〔デン魔大戦編〕3
「何が来るって。何かが来るっていわなかったか」
「いいました」ハルちゃんレイさん。
「もう一度いってくれるとありがたいんだけどな」
「デンマ ガ キマス」もう一度いった。
「えらく素直というか、単純なヒト、いやヒトガタ形態の生物だな」
「デンマ ガ キマス」また、いった。
私とハルちゃんレイさんは顔をみあわせて首を傾げた。
「デンマとかが来るっていったよな」
「いいました。そう聞こえました」ハルちゃん。
「いいました。そう聞こえました」レイさん。
「いいよ、二人一緒で。ところで、デンマというのは、何」
「殆どマッサージには使われることのナイ、電動マッサージ機具のことではナイでしょうか」ハルちゃんレイさん。
「いわゆるあの電マなのっ」
「まず、マッサージには使われることのナイ、電動マッサージ機具のことだと思います」ハルちゃんレイさん。
「そんなものが、何処から、何のために来るのか。それが来たからどうなるのか。それとこの生命体との関係や如何に」
「そもそも、デンマというのが何なのかワカリマセン」ハルちゃんレイさん。
「だから、マッサージには使わない電動マッサージ機具なんでしょ」
「では、ナイような気がします」ハルちゃんレイさん。
「デンマ ガ キマス」
でも、来るっていってるから来るんだろう。
「ねえ、えーと、ワカンナイあなた。あなたは、何処から現れた、つまり、来たの」
そう問うと、人魚(というふうに面倒だからこれからはそう記す)は虚空をみつめながら、いや、空をみてキョロキョロとし始めた。
「何か、お探しですか」
「虚空ッテ、ドノ辺 カシラァァ、マエッ カシラァァ ミギッ」
さあ、知らんなあ。
「マア、イイか。ワタシ ハ 銀河連邦連合軍第二防衛軍団第15師団所属の特殊攻撃隊のモノです」
次第にコトバが流暢になってきた。流暢にはなってきたが、いっていることは、やはりワカラナイ。なんとなくSFふうなんだけど、そういうふうにすると、その方面に詳しい(つまりオタクとも呼ばれることもある)連中に失笑されるから、ヤ、なんだけど。
と、こういう情況、場面、になると忽然突然に姿を現すのに決まっている御仁がやはり姿をあらわした。
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