港町memory 7
/相対性理論とウラシマ効果/~何を勘違いしてしまうのか。
アインシュタインが特殊相対性理論、一般相対性理論、を発表、重力波の存在を予言してから100年余。そのてのガイドブックやら虎の巻本は数多、手を変え品を換え出版されていますが「これならワカル相対性理論」ふうなのを読んでも、たいていが「それでもワカラン」になっちまいますねえ。学問に王道はありませんから、手っとり早くてのは止したほうが宜しい。
とはいえ、今更もうどうでもイイやなら、それはそれでイイんです。そういうのなら黙していればイイだけのことです。
ところが、「これはオカシイではナイか」と相対性理論のマチガイやら矛盾を指摘する方がワリと在るんです。簡単な指摘ならむかしから有名と、いうか、たいてい持ち出される論法が「光速のすれ違い列車」です。
時速100㎞で走っている列車があります。これが上下線ですれ違う時の速度は時速200㎞になります。だったら光速で走っている列車を想定して、これをすれ違わせば、時速は光速の二倍になるんじゃないの、という論理です。
そうならないんですが、なんでそうならないのかが、納得出来ないんですナ。
もう少し凝った理屈に「巨大なハサミ」論法というのがあります。
これは/いま刃の部分を拡げられたハサミを想定して、交差しているところ・・・支点ですね・・・に近い部分に印をつける。光速で閉じていったら、刃先はその印の部分より長い距離を同時に動くので、光速より速く動いていることになる/という論理です。
なるほど理屈はそうです。
では、何故、それがマチガイなのかというと、実に単純なことなんです。
どちらも/[時間]というニュートン力学の概念をごくごく自然に論理に入れ込んでしまっている/、と、ただこれだけのことです。
長い連休でした。三日ほど旅をしました。
で、帰ってきて、ぼおっとするより、早く日常生活に戻りたかったので、いつものごとく思考の世界に閉じ籠もり、と、そうしまして、「相対性理論」について考えたのです。
(ほんとうは逆なんですけどね。ほんとうは/何故ニュートン力学世界が在るのか/について考えたんですけどネ)。
そこで、みなさん、お悩み(だろうとおもうんですけど、私も悩んだ経験があるからいってるだけなんですけど)の「ウラシマ効果」について、の、〔勘違い〕について解説、といいますか理屈をコネコネしてみます。
「ウラシマ効果」というのは/双子の兄弟がいる・・・姉妹でもイイ・・・片方が地球に残り、片方がロケットに乗って光速に近い速度で、ちょいと宇宙を一回りしてくる。地球時間で50年経ったとします。ロケットが帰って来る。地球の双子の片割れは五十歳、齢をとっている。もう頭髪薄く、あるいは老人になっているかも知れない。ところが、帰宅した片割れは光速に近いロケットに乗っていたので、加齢していない。むかしの若いママ。けれども、「相対性理論」なんだから、ロケットが光速で飛んでいるなら、相対的に地球だって、光速と同じ速さでロケットを離れていっているはずだから、片方だけが加齢しているのはオカシイではナイか/であります。はい、これも勘違い。ニュートン力学時間の忍び込みからきている勘違いなんです。
えーと、旅の疲れがとれるまで、ちょっとこのお話をつづけます。
では、また次回まで、つづく。
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