港町memory 114
港町memory 114
「ほんで、これからどないしたらええねん」
と、おばさんとニイちゃんのコロナ談義も煮詰まってきた。
「ハッキリさせなければならないモノ、コト、を、ハッキリさせればイイんですよ」
「頭痛にハッキリか」
「そんなコピーいまのひとは知りません」
「ほやからいうてるやないか、ナニをハッキリさせんねん」
「インバウンドを含めた、国民の抗体検査、これをヤルしか、他に手はナイと私はおもってます」
「なんや、どういうことすんねん」
「私たちにもポピュラーな、ツベルクリン検査と比較しながら私のかんがえを述べていきましょうか。これはBCGワクチンが自然免疫になっているとか、獲得免疫になるとかという論議とは別のハナシですからそこを混同しないで下さいナ。おばさん、子供の頃ツベルクリンやったことあるでしょう」
「やった、やった、あんたもやろ。あれなあ、赤うならんと、注射打たれるさかいになあ」
「反応で、赤くなる。あれ、ゲージ計測されましたよねえ。で、適度な大きさに赤くなっているとOKなんです」
「そやそや」
「ところで、あの場合のOKとはどういうことだったかというと、陽性だったか陰性だったか記憶してますか」
「えっ、陽性やとおもうけど」
「そうなんです。陽性なんです。で、陰性のものは結核菌を希釈したBCGワクチンを注射される、とこうでした。つまり、陽性になると良かったんです。ところが、PCR検査は陽性になると、コロナに感染だあっっっつって、自宅療養。自宅療養しているうちに酷くなって入院ということにもなる。かたほうは陽性が良く、かたほうは陽性が悪い。ここがこんがらがるところなんです。ツベルクリンの場合の反応における陽性は、体内に結核菌が部屋住しているので、結核罹患率はかなり低い。ところが、陰性は体内の結核菌が急ぎ旅でいないので結核罹患率が高い」
「そうすると、いまのコロナのP検と逆やな」
「逆ということでもないんです。ツベルクリンのほうは、あれは感染検査ではなくて、正確にいえば抗体検査です。そのヒトが抗体(免疫をもっているヒトを抗体と称する)かどうかを調べているんです。そこで、獲得免疫のハナシにもどしますてえーと、エンパイアステートビル。いまや悪名のほうが高くなりつつあるWHOでは、国民の50%が感染しないと獲得免疫は得られない。つまり、抗体は増えない。日本では諮問委員会(専門家会議)の報告が60%で、そうなると、COVID-19への罹患率はふつうのインフル並みにうんと下がる。日本の陽性率は、いまはだいたい20%くらいだといわれています。これは東京都でも東北でも同じです。なのに、中国、西欧、亜米利加のように爆発的なたいしたことにならなかった、これを日本ミステリというふうに他国はいってるんですすけどね」
「なんでやろねえ」
「これから私の述べるのは、〔とんでも理論〕なんですが、日本は抗体検査が始まったばかりですけど、おそらく抗体は60~80%くらいの数字を叩き出すとおもいます」
「あらま、いつの間に」
「たいていのヒトが、感染しちゃっているんです。つまり陽性になっているんです。しかし、軽症で済んで陰性になっている。で、また感染する。陰性ですから。この陰性⇒陽性⇒陰性が短期間で無症状のまま繰り返されて、獲得免疫を得て抗体となっていく。何故、軽症というより微々たる症状以下か無症状で済んだかは分子生物学あたりで研究されないとワカランとおもいます。おばさんにもワカリヤスクいば、日本人というのは種的には雑種民族なんです。血は混じり合うほど、皮膚の色は褐色から黒になっていきます。白人(この場合は米国人)が黒人を蔑視、差別するのは、ナチスのユダヤ嫌いと同じ。自分たちより血が(いまでいうなら遺伝子が)優秀だからです。潜在的劣等感と恐怖感を持ってるんでしょう。ですから、何かゲノム(生物のもつ全ての核酸上の遺伝情報)のうちにVirusに抵抗出来るものが交じっているのかも知れません」
喋っているあいだに、おばさんはいなくなっていた。
まあ、私自身もよくワカラナイが、日本ミステリは、獲得免疫と自然(自己)免疫の按配が良かった結果なんじゃねえかなと、くらいはおもっている。
« 港町memory 113 | トップページ | 港町memory 115 »
「暮らし」カテゴリの記事
- nostalgic narrative 34(2024.09.21)
- nostalgic narrative 32(2024.09.17)
- nostalgic narrative 30 (2024.08.25)
- nostalgic narrative 23(2024.05.19)
- nostalgic narrative 22(2024.05.16)