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2021年3月25日 (木)

珍論愚談 27

カール・ポパーは「反証出来ないものは科学に非ず」と、豪語した。これは「反証法」というふうに「弁証法」に倣って称されているが、論理のlevelは「弁証法」ほどではナイ。どころか、『科学哲学』などというけったいな科学信仰学派まで生じさせてしまった。さらに「反証法には反証出来るのか」というクルクルまでつくってしまった。
ポパーという哲学者は、かのヴィトゲンシュタインとの論争で、頭に血がのぼって火掻き棒を振り回したという逸話があるくらいだから、かなり頭の熱い思想家ではあったようだ。つるっ禿であったとも聞いている。
で、と、飛鳥新社から緊急出版(というのはつまり、ホテルでの録音缶詰執筆なんだろうけど)された『COVID-19 新型コロナ本当のところどれだけ問題なのか』(木村盛世・著)を緊急に読んでみた、半日ばかりでゴロゴロしながらあれこれの休憩時間に読めたので、読むには楽なホンだった。私はテレビは観ないのだが、著者はメディアのほうではけっこう発言されているようで、アマゾン・レビューの☆一つの方が「喋ったことをまとめただけ」とコメントされていた。たしかにそんなふう感じがした。さかんにエビデンス(科学的根拠)を述べてらっしゃるにしては、カール・ポパーが読んだら火掻き棒を振り回したんじゃナイかなとおもわせたナ。反証のしどころがナイのだから。要するに「COVID-19についてはわからないので、ワカッタふうなことをいうメディアや専門家はアカン。わかるように努力していかねばならない」というのが、概要で、しかし本質論と情況論の区別も曖昧なら、情報の領域も、私は新聞の電子版(日経・毎日)しか読んでいないのだが、そこで読んだこと以上のことは特に書かれておらず、そこより古い情報もあったしなあ。まあ、菅総理や河野厚労相をヨイショしてらしたから、河野さんが総理になられたら、民間から登用されるかも知れない。略歴に、「医師」とあったが、専門科目は記されていない。こういうところがほんとうの「医療崩壊」なのだ。なんしろ、医者は坊主の次に嘘つきだからなあ。ジョンズホプキンズ大学出身で疫学をヤっていらしたから、それなりの知識はあるんだろうけど、履歴に「作家」ともあったが、それにしては文章がお粗末としかいいようがナイ。これはまあ、語ったことのテープ起こし原稿だからだろうけど。帯に大きくビートたけし老師の激賞があったが、いくら毒舌で有名でもたけしさんは芸人だぜ。坊主の次に嘘つきなのは「芸人」だからな。(作家のほうが先ダッタかな)
とにかく「わかりません」が多過ぎる。それが知りたいから購入した我々大衆としては、こう結論するしかナイ。「なんや、けっきょくワカラヘンのかいな」☆一つです。
著者の結語としては、「獲得免疫の抗体に依る集団免疫状況を待つしかない」ということになっている。(と、読めたけど)。ただ、この結論は著者のエビデンス(信条)というより、なんとなく心情に近いナァ。心情は情況であっても現象に近い。つまり表現(image)なのだ。ということで、著者のイメージしているCOVID-19についてはワカッタんだけど。
私はべつに好んでCOVID-19を学習しているワケではなく、この春と秋に二人芝居をするので、高齢者だし、ワクチンを接種しようかどうしようかと悩んでいるだけで、だって、相手がいるからなあ(ワクチン接種しても、感染はさせる確率はけっこうある)。だから、エビデンスを数多く酸っぱくいわれても、マスクの効能について「わからない」とあるのには頭を抱える。いまのところ、マスクの効能についてくらいしかCOVID-19の確かな論議はなされていないんじゃないのかな。私しゃ、CDCに賛同しているほうだけど。それに、治癒者(退院者)の多くは著者のいう効能の「わからない」クスリの複合処方で治ってるんだから、そこんとこどうなのよ。ああでもナイこうでもナイのはワカルけど、もちっと自身のご意見を自信を持って云いなはれ。他人のコトバを引用するばかりでは、それこそ、他人の褌でなんとやらでっせ。マチガッテいたら、正せばイイのだ。それが科学(エビデンス)なんだから。このホンに対する結語は、やつがれといたしましては「医学ジャーナリズム」levelでした。
ではあるが、舞台美術を工夫することで、ソーシャルデスタンスを保ちつつ作品の内容に沿ったミザンセーヌを思いついた。やっぱワクチン接種は日本製が出来るだろう再来年を待とう。


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