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2021年7月27日 (火)

幕間のだんまり

目覚めると、恐怖心と自殺念慮がヤってくる。もちろん鬱疾患者によくみられる症状なのだが、鬱疾患自体は個々それぞれなので、そういう寝起きでナイも在る。この承服し難い症状はいま生存している世界の体感が希薄になっていることからきている。半覚半睡の続編とでもいえばいいのか、簡単に寝惚けているとでもいってしまえばいいのか、或いはそうではないナニかなのか判断もつかない。『不思議の国のアリス』や、『ムーミン谷の冬』で冬眠に失敗してただ独り起床してしまったムーミンの心境はこんなものだったのではないかと、ほかに比較するものナイので、その二作品と自身の心身の在り方を重ねる。
タイトルの「だんまり」は/歌舞伎で、登場人物がせりふ無しで、暗中にさぐりあう動作を誇張して表現する演出法/(ウイキ)のことだが、そんなふうなのかも知れない。或いは/どうかんがえたって変じゃないか/という〈対他〉を拡張した〈対環境的〉心情、感覚かなあ。
/世界はこんなに変だったか/と、悪夢を観ているのと同じようなその気持ちの悪さを懸命に払拭して、/ひょっとして土産にもらった玉手箱を開けたときの浦島太郎もこんなだったかな/と、一般相対性理論でいう、/いきなり自身の乗船していたロケットの時間(時計)がロケットの反転エンジン噴射によって急回転(針がクルクルまわりだす)したような目眩憾/に襲われながらも起床。
気が狂う兆しかな、とっとっと、こちらはすでに精神医学的には精神病に扱われているうつ病者だ。そうか、オレが変なのか。一つ目人間の国で自身が両眼であることが変なのに気付く、あの、paradoxか。いやいや、なんとかしなくっちゃ。と、一日が始まる。
mentalの疲れが強いとphysicalの疲れもひどくなって、寝入り数時間で尿を漏らすことがある。これも、高齢者鬱疾患にみられる症状だ。mentalの疲れなら単数では日常たいていの者にはあるから、尿漏れなどがあるときは、これが幾重にも襲ってきたときということになる。
〇劇団を解散してからレンタルの演劇スタジオになっていたナビ・ロフトが、建築法関係の違法ということで立ち退きになった。建ててはアカンところに在るらしいのだ。私たちが(劇団時代)そこを稽古場兼舞台として、二百万円をかけて材料を揃え、手弁当で改装したときは、そこは山野の類で梅林が多く、送電線で繋がれた電波塔が並んで立っていた。やがて地下鉄が近隣まで通ると近辺にマンションや新築の家、突然山の土地が売れた成金の屋敷などが立ち始め、いわゆる居住地区ということがハッキリした。そういうところには、ヌード・スタジオ、遊技場、映画館、劇場の建築は違法になる。とはいえ、周囲は暗闇のたまり場のようで、痴漢出没要注意地区といわれた。
梅林のときは綺麗だったなあ。
〇東京の公演の劇団にclusterがあったことについての一部始終を、座組の出演者が興行主(producer兼演出家)にたいする抗議の長文としてSNSに投稿した。観客も巻き込んだけっこうな規模のclusterなのだが、いまじゃ、ちょっと話題になったが問題にもならない。内容、事象といえば、昨今の小劇場演劇業界では起こるべくして起こるイヤな〈事件〉の類だ。コロナ騒ぎと保健所をうまく手玉にとった(もちろん、いちばん手玉にとられたのは役者たちなのだが)狡猾な主催者(興行主・演出家)の、違法な公演で、結果、その座組の上演を今後は禁止という科料で決着したらしい。そんなものは、座組の名前を変えてしまえば、いくらでも公演は出来るのだから何の罰にもならない。まだしも座員に慰謝料やコロナ感染の医療費を支払うとか、せめて見舞金、あるいは役者個人チケット販売からのピンハネの変換とかの過料のほうにしなければ主催者には何の痛手もナイ。また、主催者本人についての刑罰がなければ、これは詐欺に近いまったくの完全犯罪になる。だからの痛恨の投稿なのだろうけれど、しかし、messenger ワクチンは遺伝子を使うから将来遺伝子系の疾病になるとか、不妊になるとか、まったくの出鱈目を信じてワクチン接種を拒絶しているような無知(無垢ではナイ)な若者を騙すことくらいワケないことと、これがあまりに簡単な手口でやれちゃうと露呈した一部始終。そっちのほうが小劇場演劇業界にとっては衝撃だろうな。味の悪過ぎる手口だ。
あのね、/東京では小劇場系演劇でもけっこうな銭儲けが出来るのよ/。ニタリと笑って置く烏鷺の石の音。
〇そうして、三発目。伊丹市のアイ・ホールが廃館になる。公共ホールだからな、お上が「や~めたっ」といえば、すぐに幕。お上、つまり為政者(伊丹市)にとっては年間九千万円の管理委託料を予算から削れるし、新しく貸し出すボルタリング遊戯の経営会社からは賃貸料が入る。「演劇都市宣言」のシンボルとして建築された劇場の三十余年に及ぶ、いま流行りのレガシーなど、現在の為政者にとっては完璧に無価値なものだから、ナ。三十余年に渡って、屋根の下で雨も降ってナイのに雨宿りしてきた輩もどうかとおもうけど、しかし、管理者つまり汗水たらして、ジャンクフードで食いつないできたstaffに明日は無いことだけは確かだ。確かというより麻疹(はしか)だ。
呆れたもんだぜ政治なんて。
東京オリ・パラが終わってから、COVID-19感染者が一日5000~10000人になったとき、この国の文化の終焉、経済の崩壊、つまりは亡国が始まる。

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