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2017年2月17日 (金)

夢幻の函 Phantom share 34

「もっと立派なお城が欲しいな」

とエブがビブにいいました。

「そりゃあ、そうだよ。エブ兄さんにふさわしいお城をつくらないと」

ビブは、エブに、国の民から税金をおさめるだけではなく、城づくりのしごとをするように命令すればイイとアイデアを出しました。もちろん、賃金はナシです。そのうえ、城づくりのとき、国の民にビブの経営する弁当屋がつくった弁当を買わせることに決めました。

ビブは大金持ちになってから弁当屋をはじめたのです。もちろん、弁当屋はタイセツなしごとです。しかし、ビブは、税金がお金ではらえない民に米や野菜をおさめさせる命令を、兄の国王エブに出させました。それを使った弁当ですから、タダどうぜんでつくれます。

さて、城の次は宮殿、その次は高い塔、その次は、その次はと、国の民の税金のとりたてとタダ働きがつづいたので、国の民はだんだん、びんぼうになっていきました。

税金の支払いがとどこおってきました。あれこれと、国王のしごとばかりで、米も野菜もつくっている時間が民にはありませんでした。ですから、弁当どころか、兵隊たちの食料も少なくなってきました。

やがて、そっと国を逃げ出す民がふえはじめました。

兵隊たちも、どんどん腹ペコになって動かなくなりました。

 

二級天使がやって来た日、ドブが仕事を終えて家にもどると、父親と母親がしょんぼりした顔で、ろうそくを一本だけたてたテーブルを前にすわっておりました。

「どうしたんだい、父さん、母さん」

父親と母親は、エブとビブと牛と馬がいなくなったことを話しました。

「それは、たいへんなことだ。でも、しんぱいしなくていい。オレが明日から100倍働く。だから、山羊の乳を毎日バケツに一杯飲ませてくれ」

たいせつな商いの品でしたが、父親も母親もドブを信じて、そうすることにしました。

そうすると、ドブは次の日から眠らず休まず、たった十日で、木こり千人分を働いて、新しい田畑になる土地をひらきました。ツキはうれしくてパチパチ手をたたきました。

ドブとツキは毎日、夜明けになると、手をつないでは森にいき、いちばん星が出ると、手をつないで家にもどっってきました。それから父親と母親と四人で、カボチャを食べました。カボチャだけは、農作地でなくても、どこにでも実をつけるべんりな食べ物でした。

ドブはいつも三つは食べましたし、ツキはカボチャのつるを、ちゅうちゅう吸うのが好きでした。

 

このできごとには、天国のルシフもあきれながら、二級天使をしかりつけました。

ヤハイの神さまは、あくびを連発しています。

「ヤハイさま、これから、オモシロクなるのは、これからですよ」

とりつくろってルシフはいいました。

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