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2020年10月

2020年10月30日 (金)

港町memory 149

港町memory 149

ワカラナイのは、この四年間のトランプ行政を観てきて、さて大統領選となったいま、バイデン有利といえど、それが僅差で幾らでも引っ繰り返る確率が高いということだ。もちろん、観てきたのは、アメリカ国民だ。私たちはナンニも出来ずワカラズで付き合わされてきたのに過ぎない。他国のことといえばそれまでだが。
私(たち)から観れば、よくもまあ、あんな大統領のもとで暮らしていけるなあとおもうのだが、暮らしていけるからトランプが大統領なので、かんがえてみても、トランプ以外の大統領で、誰か(日本をもちろん含めて)他国のために役立つことをやった大統領というのが、歴代に存在するだろうか。古くはレーガンの「アメリカは世界の警察だ」と、ジョークのようなものがあるが、その世界最大の軍事力で、覇権どころか君臨してきたのが米国なんだから。国連で核兵器所有が違法となったところで、それはまったく逆で、国連で採決すべきは、どの国も核兵器と同等の軍事兵器の所有を認可する、ではないのか。出来る出来ないヤルヤラナイはこのさい別のことだ。要するに気構え心意気ではないか。右も左も、一国資本主義も中華思想もナイ。いつだって巻き込まれて骸になるのは、市井の庶民大衆だ。
スイスにおいては憲法がどうであれ(この国の憲法は、国民の権利によって、いくらでも変更がきく。今まで140回の部分変更があった)次の暗黙の一言が自国民の覚悟の全てを語っている。
「我が国がもし、他国から侵略的攻撃を受けた場合、我が国は、その国等に対しては同等の報復を行う用意がある」
世界最新の軍需産業国がスイスだということは、知る人ぞ知ることで、核兵器を所有しない理由の一つは、同等(もしくはそれ以上)の、最新兵器の所有が成っているということだ。
スイスは大戦中、『第三の男』がいうように「鳩時計」だけを造っていたワケではナイのだ。仕返し、意趣返し、復讐の殺し合いからは何も生まれない。アタリマエだ。アタリマエだが、前田のクラッカーは売れたのだ。唐獅子を血に染めて「親分さん、死んで貰いますっ」の健さんだって現実の死に際はみっともなかったが、スクリーンでは大いに泣かせてくれたではないか。あの涙はウソかっ。暴力が悪いのではナイ。暴力団が悪いのだ。カミュの「反抗」と「長脇差(ドス)」のチガイは殆どありゃしない。
陰惨なハナシばかり思い詰めていても仕方ない。ちったあ明るいハナシもしておこう。日本の感染症センターは20年の歳月をかけて、インフルエンザの無毒ワクチンを完成させた。これは現存のウイルスを弱体化させた注射ワクチンのように、毒をもって毒を制する抗体製造タイプではなく、無毒、ウイルスの侵入を絶つタイプのもので、およそ三年程度で、現在のコロナワクチンにも応用出来る(うまくいけば接種出来る)ようだ。
「ほな、それ、買うて来(こ)。なんや、まだ売ってへんのか」
院外処方箋薬局の入り口付近でラジオ体操をしているおばさんは、ケツを端折って、
「なんやまだ三年もアトのハナシかいな。わし、死んでるで」
その場にへたりこんだ。
「しかし、20年、なんでも20年ですよ。よく頑張ったとおもいます。このニュースを聞いて、私は涙しました」
と、ニイちゃんは、膝を折った。
地道にだ。とニイちゃんはおもう。正しさは煉瓦をつむごとき営為の中にしかナイ。あと四年は、おそらくトランプ政権が続くのだろうが(と、ニイちゃんは予想している)、けして永遠ではナイ。日本だとて、永遠の莫迦がのさばることもナイだろう。地道に生きて、地道に殺ればイイだけのことさ。ニイちゃんはキ的な笑いを院外処方箋薬局の入り口付近でラジオ体操をしているおばさんに投げかける。
こんな日もある院外処方箋薬局の入り口付近であった。

2020年10月27日 (火)

港町memory 148

ニイちゃんは鬱病だが、鬱疾患者の100人中100人(つまり100%ということだが)にすべて該てはまる症状、症例というか、心情、情況とはどんなものかというと、「いまの自己(自分)から逃げたい」、そう、まるで蝉の脱皮のようにだ。ここから演繹するに、よくdoctorの使う「心的要因(たとえば、失恋した)」とか「外的要因(たとえば、オートバイで事故って頭を打った)」とか「内的要因(たとえば、遺伝子の一部に欠陥がある)」とかは、帰納的に用いれば、鬱病と因果くらいならあるかも知れないが、そういうことがまったく無い鬱疾患者のほうが多い。
ヒトの死因を大雑把に分ければ三つになる。(自殺は除く)
・腫瘍・感染症・血管の損傷
だ。
鬱病は、もちろんそのどれにもアテハマラナイ。自殺を除いているからだが、鬱病になる要因(キッカケ)となると前述三つとも入ってしまうから、どれにもアテハマルともいえる。
双極性障害と鬱病とは、よく間違えられることがあるが(精神科医でもマチガエル。同じだと扱う精神科医もあるが)、たとえば双極性障害の有名人を羅列してみると、それはよくワカル。夏目漱石 宮沢賢治 太宰治 北杜夫 田宮二郎 中島らも、外国のほうになると、ヴィヴィアン・リー、 ジャン=クロード・ヴァン・ダム、 キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、マライア・キャリー。こんなふうに並べると、鬱病とはチガイがあるということはなんとなく納得出来る。たとえば、最近自死した三浦春馬や竹内結子の場合はこっちのほうだとおもわれる。双極性障害は、薬で抑制しやすいことが知られているが、鬱病は困ったもので、どんな薬が効くのか百人百様で、かつ加齢とともに症状に変化が出てくる。「いまの自分から逃げたい(認められない)」という本質は同じだが、ここに「いまの自分が何なのかワカラナイ」という錯乱が足し算される。言い換えれば、感情、行動のcontrolが難しい。それでもニイちゃんは、自動航行装置を会得してるので、早朝に覚醒して錯乱が始まっても、まずphysical(体温、血圧)を測定する。これが平均(異常はみられない)となると、鬱病の症状が突発しているということを認めざるを得ない。そうなると、自殺念慮と闘いつつ、時間が過ぎ行くのを(ニイちゃんは非時間論者なので、自身の重力の変容が収束するのを)待つ。つまり、ニイちゃんのかんがえに依ると、鬱病は時間的なものでなく空間的なものだ。ニイちゃんは「場の決壊」と称している。この「場」というのは「電磁場」の「場」と同じだ。つまり、鬱病は、心身のニュートン力学的な異常ではなく、量子力学的変容ということになる。(ニイちゃんは三日前にとりあえず脳のMRIを二年ぶりにヤったが、きれいなものだった。とかく、私たち人間は両方の力学を生きているので、仕方ない。すでに量子コンピュータが存在するのだから、量子というものも、身に近いものになってきた。量子コンピュータでつくられた暗号は絶対に解読不可能といわれているが、それなら、意味ナイじゃんということではナイ、暗号を途中で奪取しても意味ナイということで、それを解読する量子コンピュータでしか解読出来ないということだ。
鬱病はこの量子コンピュータの暗号と似ている。それほどキビシイものではナイが、解きにくさをたとえるならそんなところだろう。
ニイちゃんはとりあえず自動航行装置(のようなもの)を使っているが、加齢によって、これにも次第に頼れなくなってきた。特に感情の抑制が難しくなってきたのだが、他にいまのところ、ニイちゃんには方法はナイ。心身に働く重力をcontrolするにはどうすればイイか。目下のところニイちゃんの課題だ。加速度をさらにupするしかナイのだが、いま以上のGに耐えられるかどうか、院外処方箋薬局の入り口付近でおばさんはきょうもラジオ体操をしている。このひとにGは無い。しからば、ラジオ体操でもしてみるか。ニイちゃんは苦笑する。どこかの町で地回りなんかに因縁つけられて、「なんやねんおまえはっ」といわれても、「オレか、オレは用心(棒が無い)だ」というしかナイだろう。

2020年10月21日 (水)

港町memory 147

港町memory 147
「死なないようにするには、どうすればイイんでしょうか」
と、ニイちゃん、真面目(まめんもくとは読まない)な顔でおばさんをみた。
「ほんなもん、年の功ちゅうやっちゃ。なんぼでも教えたるがな。と、いうても、おばさんにワカルのは、あの歌手の女のこだけやな。春馬くんの心情はニイちゃん、あんたのほうがようワカっとるやろ。竹内結子さんはワカラン。生後八ヶ月の赤ン坊のこして母親が死ねるというのが、おばさんの世界ではワカラン。あんたもそやろワカランやろ。あんたはしかし、母親の愛情というのを知らんから、よけワカランわな」
「ほんで、いや、それで、/つのまいさ/くんは、ワカルんですか」
「あんたかて、ほぼワカッテるやろ」
「まあ、ほぼ、なら」
「あのこはなあ、遊ばなアカンかった。出来るだけヤンチャがエエけど、男はアカン。そやから博打や。それも、カジノはアカン。競馬か競艇あたりで、二泊三日勝負するちゅうのんが、あのこのphysicalにも良かったはずや。あのこはmentalだけで潰れたんやない。Physicalが壊れきっとるさかいにな、一仕事終わったらトンズラこいて、競艇にでも行けばよかった」
「二泊三日もですか」
「あんた、競艇の遊び方知らんなぁ。競艇は一日にしてならずもんや。一日はアカンねん。一日やとそこでガバっといくやろ。それはアカン。まず、一日めは船の走りを観る。そうしたらデータのちっこい新聞がもらえるやろ、乗り手の近況からエンジンの調子まで書いてある。そこからが船の走りをおもいだしながら推理や。これが、オモロイねんで競艇は。あんなもん水の上走るだけでアっというまやからな、勝負そのもんはあんましどうってことないねん。二日目もし12レースあったら8レースくらいをやってみる。掛け金の元手はきっちり決めておかなオモロサ半減やで。なんぼでも使うてエエ博打みたいなもんツマランさかいにな。まあ、5千円にしとこか。1レース千円でもええ。推理と現実のレースの賭け事やで。たぶん、多くても2レースくらいは当たりやろ。そこでベンキョや。三日目もおんなじ。全部のレースをやったらアカン。それは瀕死の大食らいや。こでも8~10レースにしとくねん。前の晩は推理や。だいたい、そこで連単は決めといて、デモ・スタート観て、しかし、これはわざとが多いからそんなにアテにはならんけど、わりに当たることがアル。さあ、勝負や、なんぼ勝ってても最後のレースに全額突っ込んで、勝負すんのや。ぎょうさん負けても二日で二万円くらいやろ。こういうのをヤッタラ良かったんやけどな」
「つまり、他に勝負が出来る趣味を持てということですか」
「しゃあっ」
「競艇場には亡者がいっぱい転がっとるワ。赤エンピツ走らせとるワ。自分もおんなじや。このこの書いた歌詞、適当に出してきてみぃ、」
「たとえば、」
「みな、似たようなもんや。死にたがっとるワ」
「/もういいかな 心のこりも なくなっちゃった 若いままの私で 終えたいな/、はあん、なるほど」
「しかし、そんな程度の歌詞やら詩なら、ニイちゃん、あんたもようさん書いてるやろ」
「書いてますね」
「しゃあけど、死なへん。なんでや」
「それはっ」
「中島みゆき、やら、小泉キョンキョンもおんなじや。作品と自分とのstanceがワカっとる。あの太宰ですらそうやった。困った子は原口トーゾーのマザコンくらいかな。『108』ちゅうのんで、お釈迦様に文句たれとる歌詞もあるやろ」
「ああ、あります」
「世界が狭いねん。釈迦牟尼シッダルータかて、あそこに書かれてあるように、苦しかったんや。しゃあから修行みたいなややこしいことしよったんや。ほんで、悟ったか。そんなことワカルかいな。修行以外は作り話が多いさけな。達磨はもちっと賢かったな。それでも九年や。ほんでいいよった「壁は壁やなあ。アタリマエや」。樋口一葉は、病気さへせえへんかったら/奇蹟の十四ヶ月/もずんどこに伸びてたやろ。この歌手の女のこは一葉のように「私だけではナイ」という世間の悪所見物がでけへんかったのが不幸やったなあ。それとカラダはそんなに強うナイのに、無理しよったなあ。あら、突然死やのうて、疲労死やで」
 ニイちゃんはおもう。/願わくば花の下にて春死なん その如月の望月のころ/、そんなイイことがあるものか。/願わくば雪の降る日に我死なん その結晶のとけるごとくに/まあ、これくらいがサイコーだなあ。と、院外処方箋薬局の入り口付近ではなく、中からケケケケッと一瞬けたたましい笑い声がした。ちぇっ、笑われたか。ちょっとromanticに過ぎたからかなとニイちゃんは苦笑した。 

2020年10月20日 (火)

港町memory 146

突然のこと、ニイちゃんが歌いだした。院外処方箋薬局の入り口付近でラジオ体操をしているおばさんを尻目に。
η都会では自殺する若者が増えている 今朝きた新聞が~~
(と、歌うのをやめて、おばさんがズッコけたのも放っておいて)
「今朝きた新聞にはロック・グループ『赤い公園』の津野米咲(つの・まいさ)の自殺のことが載っていましたよ。傘なんてのは、コンビニ行けばタダで忘れ物の傘がいっぱいある世界なんです。やっぱり問題はきょうの雨ではなく傘が無いことでもなく、トランプ大統領は精神疾患だとこっそりいってるアメリカの精神科医のことでもなく、歌詞を書き、曲をつくり、歌う(春馬の場合は踊ってもいた)。そういう天才のアンテナが捉えた、かつenergy(エナジー)のあまりに鋭い世界の波動でしょう。彼らは反撃に移る前に、瞬時にヤラれたといっていいとおもいます」
「なんや、ニイちゃん、あんたもとうとうペテン(頭のこと)にきたんか」
「私は、精神科に通院してるんですけど」
「ああ、そやったなあ。キのつくひとヤったナ。やっぱし、そういうひとは、ハイシドウドウちゅうのんがわかるんか」
「私は天才じゃナイです。しかし、普通のヒトよりは同化能力が図抜けているので、それくらいはワカリマス」
「ズ抜け、やねんな。ずる剥けやのうて」
「ずぬけるの「抜ける」はワカリマス。「ず」は強調の接頭語です。「ず太い」「ずっこける」 などの「ず」も、「太い」「こける」を強調しています。濁らなくても「すばしっこい」「すっ飛ぶ」「素っ裸」なんかの「す」も強調の接頭語といえます。似たようなものに「ど」があります「度」です。「度肝を抜く」「ど根性」「ど派手」などの「ど」です。私の場合は図抜けてというより〈ドメンタル〉ですね、きっと」
「ちゅうことはナニかん。あれかん、あの子らは、ズズズー抜けやったんかいな」
「ええ、図の累乗でしょうね」
「しゃあかて、死なんでもエエのに」
「問題はその辺に在るンじゃないかとおもえます。つまり、ナニに対して〈死ななくてもイイ〉〈死ぬことはナイ〉〈死んではイケナイ〉と、いえばいいんでしょうか。ここらが反撃の難しさですね」
「ニイちゃん、きょうは賢いナ」
「私(たち)にいえることは、〈死んで欲しくはナイ〉くらいかなあ」
 院外処方箋薬局の入り口付近にしょぼ降る雨に、て、きょうは朝から秋晴れやで。オーイ太陽ていわんかいな、太陽に手え合わせてどうすんねん。

2020年10月19日 (月)

港町memory 145

まず、とある「明るいんっんっ」ニュースを紹介しておこう。ニイちゃんとおばさんが院外処方箋薬局の入り口付近でラジオ体操をしているうちに。
/新型コロナウイルスの感染爆発が起きたブラジルのマナウス地域で「集団免疫」ができ、流行が下火になったとする研究論文が発表された。/のだそうだ。9月に英医学誌ランセットに載った米国の透析患者の血液を解析した論文では、感染歴を示す抗体保有率は高い地域で27.6%、平均で9.3%だった。スウェーデン政府の調査ではストックホルムが12%だった。日本の調査では東京や大阪でも1%未満だった。そこへきて、マナウスでは「集団免疫」だ。つまり、ブラジルのマナウス地域では、/新型コロナでは基本再生産数が2.5だとすると、集団免疫閾(しきい)値は(1-1/2.5)x100 = 60%となり、6割の人が免疫を保持することが流行を止めるために必要であることが示唆されます。(宮坂昌之老師曰く)/ということが計算上起こったというのだ。/致死率や重症化率を下げる新型コロナのワクチンが確立しないままの集団免疫の獲得戦略は、大きな犠牲を払う恐れがある。/のだが、それが、現実のものになったということになる。/通常の風邪の原因となるコロナウイルスも再感染するが「感染のたびに抗体が増えて免疫が強化される。感染を重ねると症状が軽くなるか無症状になる」(国立感染症研究所の松山州徳室長)。/という御意見は、あくまで「通常の」という理(断り)がついている。事実、COVID-19にいたっては、再感染者の容態は一次感染のときよりも悪いのだ。このCOVID-19、ちょっと狡猾な上に戦略が巧妙だ。先に記した宮坂昌之老師の計算法からいけば、マナウスでは、六割を超える人々がすでに感染していることになる。そうしてめでたく「集団免疫」獲得なのだが、ここで、今一度、宮坂昌之老師のコトバをおもいだしてみよう。/今まで集団免疫は、獲得免疫の、しかも抗体というパラメーターだけを見て判断していましたが、私は、それは間違っているのではないかと思っています。/(パラメータとは特定の事象や対象や状況などを決定したり分類したりする助けとなる任意の特徴量を言う。つまり、パラメータは、状態や振る舞いの評価、条件の特定などに際して有用あるいは重大な役割を果たす要素となるものである)。
要するに単純に六割の人々の感染という危険な経過(パラメーター)を経て、マナウスでは「集団免疫」を得たというのは、やや早計であるし、ここでも計測の精度が問題になるはずだ。よって、単純に「明るいんっんっ」ニュース、と諸手を挙げるワケにはいかないだろう。
産学共同のワクチン、治療薬は足踏み状態だということは前述したとおりだしなあ。
いましばらくは、私たちはニイちゃんやおばさんのように院外処方箋薬局の入り口付近でラジオ体操をしつつ、このかなり手強いウイルスへの「反撃」をかんがえなければならないだろう。
「んで、でけんのかいな、反撃とかいうの。もう、わしはケツ割るで」
「とにかく恐いのは、〈油断〉と「連鎖被害」です。オレたちゃ、人類絶滅の現在(いま)を生きているんですから」
 と、また、ええカッコいうて、ニイちゃんは右膝関節炎、左膝半月帯断裂、右肘腱鞘炎、頸椎損傷の痛みに耐えて院外処方箋薬局の入り口付近でラジオ体操をなんでか、やってるのであった。痛いんやったらヤメえや。

2020年10月18日 (日)

港町memory 144

港町memory 144

きたかチョーさん、待ってたワケではナイけれど。
ニイちゃんは屈託した顔で院外処方箋薬局の入り口付近でラジオ体操をしているおばさんをみつめていた。
ニイちゃんの脳裏にあったのはCOVID-19の「連鎖被害」のことだ。そのなかでも、もっと忌避すべき「連鎖差別」というものだ。
/「この顔に、ピンと来たらコロナ注意! 今治で初コロナ感染」新型コロナウイルスの感染者を誹謗中傷するチラシをバラまいたとして、愛媛県今治市の古物買い取り会社代表の野間翔太(26)と自動車整備士の岡本賢矢(26)の両容疑者が13日、名誉毀損の疑いで県警今治署に逮捕された。/(アットニフティニュース)
こういう手合いには、COVID-19を肺いっぱい吸入させればイイのだ。
/実は公表の前日、感染者の陽性が判明した時点で、一部で男性の名前が特定され、情報が爆発的に広がっていた。「〇〇が飲みに行きました」と感染者が出入りしていたとされる飲食店約10軒がリストアップされ、LINEで拡散されていた(同)/
SNSに善悪などはナイ。SNSは拳銃ではナイといっているのと同じで、人を殺すためのアイテムではナイということだが、ヒトも人心も殺すことが出来る。
/現地で飲食店を営む店主がこう振り返る。「LINEが回ってきた途端、街から人の姿が消えました。リストに載っていたスナックはちょうど周年記念で、店の前に飾ってあった花とスタンドが何者かに倒された。嫌がらせや『感染者がいるのか』といった電話が100件以上かかってきたそうです。この辺りの売り上げは、軒並みダウンしました」・・・別の飲食店の経営者もこう嘆く。「被害者の方はうちのお客さんではなかったのに、リストに載っていたため、直後から予約のキャンセルが相次ぎました。何の連絡もなく来なかったお客さんや無言電話もありました。狭い街ですから、すぐにSNSで噂が広まりました」/
これらは、「連鎖被害」の、直接被害からの深化、あるいは拡張していく〈関係の確率性〉の誤解(関係のナイものをさも関係があるかのように結びつける)のprocessを目の当たりに描いている。/『感染者がいるのか』といった電話が100件/は、やがて、「感染者と接触したものはいるのか」「感染者の友人はっ」「勤め先は」となり、「結婚はゆるせません。あの家の親戚には感染者が出たんですよ」と、かつての被差別部落民差別と似たようなchartとなる。私の祖母は京都の被差別部落出身者だったが、なにかの理由で日本から脱出しなければならないまでになった。(積極的に出たのかも知れないが)戦前のことゆえ、それが合法的な移民だったのかどうか、ワカラナイのだが、かのマレーの虎ハリマオと一緒に馬賊をやっていたらしく、ハリマオ捕縛投獄のあたりで帰国している。
と、そこまでニイちゃんの脳裏がハナシを広げていたかは別にして、
「うっとこは親戚縁者ちゅうのが多いねん、ほんなもん、誰かは感染しとるわ。ついでやさかいにラジオ体操第二までいっとこけ、と」
おばさんは、カラダ全体を使うわけではないので、手足を蛸みたいに動かして盆踊りしているかのようにみえる。おばさんくらいの年代のものは、ラジオ体操とは縁が深いのだ。そもそもラジオ体操は、帝国海軍において基礎体力向上のために考案された。それが、庶民に降りてきた。従ってキチンとやると、けっこうキツイが、速く歩いたりジョギングだったり、ジムだったり、岩盤浴だったり、ヨガだったり、スクワットだったり、なんかよりはほんとうは安全で効果があるのだ。「ゆっくり大きく、正しく」身体を動かすことが基本だからだ。そうして、この体操はそれがそのとおりに行われているかどうかが一目でワカル。この体操は、正しくヤルと、/動きが美しい/のだ。
おばさんの泥鰌すくい程度ではどうにもならないが、気休めもまたmentalにはタイセツだろう。
ニイちゃんはおもう。
「COVID-19に追われている。それが現在(いま)なら、ジョン・ウィックのように、追ってくる敵に対して出来るのは、同等の〈反撃〉、だな」
ニイちゃんは、スグに格好イイ妄想に陥るからナ。ジョン・ウィックが院外処方箋薬局の入り口付近でウロウロするかいな、ほんまに。
「攻撃は最大の防御なり、というのは、あれは囲碁の格言に過ぎない。そんなことを知っているのは、囲碁ファンの中でも少ない。まるで『孫子』に出てくるような格言だからな。けれど、『孫子』には、それと逆のことなら述べられている。なんだったかな、孫子の兵法には、「攻撃は・・」なんてことはいわれていない。その代わり、守備、守ることのタイセツさはあったとおもう。COVID-19から、心身を守る。防衛戦だ」
ニイちゃんは院外処方箋薬局の入り口付近でラジオ体操を始めた。ただし、おばさんよりは正確な。せめてブロガーの祖母くらいには/恐れず侮らず/の防御にはなるかもしれない・・・かな。

2020年10月14日 (水)

港町memory 143

ある意味では(というのも、免疫学者の予想ではそうなるのでは、という見識が多かった)予想通りの展開になってきた。
・米製薬大手イーライ・リリーが開発中の新型コロナウイルス抗体薬について、臨床試験(治験)を一時中断した。
・12日にジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が新型コロナワクチンの最終段階の治験を一時中断したと発表した。
・9月上旬にも、英製薬大手アストラゼネカが新型コロナワクチンの治験を中断。
・米ネバダ大の研究チームが、米西部ネバダ州の25歳男性が新型コロナウイルスに再感染したと発表した。研究チームが1回目と2回目の陽性時のウイルスを比較したところ、異なる系統の遺伝子を持つウイルスに感染していた。
・再感染が生じたとされる国・地域は世界で5例目という。人口の大部分が感染して免疫を得る「集団免疫」戦略に疑問符がついた格好だ。つまり、WHOの「人口の六割感染で、集団免疫」は、ここで吹っ飛んだ。(この理論のマチガイは、流行の第一波でとっくに否定されている)。

院外処方箋薬局の入り口付近。
「つまり、ニイちゃん、いま、サイコーにノーテンキなのは、アメリカ大統領のトランプやな。なんや、自分、治ったさけ、自分が治ったクスリをみんなに分けたる(もちろん、一票いれたらやろけどナ)いうとるで」
なるほど、おばさんのいうとおりかも知れないな、とニイちゃんは沈む夕陽に照らされていた。昇る夕陽など無いのに。
「ほんでなあ、ニイちゃん、どうなんねん。もうオワリか」
「えっ、ああ、COVID-19ですか。まだ始まったばかりですから、要するに功を焦った結果じゃないですかね。下手な鉄砲も数撃てば当たる、はずが、ことごとく外れたけれど、ここは慎重にというところで留まったというのは医学としてはイイことだとおもいますよ」
「トランプはどないなんやろな。ほんまに治ったんかいな」
「あんなもんは、政治の領域ですから、医学とはなんの関係もナイとおもいます。せいぜい、トランプの血清治療とか、やったらいいんです。前回の大統領選挙のとき、敗れた候補者のヒラリー・クリントン女史は、オバマさんに、こういったらしいです。/私は敗れたが、中国に負けたワケではナイ。アメリカには「神」が在る。中国にあるのは「権力」と「経済」だけだ。神の無い国がアメリカに勝てるワケはナイでしょう/。とは、いうものの、アメリカの「神」が、まあ、トランプを観ていたら、どんなものかよくワカルわけですから、中国は半世紀先には米国と拮抗くらいにまでは勢力を持つでしょう。それから、そのうちトランプは「私は神だ」といいだすのに決まっています」
「ほなら、今度の選挙、トランプ勝つんか」
「勝つというより負けない手だては幾つも使うでしょう」
「なんや、それ」
「無効票で、裁判とかね。そいで、私は神だから、米国大統領は永遠に私だとか、もう、あのひと、キの字入ってますから」
「そんな悠長なことしててええんかいな」
「ひょっとすると、南北戦争以来の内戦になるかも知れませんね。アメリカの憲法はそれを認めていますから」
「そこで中華ラーメンの高笑いか」
「中華は、もう地球上の戦略は全て立て終わったので、次は月面狙いに移行してるでしょう」
「えっ、月、行くのギョーザ」
「資源、豊富ですから。まず、tenantを月面に打ち込んで、ここは中華のもんやっ、とかいうんじゃナイかな。要するに、いまの暴力団の縄張り争いと同じ方法。これを『ハーロック』の、とはいいたくない。あの漫画家の作品の中では唯一好きな作品ですから」
「まあ、わしらは、生きていてもアト3~5年が精一杯や。これからの若いヒトは苦労やなあ」
「ともかく民主主義は10年以内にオワリますね。敗戦です。これからは独裁が有利だと、菅総理も気づいているでしょうから、日本もキビシクなるでしょうね。ともかく権力の名にかけてですね、菅総理が在任中にヤルことは、憲法改定だとおもいます。日本は法治国家になりますね」
「法治国家ならええやんけ」
「法が権力を持つんですよ。法に治められるんですぜ。その傾向は昨今、あからさまになってきてますからね」
「あのな、わしな、ちょっと、院外処方箋薬局行ってくるワ」
 いうとおばさんは、院外処方箋薬局の入り口付近でラジオ体操を始めた。ニイちゃんはこうおもっていた。/首都直下、富士山噴火、南海トラフ地震、何か起こらないことには、どうにもならんな/

2020年10月10日 (土)

港町memory 142

「私は非時間論者ですから、〈終り〉とか〈始まり〉はナイんです」
「なんや、どこに酒壜隠し持っとんねん」
「酔ってなんかいませんよ」
「ほんで、ヒジキがなんやて」
「COVID-19で世界の新しい時代が始まったとか、世界が終わるとか、とかは了解しないんです」
「えんえーっ、なんやようワカランなもう」
「ワカルようにいうと、良いワクチン、これは抗体寿命がせめては半年は在るものです。あるいはタミフル程度の治療薬が出来るまでには、アト2年はかかるだろうとかんがえてます。2年なんていうと、時間じゃないかといわれそうですが、それはニュートン力学的表現ではしょうがナイことです。具体的なことをいえば、マトモな演劇ができるようになるのは2023年からでしょう。アト2年は我慢、辛抱、忍耐がつづくとおもいます。それからシノギも。劇団にせよ、unitにせよ、produceにせよ、劇場側にせよ、それは覚悟というより諦念しなければならないでしょう。
マスコミ報道は、演劇集団の集団感染にすぐ飛びつきます。底の浅い、裏の薄い調査、見識、表の感覚だけでの、マス・イメージです。こういうものは切り貼りですぐに出来上がります。
何が関係の妄想性で紐付きになるのか、見当もつかない。しかし、カンブリア紀の大絶滅のようなことが起こらないように、ヒトは死ぬのです。血と遺伝子を固定化しない。定型させない。もし、ヒトが死ななければ、自然免疫機能は破壊され、やがて、同種のものが一斉に絶滅する危機がやってくる。そうならぬようにヒトは死ぬように出来ている。/ヒトの死はけして無駄ではナイ/のです。これが子孫を残すというほんとうの意味です。子孫を残すということは、ほんとうは希望を残すということでなければなりません。ヒトの死は希望なのです。
いっときの悲しみや苦しみに欺かれててはいけない。騙されてはいけない。攪乱されてはいけない。錯覚してはいけない。
ニュートン力学的表現だけが、ヒトの姿ではないのです。私たちはこの宇宙の一部であり、宇宙と関係するものであり、そうして宇宙全体と同じものなのです。ありきたりなことをいってしまいますが、私は希望の価値を信じます」
いうとニイちゃんは、その場に崩れた。
おばさんは慌てて院外処方箋薬局の入り口に走った。走ってどうなるねん。

2020年10月 8日 (木)

港町memory 141

「缶ビール片手に院外処方箋薬局の入り口付近でクスリ待ちしてるひとなんて、おばさんだけですよ」
「まあ、ええがな。もう秒読みやからなあ、処方薬は義理や。要するに、いまの内閣と一緒やな。ほんなもん、いっときの天下取りやさかいにな。デジタル庁を強化するたら、だいたい、そういうこというてることがもう時代遅れやちゅうのんが、ワカッテへんなあ。学術会議たらなんたら六人ほどアカンいうたらしいけど、学問の自由みたいなもんと関係あんのかいな。あんのやったら、そこんところを野党も攻めなアカンねんけど、野党は学問ナイのかアルのか、質疑も答弁も、なんの具体性もあらへん。そらな、与党がマトモに応えへんのはのっけの承知やろ。あのな、国民の、というか、わしなんか、そんなんが公務員やということ知らんかったワ。ほら、コムインやめさせられたら、食うていけへんからな。コムインで教授とか、ヨウワカランねんけど、そういう両刀というか、たしか、コムインて他に仕事持ったらアカンと聞いたんやけどな。まあ、なんでもかんでも銭ちゃうんか。菅総理は叩き上げやろ、ホイホイホイで塾で大学行って、シャボン玉ホリデーで教授になって、みたいなセンセの学問の自由みたいなもん、うちかて知らんワ。なんの研究してはんねん。いちいち「こういう学問してんねんけど、外されました」ていうたらええやんけ。ニイちゃん、あんたら芝居もんもよういわれたんとちゃうのか。/好きなことしてるんやからな、エエな。好きやからこそ出来るんやな/どやっ、いわれたやろ。あれはほめ言葉やナイくらい知ってるやろ。ひとが真面目に働いてんのに遊びくさっていわれてたんやで。ほやから、不要不急やねんで。この世の中、世間はな、/好きなことしてたら/アカンようになっとんねんで。さらにや、さらに/好きなことして/ほんで銭クレは、アカンねん。ほんなもん学問の自由たらと、なんの関係もナイねん。缶ビール片手のクスリ待ちとおんなじやねんで。あのな、いまの世界はいうてみたら「戦国時代」や。下克上ちゅうやっちゃ。なんど手柄とらな、何いうてもアカンわ。学問の自由を保証するのに銭クレみたいなもん、通るかいな。いまの総理大臣が、任命権があんねんやったら、任命したないんやったら、ヤメで、ええねん。いまの政治に都合の悪い学問みたいなもんしてもろたら困るに決まっとるやんけ。判事やったか、なんやったか、賭麻雀でやめさせられるんやで。麻雀と裁判とどこが関係あんねん。被疑者にリーチかけるんか。ニイちゃん、あんたもわしも、そう長いことこんな世間に付き合わんでもエエのだけが、不幸中の幸いやなあ。ニイちゃん、ほんで、うつ病て一日にニイちゃん、何回くらい自殺しとなんねん」
「おばさん、酔っぱらってようしゃべりましたね。うつ病でもどんな病気でも死んだら治りませんよ。生きていても治らんのですけど。治らないということで諦めるしかありませんね。私なんかは、そうね、自殺したくなるたびに、死んでも治らんぜ、と、そういいきかせますけど。まあ、せいぜい壊れきるまで使って、動かなくなったら、オワリでいいんじないでしょうか。演劇、不要不急、けっこうですね。世の中に不要不急のもの、そんなにナイですよ。ですから絶滅希種でいいんじゃナイですか。奇種でもイイですし」
おばさんが、少々自棄だったので、ニイちゃんもちょっとむくれた院外処方箋薬局の入り口付近だった。

2020年10月 1日 (木)

港町memory 140

港町memory 140

「おひさしぶりやんけ、ニイちゃんほいほいと」
おばさんはえらくご陽気に院外処方箋薬局の入り口付近に現れた。ニイちゃんは最近うつ病の症状がひどいので屈託している。
「どうしたんですか、ご機嫌ですね」
「なんやな、あれ、テレビで、ワクチン出来たいうとったんや。テレビ。COVID-19オワリやで」
「そうですか、ほんとなら嬉しいですね」
「ほんでな、ここの院外処方箋薬局にワクチン売ってへんかいなと、ノゾキに来たんや」
「ワクチンは治療薬じゃナイですよ」
「ほな、なんやねん。犀とカインとアベルとかいうのがそれか」
「サイトカインは免疫系を機能させる情報伝達物質の一種です。
「そうしたらあれけ、マックロファー爺、け」
「マクロファージはたしかにキラーT細胞のように侵入異物を殺しますが、白血球の一種ですね」
「ほんなら、ワクチンてなんやねん」
「〈獲得免疫〉を人工的につくったもんでしょ」
「獲得メン駅て、あれか、各停が停車する駅か」
「〈自然免疫〉もあるんです。どちらも身体の中で抗体・・・異物を抵抗殺傷する作用素、機能、このばあい「体」なので、抗体とは免疫によってつくりだされた身体のメカニズム機能と、簡単に覚えておけばイイとおもう・・・になるもんですけど」
「あっ、聞いたことがあるわ。集団免疫とかいうアレやろ。アレはユングのいう集団的無意識と関係あんのか、ニイちゃん」
おばさんは、いきなり賢くなる妄想性躁病だとかいってたなと、ニイちゃんはぼんやり記憶を辿った。
「ユングとは関係ナイですね。集団免疫というのは、うーんと、免疫学の宮坂昌之老師がいうには、/ウイルスに対するからだの防御というのは、獲得免疫だけが規定しているのではなくて、われわれの免疫は自然免疫と獲得免疫の2段構えになっている。自然免疫が強かったら獲得免疫が働かなくたってウイルスを撃退できる可能性がある。自然免疫だけでウイルスを撃退することもあるから、抗体の量や陽性率だけを見ていても集団免疫ができているかは判断できない可能性がある。今回はそういうことが起きているのかも/とおっしゃってますね」
「あら、ま、そんなんがあんのかいな」
「あっても、抗体の中には、善玉と悪玉と役なしの三つがあって、今度のCOVID-19にはこの三種類とも出来てしまうらしいです」
「つまり、要らんもんも出来る」
「というか、逆にキケンなものも出来るということですね」
「そやけど、人工ワクチンには、そんなんナイやろ。それは、COVID-19の獲得免疫各駅停車のハナシやろ」
「私は前々から不思議におもっていたんですが、クルーズ船みたいな密の濃いところで、たとえばWHOなんかがいうように人口の60%が感染しないと、獲得免疫は出来ない理論が、ぜんぜん通用していないことです。WHOの理屈は、いったように「集団の6割程度の人が免疫を保持することが流行を止めるために必要である」です。実際にそうなってないんです。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で感染した人は全体の2割程度でした。集団の6割も感染をするようなことは観察されていません。つまり、多くの人は感染が成立する前にウイルスを撃退したとのかも知れないんです。
いい方を変えると、この集団免疫の考え方では「われわれはこのウイルスに対して免疫を持たないので、無防備の状態で感染が広がると人口の60%ぐらいの人たちが感染する」になります。実際、イギリスのファーガソン教授もスウェーデンの疫学者アンデシュ・テグネル氏も、さらには厚生労働省クラスター対策班の北海道大学大学院、西浦博教授もこの数字を挙げていました(2020/05)。しかし、この仮定は違うのではないかと免疫学の宮坂昌之老師は述べています。私もそうおもいます。それで納得してます。なぜなら、このようなことは発生地とされている武漢市でも、大密室殺人事件ダイヤモンド・プリンセスでも起こってナイからです。これはスペインでもイタリアでも起きてナイんです。
さらに宮坂老師が述べてらっしゃることを、私の記憶で復唱すれば、
/新型コロナウイルスは抗体のつくり方が弱くて、タイミングも遅い。抗体だけ測っていて良いのか。抗体検査による陽性率は、誰が測定するのか、サンプルの保存の仕方にもよるが、PCR検査の陽性率から見ると、東京では10%を切っているようだ。あれほどPCR検査を実施しているドイツでも陽性率は6%ぐらい。100人で6人ぐらいだ。このことを考えると、おそらく東京でも感染者は100人に数人かそれ以下になる。つまりCOVID-19のウイルスが起こす免疫はあまり高くなく、持続も短いようなので、免疫学者の目から見る限り、集団の60%もが免疫を獲得するような状況は、余程良いワクチンが出てこない限り起こり得ない/」
「なんど、そないなええワクチン売ってないか、いてみてこ」
おばさんは、ニイちゃんのハナシを聴くや、陽気さも薄れ、ご機嫌でもなくなって、院外処方箋薬局の入り口付近でラジオ体操を始めた。ニイちゃんは、「一寸一休」の重複になったなあと、また、うつ病の容態を悪くして、その場にへたり込んだ。あのな、早いとこ、院外処方箋薬局に行って、クスリもらえちゅうねん。

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