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2017年6月23日 (金)

千年医師と赤い天使

なんか調子こいて、きょうはサービスにもう一本。あのね、『千年医師物語 ペルシアの彼方へ』(詳細はネットで調べてね。何も私がわざわざここに書き写すこともナイと思うから。それとでんな、こういうところでも、イスラム攻撃はあるねんなと、ちょっとは思ったんですが、それを針小棒大とはいわんけど、そこをpickupして、この映画はウソと書いてるウェブもあったなあ。そういうことはどうでもエエねんけど)。んで、『赤い天使』(大映・196610月公開。増村保造監督(私、このひとのことはヤスゾーではなく、タモゾウさんと親しみと畏敬をこめて称しております。『兵隊やくざ』も撮れば、『陸軍中野学校』も撮っちゃう。前者は勝新太郎、後者は市川雷蔵、カツライスの黄金時代の名監督)原作が『兵隊やくざ』の有馬頼義。んで、なんつうても、主演の若尾文子。若尾文子さんは川島ダンナの『女は二度生まれる』がサイコーなんですが、こういう「芸術祭参加作品」にして「成人映画指定」というややこしい、リアルというより、グロに近い映画でも、屹立してはんねん。

『千年医師』が、医学の進歩と希望にあふれる映画なら、『赤い天使』は、戦時中の戦場の医療を描いていますから、厭戦映画。従って、医学もへったくれもナイ。軍医の外科医に「ここには治療などはナイ。カタワをつくっているだけだ。たまには治療のようなことをやらんとキチガイになってしまう」といわしめる、三分に一回カタワというせりふが出てくるスンゴイのなんの。オレなんか、110分のこの映画、二度、血圧アップで中断しつつ観たってんだから、もう。そういやねえ、私の祖母は、縁日で傷痍軍人をみかけると、「あんなもんニセモンや」と吐き棄てるようにいうてました。私の子供の頃には、まだいてはったんです。傷痍軍人のテキ屋。そう、テキ屋なんです。私、そのこと知ったのは、テキ屋のアルバイトをしたときですワ。「きょうは何すんねん」「きょうは、そやなあ、カタワでいきまっさ」「傷痍軍人かいな」で、テキ屋の親分さんが、白衣、帽子、包帯、松葉杖、アコーディオンなんてのを揃えて、「ほな、しっかりやりや」と、こういうもんなの。

ところで、なるほど、この映画の中のせりふにあるように、負け戦の野戦病院にクスリなんかナイから、手も足も切断しなければしょうがナイ。で、そういう兵隊は、内地に還れても、故郷の土を踏むことはナイ。特殊施設に死ぬまで軟禁状態となる。「そりゃあ、そうでしょう。私のような両腕のナイものが人目につくところに戻ったら、いっぺんに国民は戦争に嫌気を持つでしょう。ですから、内地に還っても、妻には逢えません」というせりふもある。で、こっからErosが始まり、それがTanatosになるのであります。

偶然に両方を日を置かずDVDで観たんですけど、『赤い天使』はフランスでは評価が高いんですが、日本ではイマイチ。日本人はこういうのは好みではナイということは、一目瞭然でして、若尾さん演じる従軍看護婦にしても、好みじゃナイでしょう。

オレ、思う。慰安婦がどうたらこうたらいうてる連中は、一度この『赤い天使』観てみはったらどない。あのな、「従軍」と付いたら、もう慰安婦も看護婦も掃除婦も一緒やで。

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