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2018年10月 3日 (水)

第二十七回

 さて、と。

 ここでご登場願うのは、あのお頭と手下。

「お、頭。白波の五人ですけど、派手な登場のワリには、なんだかアッというまに三人、簡単にヤられちゃいましたね」

「ふん、どうせ棄て駒よ」

「気分イイっすね」

「なんで、だ」

「かつては、おいらたちがいわれてきましたもんね。その棄て駒だかスメグマだか」

「臭いものと一緒にするな」

「でも、右近の使う技も、なかなか、なんだか、どうだか」

「何がいいたいのだ」

「いえいえ、なかなか破る方法がみつからねえなと、悔しいですね。イヒヒヒヒヒっと」

「悔しいことを笑いながらいうヤツがあるか」

「あの団 衣紋と菊間佐野介の二人もやっぱり」

「負けるとおもっているナ、おまえ」

「だって、団 衣紋は鎖鎌ですが、一度、右近に翻弄されてますし、菊間佐野介はいったいナニを使うんですかね」

「聞くところ、邯鄲の法らしい」

「簡単なものね。じゃあ、石を投げるとか」

「おまえ、ナニカ勘違いしておるんじゃナイか」

「そうすっかね」

「醤油かな」

「えっ」

「いや、おまえが、ソースかねと、いうたので、醤油かなと、gagをひとつ」

「へーえ、おっ頭がgagをねえ。ジロジロ」

「こら、ひとの顔をジロジロみるな」

 と、お頭が仏頂面になったところで、もう、退場願うことにする。

「しかし、おっ頭」

 ん、まだ退場しない。

「なんだ。まだ、何かいいたいことがあるのか」

「おらっちのrivalのあの赤毛結社の、一文字左近。あれも、強いんだか、ヘタレなんだかよくワカンナイっすね」

「権謀術策に長けていると、いえなくもナイ」

「それって、狡賢いってことでしょ。右近には叶わないと判断して、雇い主のほうを狙いに行くなんて」

「それも一策にはチガイナイ。しかし、わしが考えるに、あの一文字左近は、相当の使い手ではあるが、ちと、運がナイ」

「運が悪いんですか」

「闘い、争いごとには、〈武運〉というものが備わっているかどうかで、勝敗を分けることがある」

「ぶーん」

「殴るぞ、おまえ」

 いくら何でもここまでだろう。

 ところで、さすが、落ちぶれた(かどうかは、ワカラナイが)とはいえ、忍びの頭目、一文字左近の運の無さを見抜いてはいたのだ。

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