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2017年1月 8日 (日)

夢幻の函 Phantom share④

そうか、ここは函館か。唐突に気付いて。

 で、何なんだ。土方という五稜郭、蝦夷共和国の敗者(なんだろうなぁ)が、唐牛健太郎という60年代の革命の敗者(なんだろうなあ)の墓参りってか。

「もう、革命は虫の息さへしてないぜ、カロウジ先輩」などといってみる余裕もなく、目眩がする。ここはシェア墓地だ。「革命」や「仁義」「任侠」と彫られた墓碑だってあるだろう。

と、それが在ってビックリ。いや「演劇」と記された墓碑ではナイ。「夢」という墓碑がある。ひどい悪ふざけだ。私は未だ死んではいない。だから私の夢は続いているはずだ。とはいえ、予めの告知とでもいうのだろうか。そりゃあ、いつかは目覚めるだろうから。そういうお報せかな。しかし、覚めなければ死んでるのか。また、クラッときた。いや、これは私の頭、正確にいうなら耳の中の器官のせいではナイ。

 自分の足元のバランスが勾配を登ってくるときよりさらに危うくなっているのに気付いた。勾配の角度が、sineθが大きくなっている。このままではこの急勾配を転げ落ちてしまうではないか。と、

 焦っている間に勾配は勾配でなくなり、直角になった。

 墓は、墓石はどうなるんだ。この期に及んでどうして自分のことより墓石のことが気になるのかは、もう夢まかせというしかナイ。

 墓石は次々と、まるで『2010年宇宙の旅』の例のアレのように、アレが木星に突っ込んで行くのと同じ、海へ海へと、

 で、私は。私はどうなっているのだろう。白土三平の『サスケ』に出てくるあの忍法「岩石なだれ渡り」の術を使って墓石の上を、夢ならそれくらい出来るのではナイか。

 よしっ、

と、いう思いだけで、車の助手席に座っていた。

「あの、シートベルトを」

 と、レイさんが運転席から私をチラ見していう。

「土方さんはっ」

 の問いかけ虚し、答も応えもナイまま車は発射、いや発進した。発射したい。射精したいなレイさんに。こういう不埒な思いも夢まかせで、小顔で黒縁眼鏡なのだが、それとは何の関連もなく胸部が大きい。私は女性に対しては圧倒的に臀部派で、胸部にはあまり関心がナイ。胸部を乳房とか、オッパイとかというふうに呼ぶのも書くのも好まない。胸は胸だ。ましてや「ロリ顔なのに巨乳」などと書かれたadult videoはまったくダメ。エロ漫画雑誌も全てNG。町田ひらくさんの単行本だけがOKだが、しかし、

 レイさんの胸部の大きさは許容出来る。と、ここまで夢の中とはいえ思考時間は0,5秒くらいだろう。

「温泉街を走ります」

 えっ、混浴かよ、いきなり。いや、そんなことに期待していてはイケナイ。

「温泉街っ、いくらなんでも、いくら夢でも函館に温泉街なんて聞いたことは、」

 ナイんだけどあるのだ、それが。

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