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2020年7月 8日 (水)

港町memory 119

そぞろ雨降る、院外薬局の玄関口、傘さしながら。
「なんや知らん、酷い雨やなあ。九州なんか毎年ちゃうか」
「そんなふうに感じますね」
「ガス、水道止まった、停電や、コロナ禍でボランティア来てくれへん、避難所もコロナやろ。新聞やらネットではきれいな避難所、整った避難所ばっかり映すけど、あんなんあんまり無いんやろなあ」
「そうでしょうねえ」
「これからは、毎年、こんなんやろなあ」
「だとおもいますよ。氷河期始まってますから。けど、ガス、水道、電気ナシ、救急車なんざ生涯観ることもナシ、食料備蓄聞いたことなし。これ、いま世界は七十七億の人間いますけど、2050年には98億人になると予測されていますが、世界の飢餓人口は8億2160万人。9人に1人が飢餓になるといわれていますね」
「気象変動で穀物がとれへんねんな」
「そうでもナイんです。毎年世界では、約26億トン(国連食糧農業機関(FAO)2017‐2018概算値/2019年)の穀物が生産されていて、もしこれが世界に住む77億人に平等に分配されていれば、1人当たり年間340キログラム以上食べられることになります。日本人が実際に食べている穀物は、年間154キログラム(厚生労働省「国民健康・栄養調査(2017年)です。
「えっ、ほな、倍以上食えるやんか」
「いつだったか、そうそう、1993年に日本で起こった米騒動。冷夏による米の不足で困った日本が世界中から米を買ったことありましたね」
「ああ、あの不味い米なあ」
「けれども、日本がそれをヤったんで、穀物を輸入に頼る開発途上国は米を買えなくなり、飢餓に陥ったという報告もあります。これは資料が見当たらないんですが、ほんとうのことでしょう」
「ほんでニイちゃん、いいたいことは、なんや。ワカッとるで、おばさんには。こんなふうな災害後のような日常を毎日暮らしている人間は、世界に仰山おるいいたいんやろ。ニイちゃんはもう、なんにもでけへんくせに、humanistのふりだけはすんねんから」
「(無視して)2016年から2030年の間に、6,900万人の5歳未満児が亡くなります。これはもう始まっています」
「ニイちゃん、いまナンボくらい預貯金持ってンねん」
「およそ、1000万」
「よういうわ、そんだけ持ってて、世界の飢餓がどうの、子供の飢饉がどうの。その銭、ポンと寄附したらどうやねん」
「そうしたら、明日から、いや、今日午後から私が食っていけません。こういう院外処方箋薬局にクスリを貰いに来ることもでけません」
「やっぱ、みんな、自分大事やねんなあ。いや、そやろか。うーん、ようワカランわ。チガウよう気もすんねんけど、おばさんもな、不動産入れたら1億くらいはあるねんで。これでもすけないほうや。いまおばさんくらいになると、なんとまあ、平均二億やそうや。なんや投資とかでムシって儲けとるらしワ。冥途には持っていけへん、チンポコは勃たへん、オメコは濡れへん、そんなこと知ってるねんで。そやけどなあ、哀しいなあ、人間はなあ、歳とったら遠い親戚より近くの他人、近くの他人より、身近な銭、いうてなあ、これはもう人の業(ゴウ)やな。なんや知らんけど、ここでもらうクスリより、深夜の銭勘定のほうがよう効くワ。通帳とか観てな、「うふ、あるある」いうて、あっても、どないもならん、病気は治らんし、楽にもならん。死に銭やてワカッテんのに、持っててもしゃあないとはおもうねんけど、なんでやねんうっうっうっ」
1000万はちょっとoverに威張り過ぎたかなあ。ここ3年間低額所得者だったもんで、ひさしぶりに、今年は年収が350万以上(賞金含まず)になりそうなんで、ドヤといってはみたが、どっちみち紙切れやからなあ。
おばさんは、その場に泣き崩れてしまった。しかし、1億は多いなあ。ナンボかくれへんかなあ。くれたぶんは寄附してもええワ。

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