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2020年7月23日 (木)

港町memory 126

「あのなニイちゃん、ちょっと勘違いがあるんちゃうやろか、とおばさんおもうねん」
「コロナ(COVID-19)のですか」
「そや、このシリーズはそのシリーズやろ」
そうなのか。なんでもイイけど、わりと好評らしいから。
「なんの勘違いですか」
「あのな、毎日毎日、感染何人、陽性何人て、そればっかりやろ。かんがえてみぃ、わてらの中で、結核菌に感染してないヒト、すけないはずやで。ちゃうの」
「そらまあ、抗体があるということですから」
「たとえばやな、東京、300人感染出た、な、たとえば、や。ほんでも、無症状、軽症多かったら、そのヒトらすぐに治るやろ。ほんで、また感染や」
「つまり、おばさんのいいたいことというのは、感染と発症、罹患、はチガウということですね」
「そやんか。感染感染て、何べんも感染してるヒトと、初めてのヒトと分けて、初めての人を新感染いうの、どやろ。こだま、ひかり、のぞみ、ときて、次は[ころな]とかにすんねん」
「まあ、どういっても、イイですけど、当初いわれていた、国民の60%が感染しないと獲得免疫、抗体にはならないとかいうのはどうなったんでしょうね」
「ほんなこというんやったら、このコロナ(COVID-19)は感染力が弱いから、インフルエンザほど恐くはナイともトウショはいわれてたで。ほんでやな、感染したワ。それからアト、無症状、軽症なら、家でどないして治癒、治療するのんか。医薬品はドラッグスト屋で売ってるのんで、対症療法でエエのんか。どうなったら、救急車やねん。んで、どうなったら治るねん。陰性になった、しばらくおく、また陽性になる、また陰性、また陽性、陰性、陽性、これ、何回でOKやねん。簡易P検査機出ましたナ。よろしいな。いろんなもの計測出来る。あれで、勝手に自分で決めて、家か、ホテル収容所か、選ぶんか。一応、何処でうつされたかいわなアカンのケ」
「此度の、イケメン芝居、劇場が三密を注意していても、握手会したり、土産もん売ったりで、各地にCOVID-19が飛んだワケでしょ。それを観劇、演劇、劇場が悪もんのようにいわれているのは、ライブ・スタジオ・クラスターが落ち着いたら次はこっちか、みたいで、報道もどっかに悪もんつくらないとニュースにならないんでしょうねえ」
「それやったら、報道がいちばん黒いで。あのひとら、あちこち飛び回ってるやないか。べつに防護服着てるワケでもナイし、マイクて、あれウイルスべったりちゃうのん。わざわざ、テレビに映るときは、えらい離れてやるけど、放送終わったら仲間で口角泡を飛ばすてなもんやろ三度笠」
「ともかく、劇場、演劇、観劇の誤解、誤謬はなくしたい。しかし、無観客公演も、スカ屁みたいでイヤですね。オンライン配信とかも、撮り方次第だとおもうんです。臨場感の出し方をこれまでと同じ要領でヤってたらアカンとはおもいます。演劇人、私を含めて賢そうでアホ多いから、〔リーディング〕とかいうのも、朗読とどこがチガウのかと、〔リーディング〕なら、それなりの技巧、工夫があって然るべきと、なんべんも書いたり喋ったりしたんですけど、聞く耳もってくれるひとはおらんかったなあ」
既視感というより、既喋り感がした。
「なんかなあ、ニイちゃん、もう全員感染でエエんちゃうか。ブラジルみたいな自棄やのうて、軽く感染みな安心や。/罹って治そうみなコロナ/こういう標語でエエやろ。そや、 軽症感染薬てナイのかいな。ちょっと聞いてこ。ちょっとおおおっ、軽う、コロナ(COVID-19)に陽性になるクスリ売ってへんのかぁ。寝込まんでもエエくらいの。うつしてもエエくらいのっ」
おばさんは、叫びながら、院外処方箋薬局へ飛び込んで行った。

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