無料ブログはココログ
フォト

« 港町memory 145 | トップページ | 港町memory 147 »

2020年10月20日 (火)

港町memory 146

突然のこと、ニイちゃんが歌いだした。院外処方箋薬局の入り口付近でラジオ体操をしているおばさんを尻目に。
η都会では自殺する若者が増えている 今朝きた新聞が~~
(と、歌うのをやめて、おばさんがズッコけたのも放っておいて)
「今朝きた新聞にはロック・グループ『赤い公園』の津野米咲(つの・まいさ)の自殺のことが載っていましたよ。傘なんてのは、コンビニ行けばタダで忘れ物の傘がいっぱいある世界なんです。やっぱり問題はきょうの雨ではなく傘が無いことでもなく、トランプ大統領は精神疾患だとこっそりいってるアメリカの精神科医のことでもなく、歌詞を書き、曲をつくり、歌う(春馬の場合は踊ってもいた)。そういう天才のアンテナが捉えた、かつenergy(エナジー)のあまりに鋭い世界の波動でしょう。彼らは反撃に移る前に、瞬時にヤラれたといっていいとおもいます」
「なんや、ニイちゃん、あんたもとうとうペテン(頭のこと)にきたんか」
「私は、精神科に通院してるんですけど」
「ああ、そやったなあ。キのつくひとヤったナ。やっぱし、そういうひとは、ハイシドウドウちゅうのんがわかるんか」
「私は天才じゃナイです。しかし、普通のヒトよりは同化能力が図抜けているので、それくらいはワカリマス」
「ズ抜け、やねんな。ずる剥けやのうて」
「ずぬけるの「抜ける」はワカリマス。「ず」は強調の接頭語です。「ず太い」「ずっこける」 などの「ず」も、「太い」「こける」を強調しています。濁らなくても「すばしっこい」「すっ飛ぶ」「素っ裸」なんかの「す」も強調の接頭語といえます。似たようなものに「ど」があります「度」です。「度肝を抜く」「ど根性」「ど派手」などの「ど」です。私の場合は図抜けてというより〈ドメンタル〉ですね、きっと」
「ちゅうことはナニかん。あれかん、あの子らは、ズズズー抜けやったんかいな」
「ええ、図の累乗でしょうね」
「しゃあかて、死なんでもエエのに」
「問題はその辺に在るンじゃないかとおもえます。つまり、ナニに対して〈死ななくてもイイ〉〈死ぬことはナイ〉〈死んではイケナイ〉と、いえばいいんでしょうか。ここらが反撃の難しさですね」
「ニイちゃん、きょうは賢いナ」
「私(たち)にいえることは、〈死んで欲しくはナイ〉くらいかなあ」
 院外処方箋薬局の入り口付近にしょぼ降る雨に、て、きょうは朝から秋晴れやで。オーイ太陽ていわんかいな、太陽に手え合わせてどうすんねん。

« 港町memory 145 | トップページ | 港町memory 147 »

暮らし」カテゴリの記事