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2017年2月13日 (月)

夢幻の函 Phantom share 30

「本質(タチ)はどうしようもナイ。しかし、情況は変えていける。要はそのみきわめということかの」

 「の」ばかりだな。

 なるほど、それで夢幻「の」函か。なにがなるほどなのか、なんだかな。洒落にもならんワ。

 比目魚の禅坊主は、そういい残すと、今度こそ、何処かへ去った。

が、さらに、

去りぎわに、

「虹だけは、抱いていくがいい」

 と、最後っ屁だ。

こういうillusionは嫌いではナイけど。

私は、プラトンからアリストテレス、カント、ヘーゲル、シェリング、スピノザ、キルケゴール、ハイデガー、フッサール、マルクス、バクーニン、ソシュール、ウィトゲンシュタイン、フーコーと時系列を追っていって、お復習いし、デリダのデコンストラクション(déconstruction脱構築)までやってくると、なるほど、その考え方は、昨今いわれているsamplingremix というcategoryに置き換えられるナ、と、漠としてバクしていた。貘は夢を食べるというからな。私は私の夢を食っていたのだ。

ほう、虹ね。たしかにありゃあ、そうだワなあ。

 prism、断片化した光を、デフラグする。そういうの、抱いてみたいね。

 

「これだけ焼けると、どっちが北だか南だか、焼けなくてもワカラナイんだけど」

レイさん・ハルちゃん「あちらが小樽、あちらが津軽。海と山の位置でワカリマス」

 林檎のふるさとは、北国の街。トボトボと、孕み女二人を供にに、焼け跡をいく。

 いまだ燻る瓦礫の中に、呆然と立っているのは、誰だろう。

「オレは、これでも童話作家でね。とはいえ、持ち出せた原稿は、この一掴みだけなんだけどナ」

 白髪交じりの長髪はいう。いって、手にしている原稿らしきものを私に差し出した。

「童話作家ね。とすると、これも、作品でござんすか」

「ああ、そうだ。書き終わった頃に、ちょうど家のほうも丸焼けで、オレはこの原稿だけ抱き抱えて、押っ取り刀さ」

「拝読いたします」

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