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2019年6月21日 (金)

港町memory 20

〔19〕が少々深刻めいたので、ちょっと、軽く飛ばしてみましょう。

私は、現在幾つもの病院を掛け持ち通院していますが、その一つ。自ら『クロマティ病院』と称している(これはcomic『魁 クロマティ高校』にその名前を由来します)ほぼ野戦病院の救急病院を兼ねた個人病院のこと。ここは、かつてテキ屋と暴力団の抗争で、ケガ人がニ十四時間あったものだから、設立されたという都市伝説を持っております。
ここの、医師と看護師を時代劇ふうに振り分けるとオモシロイ。
まず院長は旗本の次男坊だったのが、部屋住になるところを長男が若くして亡くなったために跡継ぎになって、こりゃ、死んだら損だなと蘭学、外科本道を始めたというふうで、剣の腕前は定かではナイ。まず、剣など抜かない。
副院長は、町道場の主といったところ。たいていのキッタハッタは彼が片付ける。剣の腕前はそこそこだが、町道場ゆえ、祿高の高いところの師弟には高く目録を売りつけているのではナイかとおもわれる。
女センセイは、父は博徒の大親分。関八州に睨みを利かしているようすだが、すでに二代目が継いでいるので、自らは好きな医学の道に進み婚期を逸した。部屋住の好いた相手があるにはある。部屋住ゆえ、嫁ぐこともできないでいるが、それはそれなりに、ほどほどの逢瀬はしているようだ。
Nurse・R、とある武家に勤めるお女中(女中頭(かしら)か、その次あたり)。その武家の長男を好いてはいたが、そこはそれ、家という問題があって、長男には別の武家から嫁が嫁いできた。とはいえ、双方とも煮え切らず、しかし御法度をおかす勇気もなく、時は過ぎ行く。
Nurse・M、大店のいとさん(とうさん・店の主人/・・の次女)。とうさんの友人(海運業)の薦めもあって、蘭学の療養所に務めに出ている。医学知識も広く、明るく闊達だが、療養所の若センセイに思い届かず、酒豪ゆえ、酒で憂さを晴らしている。
Nurse・Y、花街(かがい)の下働き。吉原のような大門ではなく、よって、忘八者の中に好いた男がいるというのでもなく、江戸の花街四宿(板橋・品川・新宿・千住)あたりでの寝食の世話係。何事にも無表情で、どぶ板長屋で母親と慎ましく暮らしている。ようにみえて、裏の稼業は仕事人。
Nurse・I、実は将軍家ゆかりの落とし胤。ワケあって(そりゃあ、ワケがあるのはアタリマエだが)、貧乏長屋に預けられ、そこから、やはり療養所のほうへ働きに出ている。Nurse・Mほどの医学知識はナイが、来院者の世話をしている。Nurse・Yとは打って変わって笑顔を絶やさぬ娘だが、宿痾を持っていて、先はそう長くはナイ。
Nurse・N、茶屋の娘。まったくの町娘だが、無垢と真面目とひとの良さから、不貞の族に手込めにされた経験があり、それがココロのしこりとなって、かつ、町人職人の陰の噂ともなって、嫁ぐことも許されず、終には尼となる道を選ぶ。ところが、宗派が浄土真宗だったので、住職とやがて縁を持つ。まあ、それくらいの功徳があってもいいだろう。
Nurse・F、町方同心の妻女。子息、子女に恵まれている。

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