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2015年12月15日 (火)

私想的生活-0

このまま眠ると、明日の朝死んでいるのではないだろうか、という一種の強迫観念がいつまでも片隅にあるうちは布団に入る気になれず、ウヰスキーの水割りが時々5杯になることもある。
これには理由がある。父親の臨終が「眠るように」ではなく、ほんとうに眠りに入ってそのまま逝ってしまったからだ。看護師が病室に慌てて数人入ってくるまで、看護していた母親も、気がつかなかったという。こういうのを大往生といのかどうかは知らぬが、私としては「悪人なおもて往生をとげる」と思うことにしている。

うつ病期の闘病時は、酒の味もしなくなる。何を飲んでいるのかワカラヌが、酔うために飲んで、さて寝床に入ると、酔いがまわって気持ちよく眠りに入るかというとそうでもなく、うつ病特有の身体的苦痛(だるさや痺れ、息苦しさ)にしばらく耐えねばならない。これは目覚めもそうで、朝にせよ、昼寝のアトにせよ、たいてい30分は生きるか死ぬかに迫られる。これをうつ病の「ハムレット症候群」と自分では称している。この状態が脱けきらないうちは寛解(かんかい、Remission.永続的であるか一時的であるかを問わず、病気による症状が好転または、ほぼ消失し、臨床的にコントロールされた状態を指す)といかない。日常生活はほぼなんとかなるのだが、突然、ほんとうに何かの発作のようにうつ病症状が所嫌わず襲ってきて、ハムレットになる。現在はそんなような情況で、寛解率50%てなふうだ。

うつ病の典型的症状に、中途覚醒というのがある(あるいは早朝覚醒)。こいつは一度夜半や明け方にでも目覚めると、そこから眠れない。当然、その日一日は消耗のままダメになることが多い。これを私はメジャートランキライザー2,5㎎(通常5㎎)を就寝時1時間前に服用することで切り抜ける。変に抗鬱剤を増量するよりも、こちらのほうが楽なのだ。だから中途覚醒からは逃れている。とはいえハムレット症候群は現出して、長いときは2時間ばかり、これにつきあわされる。もっとも、うつ病の現出期は半日はこの症状がつづき、そこに痛みがともなう。こういうことは何度もこのブログに書いたが、痛みの現出は、うつ病罹患者の4割で、出方はさまざま。私の場合は左右の手首関節と指関節の鈍痛と疼痛、酷いときは、足首や手肘もやられる。ここに全身のだるさと痺れが加わる。
抗鬱剤の服用(62,5㎎・・・通常は75~100㎎だが、年齢的に60㎎程度まで下げている)で、抗鬱剤の成分のノルアドレナリンの作用で痛みは緩和されるが、如何せん自殺念慮と不可思議な重力の異常付加は突然、ところかまわず、やってくる。これが数分で終わるか数時間になるか。これらは抗鬱剤の副作用によってももたらされる。セロトニンによる口渇、吐き気、ノルアドレナリンによる、ふらつき、頻脈、そこで、徐々に抗鬱剤の減量を試みる。いまのところ25㎎まで減らしてなんとかなっているが、それでも、β-ブロッカーの扶けがいる場合がある。これも寝起きに多いが、脈拍が120を超えることもある。105あたりまでは、半身浴や瘀血(おけつ・伝統中国医学において、鬱血や血行障害など、血の流れの滞り、またはそれによって起きる様々な症状。東洋医学の解説書などにはよく「ふる血」や「汚れた血」などと解説してあり、また、瘀が特殊な字で、「悪血」と書かれることもある)を抜いたりして対症する(刺絡と称する。方法はさほど難しくなく、糖尿病検査の鍼器具を用いて、足の指から15滴~30滴ばかり搾る)。
5年くらい前に独居していたときは、起床は6時、それからしばらく待って6時半から開店の早朝喫茶にモーニングで朝食、8時頃から11時までデスクワーク、近隣の中華屋で瓶ビール(500㎖)を一本飲んで昼食、帰って1~1時間半ほど昼寝。そのアト何をしていたか、あまり記憶にナイが、試写のある日はビールはやめて、試写室に出向いて映画を観て、自炊で晩飯。たぶん、読書とかに空き時間はアテていたんだろう、就寝は12時前後だった。このときも、9時頃から水割りを4杯。この頃はまだ目が大丈夫だったので、出来ることも多かった。この頃までは、抗鬱剤も3日~遅くても5日くらいで効き始め、副作用もなかった。
加齢が関係するのだろうか、同種の抗鬱剤と自律神経(交感神経)の折り合いが現在はあまり良くなく、前述したように匙加減が微妙に難しい。やっと、12,5㎎を朝と昼に一錠ずつ服用で、ほぼ50%寛解までこぎつけたいまも目のほうが減衰して、舞台なら1時間、映画でも90分を超えると、眼鏡をしていてもしていなくても同じで、ピントもフォーカスもオジャンになる。
実にやっかいな疾病だが、この疾病で死ぬことだけは、拒絶する。
I don't succumb.(アイ ドォント スカム ・ 我、屈せず)
At least today only.(せめて今日だけでも)

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