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2017年2月16日 (木)

夢幻の函 Phantom share 33

さて、次はドブのところに二級天使はやってきました。

「おい、ドブよ。おまえはたいへんな仕事をしているな。その斧、一本と、木こり千人とを、とりかえっこしてやってもいいぞ」

「そんな木こりが、どこににいるんだ」

二級天使は、ざるにいっぱいの麦わらを差し出して、それをひとつかみ、バラバラとまきました。すると、麦わらは木こり千人になりました。

しかし、

「こんなにおおぜいの木こりを食わせていくことはできない。オレは斧、一本でイイ」

あらららっ、二級天使はちょっとあわてました。しかし、

「食事つきならどうだ」

と、なにくわぬ顔でいいました。

ドブは、しばらく考えていましたが、

「オレは頭が良くないので、千人もの木こりの名前なんかおぼえられない」

と、いいました。

「木こりたちに、なふだ、を、つければどうだ」

「オレは字が読めない」

こいつ、ほんとうにバカだな。二級天使は、木こりたちを消しました。

「じゃあ、そ、そ、そうだな」

と、二級天使はかたわらの娘、ツキをみました。

「このこは、耳と口が不自由なんだろ。それを治してやるぞ」

いくらなんでも、これには反対しないだろう。二級天使はしてやったりの顔です。

ドブはじっとツキをみました。ツキの瞳をみているだけで、二人のココロは通じるのです。

ツキは首をよこにふりました。

ドブは二級天使にいいました。

「ツキは世の中のよくない話なんか、聞きたくナイそうだ。それに、ひとの悪口やうわさをするのもイヤだそうだ」

うえっっっ、困ったヤツだな。

二級天使はしかたなく、出なおすことにしました。

 

「なんだ、やっぱり、たいくつだな」

と、天国では、神のヤハイが大あくびをしました。

「ここからですよ、オモシロクなるのは」

と、大天使ルシフはニタニタ笑いました。

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