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2017年9月18日 (月)

〔デン魔大戦編〕4

「私、宇宙軍事研究家の増岡久蔵と申します。祖父方がドイツ、祖母方がフランスで、増岡久蔵というのは、あくまで日本においての名前で、本名、つまり実名、世界に通る名前ですが、これがちょっと長い。おそらくは一度では記憶しもらえないでしょうから、いいませんけど、いっておいたほうがいいのならいいますが、ともかく、年齢のほうからいいますと、今年、還暦です。性別はごらんのとおり男性で、同性愛者ではありませんから、伴侶があるのかというと、独身で、べつにモテなかったワケではナイのですが、まあ、それはいいとして、元々は軍事評論家だったのですが、地球の軍事はもうたいていのことはワカッテしまいましたので、現在は、宇宙のほうの軍事研究をしております」

「説明が長いは、おっさん」ハルちゃんレイさん。

「ほぉう、地球の軍事のほうはたいていワカッタのか。それはどういうことだ」

 聞き覚えのある声は土方だ。いつの間にか、宇宙軍事評論家のおっさんの後ろに、背後霊みたいな顔で立っている。

simulationを、し尽くした、ということです」

「なるほど、では、たとえば、」

 と、土方は私たちと、おっさんのあいだに割り込んだ。土方にとって、今のところ人魚はどうでもイイらしい。

「いま、日本と中国が戦争をしたらどうなるっ」

 土方は自分の質問に対しては、やや自嘲的のようだ。口元が笑っている。

「引き分け。と、いうのは、軍政上の定義にはアリマセンから、簡単に説明いたしますと、」

「ほんとに簡単にしてね」ハルちゃんレイさん。

「現況において、日中の軍事力は五分五分だというのが、分析の結果です」

 まさか、圧倒的に軍事費のチガイがあるのに。

 と、私と同じことを土方も思ったのだろう。怪訝という字を顔に描いた。

「ここではアメリカ合衆国は論外として頂きたい。通常兵器でアメリカを上回る軍事力を持つ国家はありません。だからこそ、米国に対抗するために、どこもかしこも核を保有したがるのです。しかし、核はもうすぐ無効化されます。これは、これまでの核抑止力で、という意味ではありません。もうすぐ実戦配備が可能な超電磁砲は、マッハ7の速度で、火薬を用いずに連射が可能。射程は200㎞ですから、たいていのICBMは地対空のこの兵器で打ち落とせます」

 SFじゃ、

「アリマセン。開発中のレーザー兵器は、ドナルド・レーガンのスター・ウォーズ計画からの夢でしたが、すでに実験に成功しております。これは艦艇に装着され、レーザー照射で、敵の空母の機能、つまり艦船発進着陸機能を破壊します。また、セカンド・ストライクの原潜ミサイルも撃ち落とせます。したがって、アメリカ合衆国の軍事力は論外なのです。で、ご質問の日中もし闘わばですが、陸上自衛隊、海上自衛隊の軍事力は、通常兵器においての戦闘力では、中華人民共和国を上回っております。つまり、米国を論外にすれば、世界一ということになります。航空自衛隊も、実力は世界第三位です。日本は、アメリカ合衆国の援助を頼まなくとも、中国には勝てるのです。ただし、中国には戦術核がありますし、現行のまま、南シナ海から太平洋へと、海軍の増強が進めば、五分五分です。どちらが勝っても不思議はナイ。しかし、日米の軍事同盟がある限り、日本の軍事力は無敵といってよろしい」

 無敵、がオレを呼んでいる。

 それで、アメちゃんと仲良くしてんだな。とはいえ、

「何故、軍隊と認識していない国民の中にあって、自衛隊には、そんな軍事力があるんだ」

 と、質問した。

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