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2020年12月15日 (火)

珍論愚談 6

ニイちゃん、「このミステリーがすごい!」(宝島社)大賞の『怪物の木こり』(倉井眉介・文庫)を買って、なんでかというと、ニイちゃんも、ちょっとacademicなホンには厭きてきたんだもんだから、ミステリでもぼんやり読もうかという魂胆。
で、クマゴロさんが、
「この『木こりの怪物』だけども、どこがスゲエんですかね」
と、やっぱりクマゴロさん、江戸っ子の物好きで同じホンを読んだのでニイちゃんに訊く。
「いわゆる「このミス」シリーズはこういう傾向なんじゃナイでしょうかね。この、あのね、『木こりの・・』じゃなくて『怪物の・・』ネ、これ、もう何回か書き直したらオモシロクなったとはおもいますよ。発想なんかはオモシロイんですから」
とはいうものの、ニイちゃんは遠慮していっているようだ。
「そういやね、あの、タンメンとギョーザの美味いラーメン屋。あそこで常連が餃子でビール飲みながらいきなりマスターに/オレは来年は小説家になるでよ、まあ、売れっ子になってもこの店には来てやるにゃ/なんていいだして、マスター驚いてたねえ。別の席でタンメン食ってたおいらもびっくりしたけど。なんでも、スゴイtrickを考えたらしいんで。それでミステリの新人懸賞小説に応募するからって、まだ一行も書いてないらしいんだけどね」
「そういうひと多いんじゃナイですかね。ミステリはトリック小説だとおもっているひと」
「いや、このクマゴロさんもその口なんだけどね、それからそのtrickでホン書いたのかどうか、知らねえけどね。で、ネットでその、さっきの『木こり・・』いや、『怪物の・・』だったっけ、そのレビュー読んだら、だいたい大きく二つに分かれていて、ミステリ通は文章の稚拙と登場人物の書き込み不足と、なんつうか、けっこうsevereなんだよナ。ミステリと縁遠いひとは、スラスラ読めるホンだったんで、何のハナシだったのか、読んだアトから忘れたけどオモシロカッタっていってるね」
「そういうホンでしたね、確かに。登場人物がstereotypeでしたね」
「けど、ここもこのクマゴロっておいらは、ぜんぜん性格付けというか、characterが統一されてナイんじゃねえのかな」
「いいんですよ、ここはテキトーがmottoですから。あの『怪物・・』もラノベあたりで書いたほうが良かったんじゃないかな。しかし、レビュー諸氏は、よく読み込んでますね。たいてい同じ見解ですもんね。それに比すると審査員は牽強付会だったんじゃナイですかね」
「そうそう、あれね。どうしても〈けんかいふきょう〉って憶えちゃって変換出来ないのが不思議で不思議で、んで、ニイちゃんはなにかい、ミステリとかは書かないの」
ニイちゃん、ほんとうはもうけっこう書いているのだが、
「もうちょっと、編集者に頭のイイひとが出てきたら書きます」
クマゴロさんは、ふーん、そんなもんかねえといった顔。
「編集者、バカかい」
「さあ、でも、あんまりミステリすら読んでない編集者多いんじゃないかな。COVID-19と同じくらい流行している『鬼滅の刃』って、オレ、読んでナイから、そっちのほうに詳しい弟に~ドンナハナシナンダ~って訊ねたら、聴いた限りじゃ、そういうの『新青年』とか『宝石』、その後じゃ、国枝史郎さんとか、近いところで風太郎さんとか、もうすでに在るんじゃないかなという気が、いや、読んでもいないのに、そういうこといっちゃダメですね。弟のハナシ聴いたぶんには読む気も無くなったけど」
「『新青年』『宝石』、うーん、知らねえナァ」
ハッキリいって、ミステリ、つまんなくなったぞっ。東野圭吾も初期は普通の本格、書いてたんだけど、下手だったなあ。すぐに「ワカル」の。けど、『秘密』は、あれはスゴイとおもいますよ。映画も良かったし。でも、あれだけかな。物理学者の探偵、なんだっけ、ガリレオだったっけ、あれ、あのひと物理学の知識がナイというのはよくワカッタ」
まあ、あんまり他人を貶すのもどうかとおもうし、ここらで、幕。

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