港町memory 44
落語『大言壮語』
「大言壮語」というコトバがございます。辞書に載っておりますとおりにいいますてえと、「おおげさに言うこと。できそうにもないことや威勢のいいことを言うこと。また、その言葉。▽「壮語」は威勢のよい言葉の意」になりますが、似たようなコトバに【針小棒大】てのもあります。「些細な物事を、おおげさに誇張して言うこと」ですな。同じようなコトバに 【狂言綺語】というのもあります。「道理に合わない言葉や、巧みに表面だけを飾った言葉」。さらに似たコトバといますと、【巧言令色】てのがある。「口先だけでうまいことを言ったり、うわべだけ愛想よくとりつくろったりすること」
こういう類のことが現実、世間で罷り通っている例というのもあります。
「日本年金機構」がお出しになっている「年金生活者を支援する給付金を受け取るためのお知らせ」というものでござんして、/このハガキは、あなたの年金に上乗せして支給される年金生活者を支援する給付金を受け取るための請求書です/とありますな。おまけに/年金生活者支援給付金は消費税引き上げ分を活用し、公的年金の収入金額や所得金額が一定基準以下の方に、生活の支援を図ることを目的として、年金に上乗せして支給するものです/とあります。
で、わたくしなんざ、老齢年金に年金基金をプラスしておりますので、いえいえ、収入なんざたいしたことはごさんせん。一度、低額所得者として6000円頂いたこともございますし、昨年は収入が少なくて、今年、市県民税は0でした。(プレミアム商品券なんざ、もらいまして、26000円のものかが2万円で買えるってんですが、その2万円が・・・)
で、いったい、いくら上乗せしてくれたんだい。
見込みだけどね、
いくらだい。
月額でね、
やっぱり1万円なんて高額にはならねえよな。
なかなかそうはいきません。
で、いくらだい。
これが〔170円〕。
えっ、それって、一日、いや時給とか、いや、おい、月に170円の上乗せなのっ。
そうでござんす。
年金生活者への支援なもんですから。
請求したら、170円貰えるの。
ええ、請求書のハガキを出さなきゃいけないんですが、
そんなの出すの。
で、このハガキ、日本郵便ですから、切手を貼らなきゃならないんです。
切手は63円するんでしょ。
そりゃまあ、タダで配達はしてくれません。
じゃあ、けっきょくナニ、差し引き100円そこそこか。
ところが、近所に郵便局がなくて、切手を買いに行くのにバスに乗ると片道で200円かかります。月額170円もらうのも道のりが遠いですナ。
けっきょく、何の支援なの。
こういうのを、なんつうか、大言壮語とかというんじゃナイんでしょうか。
いやあ、ちょっとそれはチガウとおもうなあ。
じゃあ、大原寒河(タイゲンソウゴ・広大な野に流れている河の水もけっこう冷たいの意)とでもいうんでしょうか。
語感からすれば、あたらずとも遠からずだナ。
まあ、落語にしてみりゃ、これだけのことですが、そういうものが封書で送られてきたんですけど、こういうものを扱うヒト(公務員でしょうけど)というのは、ほんとに〈正気〉なんですかね。まあ、世間では、「正気で公務員やってるヤツなんかいねえよ」ともいいますけど。
年金の諸問題は、私、いつも申しております。公務員の賃金を一割cutすればそれでカタがつくと。一割cutされても、ふつうのサラリーマンより高給取りなんですからねえ。退職金だって多いし。
毎年、確定申告するたんびにおもいますよ。この銭(税金)の48%が、公務員の賃金になるんだなあ。そりゃあ、世間の親は投資のつもりで、ガキ、いえお子さまを小学校から塾に通わせて、将来は立派な公務員にしたがるのも無理はねえな、と。
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