港町memory 115
「シンコロばんざいやで」
おばさんは、ほくそ笑んでいた。
「なんですか、きょうは」
「シンコロ(新型コロナの略らしい)はなあ、のちの世にコロナ革命と呼ばれるであろう。いままで余はおばさんのかっこうをしていたが、ほんとうは、世直し大明神の化身、シンコロ姉ちゃんなるぞ」
とうとう、来たなとおもった。こういうのは、こんな時代によく出るのだ、終戦後すぐに幾つもの新興宗教が生まれたのと同じだ。
「ばんざいですか」
「そうや。そうしてまだ終わってへんねんで」
「たしかに、まだですね」
「此度のコロナ禍は、全世界の首長の能力検定みたいなもんや。真の素顔が丸見えや。中華は、ともかく台湾みたいなもんに負けたらエライこっちゃとWHOに手をまわして、台湾の若き天才大臣の指摘を聞き流して、頬っかむりや。そんで一発切り換えで、最速ワクチン造って儲けたろいう路線や。ロシアは、内緒でコソコソと中華に頭下げて/ワクチンなあ、でけたら、頂戴ね。そうしたら僕は、犬のようにチンチンするで。ぼくちん、わくチン /ときた。ドイツはあれはあれで、日本と国民性はよく似てる。シンボや辛抱、全部閉じて、出るな入らせるな。ドイツが世界を二分する医学国家だということをおもいだせ。と、こうや。イギリス、なんとか踏ん張った。そうしたら、さっそく香港に向けて「俺んた国さ来(き)い、市民権あげるん」。余裕やなあ。もうちゃんと外の世界に目えむけとる。ニューヨーク市長、防護服と防護マスクと余所の州からかっぱらって、メディアが「市長、それは違憲、犯罪ですっ」といいよるのに「そんなら、俺を訴訟、起訴、なんでもしたらんかい」ああっ、ありし日の田宮二郎、鉄砲犬や。日本のgovernmentも立派や。国民にマスク二枚ずつ配って「今度のコロナはマスクでなおります」、そこへきて「みなさんに10万円ずつ差し上げます」(これは、いま現在7割以上に渡っていないっ)。大日本帝国のソフト化した精神論と、何でも銭さへヤったら喜びまっせ、の気構えは衰えてへん。おまえ、なんかしたか、日本人として」
「いや、予防に手洗いくらい。確かに、知事や市長は試されましたね。地味ですけど、私は愛知県の大村知事が「感染症は罹って治って罹ってと、」と、ここで、テレビではカットされてしまったんですが、あのアト「しながら、免疫抗体がつくられていくものだとおもっていますので、それまでの被害をどう抑えるかと・・・」と続いたらしいんですが、あんなところでカットされたので、「大村は知事としては論外」とかいわれたりしてましたね。けれども疫学的なかんがえは正しいとおもってます。それよりも、評判が落ちたときを狙ってrecallしようなどという連中が出てくるとはおもっていませんでした。あの烏合リコールのゴミ袋破りの中に名古屋市長の誰やったかも(名前すら忘れる瞬間初期老人性健忘症)いるんですが、例の韓国人少女慰安婦像展示問題のとき、あのひと、こういったと聞いてます。/これは日本の恥だ/だっとおもうんですが、以前のブログにも書いたんですけど、あれは/韓国人の恥だ/が文脈、論理でいくと正しいんじゃナイでしょうか。幼気(いたいけ⇒痛い気、が語源)な少女を性の奴隷とやらにされた韓国は、それはそれは恥ですよ。少女ひとり守れなかった。それをちゃんと韓国のガバメントは今更ながらですが、まあ、自国の憲法上、喧伝してるのに。日本のいまのJKなら、/おしっ、やったろやないかっ/いうて、股広げますよ。それも闘争でしょ、なんしろ戦時なんですから。時系列を錯綜させれば、現在、性病罹患率世界一を誇る日本JKの闘いのみせどころですね。日本のJK四~五人寄ったら中の一人は性病ですから。感染(うつ)しまくったれてなもんですね」
「ニイちゃん、あんた、ハナシが汚い。アホちゃうか」
「すんません、それで、なんでしたか」
「世界の表の皮やら顔が捲られて、素顔が出てきよったんや。だれがほんものか、ここは、見どころやねんで」
おばさんはコーフンしていた。
おそらく、〔作者〕が在るとして、その御方はいま鬱疾患の症状でたいへんなので、その一部のaggressiveが炸裂しているのだろう。
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