『安倍政権を笑い倒す』を読む
判決。笑いも倒しも出来てません。暖簾に腕押し、糠に釘、引かれ者の小唄。いまなら古本屋に行けば、100円で売ってるでしょう。
主文。保守もリベラルも同じことをいってる部分が一つだけある。「日本をアメリカ合衆国の属国にするのかっっ」だ。どう考えても、このひとたちは何か錯覚している。日本を属国にする気か、では、まだ「属国になっていない」ことが前提されている。冗談じゃナイ。日本はすでにというか、敗戦からこっち、アメリカ合衆国の属国だ。これがワカッテらっしゃらナイワケはナイと思うのだが。
日本に米軍基地は83ヶ所在る。つまり日本は米軍基地の島なんだ。講和条約を締結しているに関わらず、「日米安全保障条約」による「地位協定」(安保条約第6条)によって、米国は「治外法権」を多く所有している。たとえば、公務中の米兵を日本は裁けない。公務外でも基地内に逃げ込まれると似たようなことになる。首都圏上空には「横田進入管制区」てのがあって、1都9県に及ぶこの空域を日本の民間機が飛ぶには一便ごとに米軍の許可が必要になる。よって、民間機はこの空域は迂回して飛んでいる。この他、空軍の演習における騒音の発生、低空飛行の危険性など、どれにも口をはさめない。さらに、1987年以降、米軍の施設整備費用をはじめ、基地従業員の賃金、光熱水道料を負担している。(いわゆる思いやり予算と称されている。オリンピック東京開催が決定したので、名称を〈おもてなし予算〉に変更することが議会に提出されたが、否決された)。2014年度の在日米軍に対する経費は総額で6710億円だ。これは韓国の五倍を超える値だ。
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)は何がどうなってんのか、守秘事項が多くあって、よくワカラナイが、ざっとワカルことは、アメリカ合衆国にとっては有利にはチガイナイということだけだ。断っておくが、TPPは、肉などの食品関連の関税撤廃だけをいっているのではナイ。ことは〈著作権〉にも及んでくる。が、この辺りは資料が秘匿されているので、よくワカラナイ。
けれど、いくら安くてもアメリカの牛肉だけは食えないよ。ひどいもん。日本のマグドナルドがパテの原材料の肉を本国のアメリカでなく、オーストラリアからの輸入にしているのはよ~くワカリマス。
かつて「貧乏人は麦を食え」と答弁して顰蹙をかった宰相がいたが、要するに「貧乏人はアメリカの牛肉を食え」といっているのがTPPだと、メタファーとして考えて、そうマチガイはナイようだ。
『安倍政権を笑い倒す』は、佐高信氏と松本ヒロ氏の対談本で、インテリの胡散臭さとお笑い芸人の卑屈さがよくワカル。つまり、安倍政権に対しては「目くそ鼻くそを笑う」だ。私はどっちの方ともお付き合いはしたくねえなと思った。さらに、笑い倒してみてくれよっ、それなら。と、読みながら焦燥を覚えた。太宰まで持ち出しての「弱者の味方」を喧伝しているが、弱者が正しいとは限らないんだぜ。太宰の読み方がオカシイよ。
安倍政権になって、日本の滅亡(亡国)に加速度がついたことは、町ブラしてればワカルし、ふつうに暮らしていればワカル。しかし、私の目の黒いうちに亡ぶとは思いもしなかった。が、そうなんのかなあ、やっぱり。
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