Pear & rock
若いpearが(むかしはavecといった)コンビニに入って来て、自動コーヒー抽出装置の前で、コーヒーの出るのを待っている。だけなら問題はナイのだが、お喋りしている笑っている。要するにイチャついている。だけなら問題はナイのだが、二人ともマスクをしていない。要するに彼らの飛沫は自動コーヒー抽出装置にぶっかけられている。のを観ていたクマゴロさん、ああ、オレ、先に使って良かった。ではすまされない(ほんとは)。そりゃ問題だぞ。とおもった中年の紳士が「きみたち、マスクせにゃあかんよ」と注意。したら、若いpear、紳士を嘲笑って、「コロナなら僕たち大丈夫ですよ」。という、なにを根拠にか。「えっ、どうしてだ」と紳士。「僕たち検査受けましたから」つまりPCRで二人とも陰性だったといいたいのだろう。ところで、紳士「それは、いつだ」。「先月かな」とpear。「それから一ヶ月経っているなら、」と紳士。「大丈夫ですよ、内緒ですけど、ワクチンも打っているんです」と、pear。「ええっ」と驚く紳士とクマゴロさん。一般人にワクチンが接種された事例は未だこの国にはナイ。社会主義国はいざ知らず、この周辺の国も合衆国もまだだ。
ということを、クマゴロさん、ご隠居に話してみると。
「そりゃ、おまいさん、そのpear、詐欺にあったんだよ」
「えっ、詐欺っ」
「PCRのほうも詐欺だろうな。そうかい、もうワクチン詐欺まで出てるのかい。スジもんはヤルことが早いね。秘かに入荷とかなんとかいって、大安値一回2万円二回で3万円とかで闇でやってんだろネ。中身は生理食塩水だろうけど」
PCR検査の詐欺は東京で出回っていることはクマゴロさんも知っていたが、ワクチンまでとは知らなかった。
ご隠居はつづける。
「コンビニ探索ってのはけっこう時間つぶしになってね。入り口に近い換気のいいイートインでコーヒー飲みながら、ごみ箱や消毒液を観ているんだな。考えてもごらんよ、ウイルスがいそうなところは、やっぱりごみ箱だろ。いろんなひとがいろんゴミを棄てに来るからねえ、飲み残しのものだって突っ込む。棄て口からはみ出しているところもある。いやあ、ありゃウイルスの巣だナ。中には親切というか、常識のあるひとがいて、そのはみ出したゴミを中に押し込んでたりして、おお、いるねえまだ、そういうひとが、とおもっていると、そのひとは、消毒液に手をかざしもしないで、店内に入っていく。常識、どうしたっ、ウヘーッだろ。ご老人などで、気がつくひとは、そういうごみ箱には触れずに、自分の食ったものはそのまま持ち帰りになる。それがイチバン安全だな」
なるほど、その通りだなとクマゴロさん、頷く。
「そういや」とクマゴロ。
「アレだろ」とご隠居。
「そうそう、ソレ。飲食店が早仕舞いスルようにまた自粛勧告になりましたね。しかし、こんどの感染拡大は、根本的に飲食店は関係ナイんじゃないですかね」
「根本も末端も関係ナイよ。しかしね、政府だってナンかヤッて誤魔化さないと無策だっていわれるからね。まあ、簡単なところへ手をつけるね。あれで感染拡大が止まればわしゃ、政府に五圓くらい寄附してやるよ」
さっそくニイちゃん、このハナシを聞くと、イートイン探索に出かけた。なるほど、ご隠居のおっしゃる通りだ。ソーシャルデスタンスも洋ダンスも和箪笥もあったもんじゃナイ。あのpear、ベロチューなんかしてるんだろうな。と、マスクをしないで大接近濃厚接触している若いpearもみつけた。
冗談じゃないよ。あんなのに観客で来られて、観客から陽性出ましたなんて、保健所からいわれてみろ。良かった。うちの観客は年寄りが多いから。こんなことにホっとしなければならないご時世に、ニイちゃん、きょうも死ぬのがイヤになった。
こんなアホな世界で死んでたまるか。なのであった。
« go to trouble | トップページ | Lockdown knockout »
「暮らし」カテゴリの記事
- nostalgic narrative 34(2024.09.21)
- nostalgic narrative 32(2024.09.17)
- nostalgic narrative 30 (2024.08.25)
- nostalgic narrative 23(2024.05.19)
- nostalgic narrative 22(2024.05.16)