百姓日記⑦
関係は乖離スル
ジャズを聴き始めた頃はピアノはあまり好きではなかった。きょうの離脱症状は、クスリをゼロにしてから最も強いのが出た。かつてソニーCDクラブとかいうのがあって、前前嫁がすすめてくれたので、入会したら月一回クラッシックやジャズのCDの解説、宣伝があって、殆ど素人の私はこのあたりからジャズを聴き始めたのだが、とにかく飯が食えないというか、痛みは治まっているのだが、痺れとだるさで辛いのだ。とりあえず、モダンから聴き始めて、どういうワケか、ドラムとかベースの渋みがいいのが好みだったから、ピアノはいま一つ甘かった。こういうときは、食わないと体力低下で免疫低下で風邪を引き寄せるという怖さがあるので、簡単な豚キムチと味噌汁にした。ピアノがいいと思い始めたのは、そのクラブで買ったヨーロピアン・ジャズ・トリオのアルバムからで、こんなセンチメンタルなジャズもあるんだなと、洗練された演奏に驚いた。それでも豚キムチは三分の一ほど残してしまった。残り物を冷蔵庫に入れるのはイヤな性格なので、そのまま棄てた。150グラムは多かったなあ、80グラムのほうにしとけばよかったと後悔した。ヨーロピアン・ジャズ・トリオは、日本人好みなのか、日本人にファンが多い。というか、本場のアメリカでは、「こんなもんはジャズやナイ」という古老なんかがいたりするんやろ。横になると余計にひどくなるので、ただ座って、いつものように杉作、天狗のおじちゃんはね、って、過ぎ去っていくのを待つしかナイ。たしかにスタンダードのジャズ名曲集なんかと聴き比べると、主張が強くなく、雰囲気というか、独特の世界観があって、私はこの孤高の沈んでいく感じが好きなのだが、痺れてだるいカラダでは、孤高も沈んでいくもナイのだ。息苦しくなってくるので、何度もため息をつく。名曲に出逢うと、息をするのを忘れていたような気になるのだが、ヨーロピアン・ジャズ・トリオは、えてして呼吸しやすい。忙しくナイ。欧米の歴史の違いなんだろう。黒人がどうの、魂がどうのという面倒臭さがナイ。いってみればクールというのか。このクールとかホットとかいうのは、まだ使えるのだろうか。最近、〈ギャグ〉というコトバはおじさんコトバであって、若い人は〈ジョーク〉というのだそうだ。そういえば、女性は「パンティ」なんてコトバは使わないらしく、戯曲で「パンティ」の入ったせりふを書いたとき、女優に指摘された。「パンツ」でいいのだそうだ。そうすると、ズボン系統もパンツというが、どうなの、と訊いたら、話の脈絡で理解出来るじゃんと、いわれた。なるほど。「じゃん」は、最初は横浜だったか神戸だったか、そのあたりのひとびとが使い始めたらしい。
今夜はモダンを聴いているが、離脱症状は残っていて、いやあ、キツイ日です。
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