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2017年9月14日 (木)

〔デン魔大戦編〕2

かくして、私は一句、一首、詠んでみるのだった。

 

 ふりかえると薔薇がみえる 失いしものばかり

目覚めれば、ここは何処だの朝のいっとき

「日暮れ道」という道 探してみたがみつからず

明日は明日の今日と同じ風が吹く街

あした食うレシピをメモに書くときに あした逢いたいひとの名も書く

生きて在るもの、逝ったもの、この紙一重の重力の流れ

 

 なんだか、夢の中にいるのに路頭に迷っている。路頭さへも焼失してしまったのだが。

とはいえ、まず、目の前に倒れている人魚をなんとかしよう。いつの間にか人魚が横たわっている。こんなことにはもう驚かなくなっている。夢だからな、と、自分にいうのもやめた。

「比目魚よりも、艶っぽくていいや」

ハルちゃん・レイさん「人魚に似てますね」

人魚だからだろ。人魚じゃナイのか。んっ、なるほど、乳首がナイ。というか、薄いスーツをまとっている。ナニよ、コレ。ともかくは、性別女性のようだけど。気絶しているのか、死んでいるのか。

「生きています」と、ハルちゃんレイさん。瞳孔と脈を診たようだ。

「水棲生命体じゃナイのか」

「鰓はありませんね」ハルちゃんレイさん。

 つまり、人魚じゃナイようだ。じゃあ、何だ。人魚みたいな、何だ。

「生きているのなら、この状態からして、死にそうだということなんだろうけど、どうすればイイかな。オレは人命救助とやらは、現実世界では二度ほど経験があるが」

 やってみるか。性別女性だし、美人だし、mouse and mouseの息の吹き込みが出来るという役得付きだ。

「ハルちゃん、レイさんは心臓マッサージ、私は息を吹き込む」

 と、missionして。やってみたら、

 数分後。人魚みたいな性別女性は眼を開けた。

「デンマ ガ キマス」

 と、息も絶え絶えではなく、発したコトバは、きっぱり、はっきり、機械音声の如くだ。

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