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2017年1月12日 (木)

夢幻の函 Phantom share⑧

微かに硫黄の臭いが漂っている。夢の中だから、寝屁でもしているのかも知れないけれど。

「噴火山だね」

「でしょ」

車にもどると、運転席にレイさんよりやや年上かなという印象の、ちょっと背が高いかなと印象の、slenderかなという印象の女性が座っていた。

「10ページめになりましたので、アテンダントが交替します」

 と、いいつつレイさんは消えた。夢だから。

「ハルです」

「ハルちゃんですか」

 季節で名前を変えてんじゃナイだろうな。それはそれで、どうでもイイことだけど。ComputerのHAL9000などということはナイだろうから。

「これから函館の街の中に降ります」

 そういえば、函館の周縁を巡っていたが、街中はまだ現れていなかったナ。

「途中、CUBE PYRAMIDS を通ります」

「何です、それ」

「つまり、正四角錐の半分が地中に埋まっている、正八面体なんです」

 つまり、から始まる説明が説明になっていない。知ってるもの、ワカルものには、たぶんこうかなと思惟は出来るが、要するに外見はピラミッドなんだけど、その半分、同じものが地中にあるという、ということなんだナ。と、この説明もあまり上手くはナイが、それでどうした。

「映画の『CUBE』、観ましたか」

 観た。本編中、素数だの素因数分解だの数学が矢のように飛んで来るのだが、整数論なんかをやったものなら、そのインチキ(というか誤謬・・・というか計算ミス)は見抜いたにチガイナイ。私はただ、あの立方体が動くなら、ゲームの玩具ある「ルービック・キューブ」だって個々に動くだろうと、皮肉をいったのは覚えている。むかし、平面で数字を揃えるゲームの玩具があったが、たしか、一枡、空間が(空いてるところが)在ったはずだ。立体にしたって、ツンツンのツン詰まりが動くには、一箱分の空間が必要なはずだ。ルービック・キューブにしても、一個ずつを動かすのは不可能だ。映画では一部屋、つまり立方体一個が動いているという設定だったと記憶しているが、そうするには、どうしても、一個(一部屋)は立方体の外部に出なければならない。何故なら、あの一部屋(何部屋あったか忘れたけど要するに立方体なので)の位置は座標(x,y,z)で現せる。そのままの座標の位相を変えないで(つまり外部に出さないで)部屋が動くとすれば、立方体の中にblankな空間が一個分なければならない。ツン詰まりの立方体を維持したママでは一個(一部屋)ごとを動かすことは出来ないはずで、それでも部屋が動いているとすれば、ツン詰まりではなく、幾つかのくっついた部屋が座標を立方体の中に有したまま、あちこちに動いているとしか考えられないから、

「いくつもpyramidが並んでます。かつては月面にあったのを移築したんだそうです」

 石ノ森章太郎老師の『サイボーグ009』ですよ、それは。

「そういうの、観たくナイから、早いとこ函館の街に行く道はナイの、ハルちゃん」

「ありますよ。でも、メズラシイですね、あれをご覧になりたがらないヒトがいるなんて、初めてです」

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