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2017年3月24日 (金)

最後の一匙

 

『四十九日のレシピ』(映画版・2014・永作博美主演)は、囲碁に例えるなら、ヨセ終盤までのリードを、たった一石で逆転され、コミ分が出せずに負けた、と、いうような印象の映画だった。囲碁ではそういうことがよく起こる。要するに「蟻の一穴、千丈の堤を破る」だ。原作にもあるのだろうけど、良平(石橋蓮司)の姉、珠子(淡路恵子)は、ホンの段階で落とせばよかったと思う。このキャラクターのinputoutputが仇になった。ほんとうに終盤アト10分までは、これも囲碁コトバでいう「勝ちました」だったんだけどなあ。

レンタルを観たアト、購入するかどうか、悩みに悩んだけど、けっきょく買った理由は、カメラアングルと、ワンカット、ワンカットの映像が、静止画としても美しいと感じたからだ。また、そのsceneにおける俳優の演技も実にイイのだ。ただ、主要なmotifとなっている、川の存在が、伸び悩んだまま一気に萎縮して、それまでのsequenceも凡庸なものに感じられてしまうという、ほんとうに惜しい映画だった。「四十九日のレシピ」はレシピの最後の一匙の匙加減を間違えたといってイイ。

ヒロインの永作博美は、この女優がキライ、イヤダというひとはいない、などと評価されているだけの、永遠の少女(童顔ということなんですけど)だが、演技の実力も、これまた誰しも認めるところだし、石橋蓮司の衰えを知らぬ名演技は、充分に納得がいくものだし、なんつうても、よくぞ、あの二階堂ふみという、熱演専門のアバズレをここまで、ゆるく演技させたという監督の演出はおみごとだった。ただ、珠子の淡路恵子に対する配慮と遠慮が、この映画の堤を崩してしまった。そやから、ホンの段階でなあ・・・、あのね、やっぱり、ホンは重要です。それを痛感しましたワ。

そういったプラスとマイナスからいろいろ勉強になりました。そんで、DVD買いました。

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