁優柔不断出たとこ勝負多いからなあ。嘘も方便ともいうけど、誰だったか/嘘は百薬の長/とかいってたそっちのほうがなんかセンスいいね
« レーニンか毛沢東か | トップページ | セイジやなくてキヨシです »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- nostalgic narrative 12(2024.03.05)
- nostalgic narrative 11 (2024.02.27)
- 時世録・51(2024.01.03)
- 時世録・49(2023.12.24)
- 時世録・34(2023.08.24)