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2019年6月 5日 (水)

港町memory 14

日本には銃刀法があって、まず、銃は猟銃を持つのにも認可が要る。拳銃なんてものは認可もへったくれも持てない。刀は真剣を持つのには認可が要る。余程の使い手でなければ認可されない。されたところで、おいそれとヒトを斬ることは出来ない。
ところが、(銃が裏では買えるのは例外として)刀剣とまではいかないが、包丁の類となると、その類を扱っている商店にいけば買える。昨今、平刃の菜っ切り包丁で賄いをしている台所の主婦なり、調理の出来る性別を問わずの輩はあまり多くはナイはずだ。たいていの家庭の厨房では〔鎌型〕と称されている牛刀の進化系を用いているとおもわれる。肉、野菜、刺し身もともかくそれなりに使い勝手がヨイ。普通の料理であれば、これ一本で間に合う。洋画ドラマ(映画)などを観ていると、台所包丁の種類の多さに感心することがあるが、日本人はおそらくそこまで不器用ではナイのだろう。
ところで、ですね。正夫(しょうぶ)という呼称が本式の柳刃と称されている包丁は、刺し身包丁なのですが、これは充分に武器になりますね。殺傷能力があります。斬るぶんには難点があるでしょうけど(刃の厚さから)、刺すとなると、殺せます。匕首なんか要りません。
最近の三つの事件のツナガリが、どうも世相の錯綜を招いているようで、不気味な感触を得ます。
まず、少女ひとりと青年ひとりが刺されて亡くなってます。もちろん、この二人を狙った事件ではなく、大量殺人の類の犠牲者が二人だったというワケなんですが、この事件(のニュース)を観た良識ある父親が、良識からハズレていると判断した実の息子を刺し殺しました。この場合の殺意は怨恨ではありません。集団殺傷事件(大量とは称さないことにします)の犯人の病歴がおそらく箝口令されているようなのですが、世間、庶民大衆はそんなにバカではありません。集団殺傷事件の犯人の〔像〕は、良識ある父親にはみえていたといってイイはずです。つまり、こういう連鎖というものもあるということです。この場合の連鎖は「包丁」という凶器です。
さて、その次の日、コンピュータ制御の自動運転列車が逆走して、重軽傷者が出た。
早いハナシ、三つとも、何処かが〔狂ってしまった〕連鎖としかいいようがナイ。
まず、コンピュータにせよ機械というものは、人工知能がどうのこうのと持て囃されていても、/正確に狂うもの/だと心得ておいてマチガイはナイでしょう。
また、狂気なき殺意も、一種の狂気であると分析出来るはずです。/あらゆる主観は、なんらかの狂気である/といったのは、フランスだかの思想家だったとおもいます。
問題は、事件の一つ一つにも存在はしているのですが、もっとも問題にすべきは〔連鎖〕です。この連鎖をもう少し深く探ってみます。これは気にし過ぎると、フロイト精神分析の〔関係妄想〕に入り込んでしまいます。その点は留意しておきます。
マスコミは震災以降、〔絆〕というコトバをやたらめったら放言して、世情を煽りました。「絆」という共同幻想が潜在的に蔓延っているのが現在かも知れません。とするとですね、そこからハズレてしまったもの(ヒト)、いまふうにいうとネグレクト(ここでは、本来の意味で用います。Neglect、「怠慢・粗略」「無視・軽視」)されたものが生じてくるのは論理的な帰結です。これに似たものに、かつては「村八分」というものがありました。まるで世相は、ネグレクトされたもの、包丁という凶器、ひともものも「狂う」という「三題噺」の連鎖が存在しているかのようです。さて、ほんとうにそうなんでしょうか。現在の世界には何らかの[操作](function)が刷り込まれいます。
私は〔絆〕を、意識的に或いはなんらかの政治的な運動として扱うのは危険だとおもいますし、血縁などというアプリオリなものを奉るのも好みません。そこからは「因果応報」という宿命論しか生まれてきません。「因果」は「連鎖」を宿命的に捉えたものですが、「連鎖」というものは、ほんとうはもっと/自然な現象/です(食物連鎖がそうです)。私たちはむしろ、絆という因果な連鎖からいったん飛び散って、単純な固有として覚醒したほうがイイとかんがえています。もし、飛び散ってもなお集まってしまうモノがあれば、自らを必要とするその重力のほうを信ずるべきです。『水滸伝』にしても『八犬伝』にしても、集まるべきものは集まるべくして集まるものです。
この観点から、私は、現行の〔国民=国家=政府〕という安直な図式を嫌います。この図式は縮小していけば、自治体と世間に及びます。図式だけの自治体の連携や、自治体と世帯のつながりなど、いまのところ、日米同盟の「同盟」のように信頼するに値するものではありません。

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