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2020年7月30日 (木)

港町memory 128

「うーん、うーん」
おばさんは、コロナ(COVID-19)のハナシをしようとしている。
「あっ、おもいだした。気がついた。そやそや、前から不思議におもてたんやけどな、毎日々々感染者発表して、そうすると、どんどん陽性のもんが増えていってるみたいにおもうやんけ。それな、おかしおもわへんっ」
院外処方箋薬局の入り口付近で、いつもどうして中に入らないのかのほうが奇怪しいワ。
「たとえば、たとえばやで、名古屋市のな、陽性のひとが、まあ10万人おるとするわナ。たとえばや」
「ええ」
「そうすっとな、毎日〇百人ずつ発表やとな、もとから10万人おるんやから、その中から〇百人分数えてるだけで、別に陽性のひとが増えてきている、とはいえへんのちゃうか」
「なるほど、そうですね。東京なんか、1400万人ですから、WHO基準でいくと、700万人陽性にならないと獲得抗体が出来ない。名古屋市の人口は、」
「230万や。よう知ってるやろ。もう八十年以上生きてるとワカルねん」
どうしたらワカルのかはおいといて。
「名古屋市は120万人で獲得抗体になるとして、そういうもんがともかくは出てきていないので、それ以下、たとえば、これも三割程度の35万人がすでに陽性だとして、それをP検査して、百人~二百人毎日発表して、感染者が増えていっているとはいえませんよね。いまが1462人か。35万人にはほど遠い。つまりはパイの欠片の発表ですね」
「ほんなもん、発表までに治っとるヤツかておるワ」
「再生産者数が低いし、死亡者も少ないし、要するに、」
「いつもいうてるのと、おんなじヤ。途中はどないなっとんねん、ちゅうこっちゃ。どうなったら、退院させんねん、ちゅうこっちゃ」
私の知人の映画監督は、イベンターが闇雲に悪くいわれるようになってから、何処でどのように仕入れているのか、その日の感染者名簿までつくりだした。すると、やはりなんのことはない。イベント関係よりも、多いのは、夜の街でもなく、ごく普通のひとの集まるところで、たとえば郵便局や銀行なのだ。ここは、アクリル遮蔽板はあるにはあるが、私、10分ほど見学していたところ、ヒトの習慣とはコワイもんで、わざわざ、アクリル板を避けて、顔を横から突き出してハナシをするヒトのほうが多いのだ。聞こえない、聞き取れないとお互い困るだろうという、これも悲しき配慮なんだろう。たかに聞き取りにくいのも難儀だが、それはともかく、そいつは遮蔽して、銭が現金で素通りしていく。
院外処方箋薬局にも、この遮蔽番やビニール幕さへもあるが、おばさんは、それを捲り挙げて喋っていらっしゃる。
バチンコ屋の景品換金所のようにはいかないねえ。あるパチンコ店では、銭は紫外線消毒してらっしゃると聞いた。商売々々。


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