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2016年2月23日 (火)

♡~27

歌謡曲『寒い朝』はは1962年4月20日にビクターレコードから発売された吉永小百合のデビューシングルだ。和田弘とマヒナスターズと共に歌っている。
北風の吹き抜く寒い朝も、こころひとつであたたかくなる、北風の中に待とう、呼ぼう、春を。というふうな歌詞になっている。「寒い朝」や「北風」や「春」をmetaphorとするならば、つまり、私たちは、1962年から「春」がやって来るのを「北風」の中で待っていることになる。そんで「春」は来たのか。そんなことを考えると、ベケットの『ゴドーを待ちながら』にまで思いを馳せねばならない。よく上演されたり、一字一句の変更を許可しないという条項があるので、似たような趣向の作品や、捩った、パロった作品は日本にも多くある戯曲だが、私はこの、のったりのたりした、ハッキリとしない、思わせぶりな戯曲が大キライだ。と、この件については、また一♡設ける。
要するに1962年には、もう人々は「春」を「北風」の中に待っていたのだ。呼ぼうとしたのだ。然りといえども、いまは「冬」だ。季節のことをいっているのではナイ。経済の冷え込みと、世知辛くなった世間をいっている。
この後、いったい何年、この日本は寒い朝を迎えるのだろうか。寒い朝くらいなら暖房と防寒具でなんとかなるかも知れないが、これが「氷河期」なら、もはや、春を待つも呼ぶもへったくれもナイ。せめてへったくれくらいはあって欲しいが(〈へったくれ〉の語源は不明だが、基もとは関西弁だったのではナイかといわれている。つまりヘッタ+クレということになるのだろうが、ヘッタが蔕なのかどうか、判然とはしていない)。
寒い朝というのが、metaphorでもナンデもない、そのまま存在するのが、東日本震災の仮設住宅だ。西成のドヤよりひどい、このヤサに、まだ、半数近くの住民が住んでいるのだ。
大臣の失言やみみっちい銭の収賄にケチをつけてるヒマがあるなら、網走番外地並のこの住居環境をいいかげん、なんとかしたらどうだ。それが出来るまでは、私はけして現政権のあらゆる言明、言説も信用しないことにしている。
寒い朝ではナイが、寒い夜に、毎年食ってた常夜鍋(豚小間とほうれん草だけの鍋)に用いるほうれん草の、その価格を観て、こっちが凍てつくワ。ピーマン一個が特売で一個51円という情けなさにも凍りつく。
もちっと文化的な話をすれば、シネコンというところの従業員はバイトばかりで映像技術に関する者は、ひとりも配置されていない。総て通信で送られてくるからだ。バイトはポップコーンの販売と掃除ともぎりをやっていればイイ。この前、画面と映像の比率があきらかにチガウ通信ミスがあったので(具体的にいうと、映像の両切りなんだけど)、苦情をいったが、なんともならないということで、苦情をいった私も、受送信の中間設定設備が館内にはナイということは、初めて知った。
小さな単館上映映画館も、フィルムから通信への切り換えを余儀なくされているが、これに最低1千万かかる。かけても数年後には、また更新させねばならない。洋画ばかりが喧伝されているが、上映本数でいえば、洋画の倍以上の邦画が創られていて、一週間から、ひどいのになると土日だけ上映され、DVDに「劇場上映版」などと記されて、レンタルされたり、セルされたりしている。このDVDの価格は、驚いたことに、セルよりレンタル用のほうが高いのだ。もちろん、レンタル用のほうが多く円盤になっていく。最近では映画も通信になってきて、欧米ではすでに円盤より通信のほうが多いのだが、日本人はそのお国柄か、あまり通信を信用してはいないようだ。アダルトになると、セルとレンタル用とでは、映像がチガウ(らしいが、これは、まあ、聞いただけ)。
かつて、石原裕次郎は、浅岡ルリ子さん(存命者には敬称をつけます)と『夕陽の丘』をデュエットして(1963年9月1日)この売上げは143万枚(テイチクによる)だったそうだが、歌詞に「また呼ぶ秋はないものを」とある。『寒い朝』の1年後には、もう「秋」ですら、呼ばねば(呼んでも)来ないことになっていたのだ。最近は四季の区別があやふやになって、とは、よく耳にするが、そんなものは、1960年代初頭からのことだ。
で、お清めの塩の代わりに二句詠んでみた。

窓を開けて小さな春を入れた(日和よき午近く)

シリウスよずっと地球をみつめていたか(冬の夜、外に出て空をみつめて)

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