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2017年2月 1日 (水)

夢幻の函 Phantom share⑳

アリスの夢は不思議ではあるが、〔非-条理〕という条理が存在した。たとえば、チェスの枡目を一つ一つ進んでいくといったものだ。しかし、私の夢は〈飛躍〉しかナイ。私は自身の思惟活動の傾向を悔やんだ。夢の中だけではナイ。現世においても、私の思考や意思はともかく飛躍を好んだからな。乱調、「愚は乱調にアリ」、だ。

 とはいえ私は、蹂躙されているレイさんを救おうという気はまったくなかった。何故なら、犯されているレイさんのほうが積極的だったからだ。あの声で蜥蜴喰うかやホトトギスという諺だかなんだかがあるが、あの顔でAVやるのかいまのこは、というのが最近の私の女性不信で、無垢だの純情だの、ましてや清純だのというコトバをいまの女性に求めることはかなり難しい。お産のときの痛みというのは、男ならばショック死するくらいのものらしいが、性交の快感は男性の百倍まであるという説に、私は同意する。男は白目を剥いて射精することなど100%ナイが、女性のorgasmは、白目剥くからなあ。かつて一年ほど付き合った女性に、このひとは何回くらい「イク」のだろうかと、持ち前のおそれ知らずの好奇心だけで、〈実験〉してみたことがあったが、ちょうど8回目の「イク」で、もはや「イク」という発声もなくなり、呼吸困難の様子で白目になって背中に爪を立てられた。「イク、イク」から「シヌ、シヌ」になるというが、ほんとうに死ぬのではないだろうか。ほんとかどうか、最近の性科学では、女性のorgasmの場合、脳に廻る酸素の量が減るらしい。その代わり、脳内物質の分泌が増加して、臨死のときのように快感が増幅されるらしい。ほんとに死んだ例はまだ報告されていないが、悶絶、気絶、失神の類なら多々あるらしい。腹上死というのは男だけかと思っていたが、臨死あたりまでは女性はいくのだそうだ。(ちなみに、男女ともほんとうに死ぬ場合、脳内物質のモルヒネの100倍の強さのなんらかが分泌されるそうで、何故、そんな現象が死ぬ間際におきるのかはワカッテいない)

 そんなことを考えていたので、レイさんは放っておいて、何処となく、私はその場を離れた。と、猟銃の音がして振り向くと、テンガロンの男のひとりの頭蓋が吹っ飛んだところだった。レイさんは無我夢中に猟銃の引き金を引いたらしい。

 アブねえよ。イってる女にそんなもの持たせたほうが悪いよ。

 次の一発は、もうひとりの男が、レイさんの首から上をカボチャのように砕いた音だ。

 夢の中にせよ、潜在する女性がこんなふうに具現することに、私はそんな女性を恨みはしなかったが、自身を呪うことはした。

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